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6 神との約束
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婚礼の儀式の場にはすでに二つの人影があった。白い衣を纏う短い青色の髪の人物と、黒い衣に漆黒の地面に渦を巻くほどの長髪は、村で育ったぶんの常識しか持たないトーカにも異質に見えた。
「ひとがいる?」
「いや、俺たちに合わせて変化しているだけだ。神の被造物に神格を与えるためには三柱の同意が必要だから」
その答えに、彼らがリナサナヒメトに教えられた三柱のうちの二柱だと理解した。
「わざわざ変化してくれるなんて、神様なのに優しいんだ」
「それはどうかな」
不穏なリナサナヒメトとの言葉に問い返す間もなく、青髪の神が口を開いた。明るく澄んだ水色の瞳は感情のない氷鏡のようだった。黒髪のほうはその隣でじっと目を閉じている。
「それが嫁御か。リナサナヒメト、そなたは本当に人間が好きなのだな」
青髪の神は、生まれ変わるたびに人間の伴侶を連れてくるリナサナヒメトに、いつも同じ言葉をかける。同じ場所、同じ条件で行われる定型の儀式だけが、滅多に姿を現さないその神を呼ぶことができる。
反対に、定式にとらわれない神もいた。
「人間はリナサナヒメトの嫁として認められるために試練を受けねばならない」
黒髪の神が、目を閉じたまま厳かに告げた。リナサナヒメトが眉をひそめて口を開く前に、トーカが答えてしまう。その目は地面に垂れた長い黒髪を見ていた。
「試練? おれ、ブラッシングなら得意だけど……うん、頑張る」
「トーカがブラッシングをするのは俺だけだ。他の奴の毛などどうでもいい。それに、試練など必要ない」
「そう? じゃあ、ブラッシングはヒメサマだけにする。ブラッシングじゃなければやるよ」
神に相対しているというのに物怖じする気配がないばかりか、横入りしてきたリナサナヒメトと会話をするトーカに、長い黒髪がざわざわと地を這い回る。
「聞け、人間をリナサナヒメトの嫁として認めるためには」
「おまえに認められる必要ないだろう。嫁の数が数えられないほどいる奴が偉そうに」
苛々とした様子のリナサナヒメトが黒髪の先を踏む。トーカは、猫が紐にじゃれついているようだと微笑ましく思った。立派な成人男性のようでも、リナサナヒメトはトーカの猫のヒメサマだと。
「リナサナヒメト、嫁御の覚悟を確認したいのだ。おぬしの想いは重いからな」
トーカは改めて、自分よりずいぶん大きいリナサナヒメトを上から下まで眺めた。
「たしかに重そう……これじゃ膝には乗せられない」
「俺がトーカを膝に乗せればいい」
「おれが乗るんだ?」
どうせ乗るなら猫のまま大きくなったヒメサマに乗りたいなどと、トーカが考えていると、踏まれたままの黒髪がビタンビタンと地面を叩いた。
「話を聞け、リナサナヒメトと嫁」
この神様は黒猫だろうか、とトーカは猫の姿を思い描いてニコニコした。トーカはまだ、三柱すべての神の本体が猫の姿をしていると思い込んでいる。
「うんうん、どんな試練をしたらいいんだ?」
「季節とともに空を駆ける馬を季馬という。その馬の尾から毛を取ってこい」
「馬毛をどうするんだ?」
「どうもしない。取るだけだ。取ってくることができたらリナサナヒメトの嫁として認められる」
「わかった」
季馬が何かも詳しく聞かないうちにトーカが了承するから、ヒメサマが黒髪の神に食ってかかった。
「おい、季馬は人間にどうにかできるものじゃないだろう」
「嫁はわかった、と答えた。それ以前にも何度もやる、と答えている。すでに約束が成っている。これは神と人の約束である。リナサナヒメト、そなたであっても覆すことはできない」
「前提が間違っている、オサヒグンラ。嫁が神格を得るのに条件など必要ない」
「え、このひとがオサヒグンラ……様なんだ。亀、ありがとう。すごく乗り心地よかった」
「それはなによりだ」
リナサナヒメトの足から逃れた髪が穏やかにざわざわと動く。トーカは見覚えのある何かの動きに似ていると首を傾げた。
青髪の神はじっとなりゆきを見守っている。
「馬は乗り物にしないのか?」
「天上の神に作られし馬は半精霊の季馬と羽のついた天馬だけである。季馬は駆け続け、天馬は道を好まない、つまり、どちらも乗るには向かない」
「ふーん。神様の馬ってだいぶ違うんだ」
トーカは、村で世話をしていた農耕を手伝っていた穏やかな馬たちを思い浮かべた。猫のヒメサマのブラシを作るために毛が欲しいと言ったら、快く切り取らせてくれた優しい馬たちだった。
「季馬は地上と天上の双方を駆けている」
「地上と天上……じゃあ、地下もあるの?」
思考が本筋から逸れるトーカに不快感を示す神はいなかった。むしろ、それまで静観していた青髪の髪が静かに口を開いた。
「嫁御は外見で選ばれたというのに、なかなか賢い」
「へへ、ありがと。神様の名前を聞いてもいい?」
「知る必要はないぞ、トーカ。こいつは三柱の中でいちばん人間嫌いだ。二度と会うことはないから」
リナサナヒメトの言葉に動揺することなく、青髪の髪は頷いた。
「ええ、でも結婚式には来てくれてるのに」
「どれほど取るに足りない生き物でも、神の伴侶となる者を蔑ろにはできない」
「へへ、どーも」
取るに足りない生き物、という言葉は冷ややかで、トーカは首に氷柱を突きつけられたようだった。ヒメサマが肩を抱いていたから、動揺を出さずにへらへらと笑っていられただけだ。彼の足が震えているのを神々に気付かれていたが、何も反応を示さなかった。
「好意もないが悪意もない。オサヒグンラと約束を交わしたならば見届よう」
「止めろよ。トーカが約束を果たしたらまた呼ばれるんだぞ」
「構わない」
青髪の神に何を言っても無駄と見たリナサナヒメトが、トーカの説得に戻った。
「トーカ、あんなものは無効だ」
「おれ、やりたい。ヒメサマの嫁になるために必要なんだろ。それに、季馬の毛はきっといいブラシになるよ。ヒメサマは今のままでも綺麗だけど、おれがヒメサマをピカピカのサラッサラにしたいんだ」
村では流されるばかりだったトーカが、瞳を輝かせてリナサナヒメトを見つめる。試練などなくともトーカに神格を与えられるのだが、すでにトーカが必要だと判断してしまったことでオサヒグンラとの契約が成立し、止めることができなくなった。
「神の与えた試練に他の神は手を出せないんだ」
「そっか。じゃあおれ一人で頑張るな!」
ヒメサマはきらきらの笑顔を見せるトーカに微笑みかえした。
「リナサナヒメトは何度生まれ変わっても人間に甘い」
「だから生まれ変わるのだろう。理解できない感覚だが、リナサナヒメトが治める地上の様子は悪くない」
オサヒグンラは何かを企むように口元をにんまりと引き、青髪の髪はオサヒグンラに釘を刺すように言葉を返した。
「ひとがいる?」
「いや、俺たちに合わせて変化しているだけだ。神の被造物に神格を与えるためには三柱の同意が必要だから」
その答えに、彼らがリナサナヒメトに教えられた三柱のうちの二柱だと理解した。
「わざわざ変化してくれるなんて、神様なのに優しいんだ」
「それはどうかな」
不穏なリナサナヒメトとの言葉に問い返す間もなく、青髪の神が口を開いた。明るく澄んだ水色の瞳は感情のない氷鏡のようだった。黒髪のほうはその隣でじっと目を閉じている。
「それが嫁御か。リナサナヒメト、そなたは本当に人間が好きなのだな」
青髪の神は、生まれ変わるたびに人間の伴侶を連れてくるリナサナヒメトに、いつも同じ言葉をかける。同じ場所、同じ条件で行われる定型の儀式だけが、滅多に姿を現さないその神を呼ぶことができる。
反対に、定式にとらわれない神もいた。
「人間はリナサナヒメトの嫁として認められるために試練を受けねばならない」
黒髪の神が、目を閉じたまま厳かに告げた。リナサナヒメトが眉をひそめて口を開く前に、トーカが答えてしまう。その目は地面に垂れた長い黒髪を見ていた。
「試練? おれ、ブラッシングなら得意だけど……うん、頑張る」
「トーカがブラッシングをするのは俺だけだ。他の奴の毛などどうでもいい。それに、試練など必要ない」
「そう? じゃあ、ブラッシングはヒメサマだけにする。ブラッシングじゃなければやるよ」
神に相対しているというのに物怖じする気配がないばかりか、横入りしてきたリナサナヒメトと会話をするトーカに、長い黒髪がざわざわと地を這い回る。
「聞け、人間をリナサナヒメトの嫁として認めるためには」
「おまえに認められる必要ないだろう。嫁の数が数えられないほどいる奴が偉そうに」
苛々とした様子のリナサナヒメトが黒髪の先を踏む。トーカは、猫が紐にじゃれついているようだと微笑ましく思った。立派な成人男性のようでも、リナサナヒメトはトーカの猫のヒメサマだと。
「リナサナヒメト、嫁御の覚悟を確認したいのだ。おぬしの想いは重いからな」
トーカは改めて、自分よりずいぶん大きいリナサナヒメトを上から下まで眺めた。
「たしかに重そう……これじゃ膝には乗せられない」
「俺がトーカを膝に乗せればいい」
「おれが乗るんだ?」
どうせ乗るなら猫のまま大きくなったヒメサマに乗りたいなどと、トーカが考えていると、踏まれたままの黒髪がビタンビタンと地面を叩いた。
「話を聞け、リナサナヒメトと嫁」
この神様は黒猫だろうか、とトーカは猫の姿を思い描いてニコニコした。トーカはまだ、三柱すべての神の本体が猫の姿をしていると思い込んでいる。
「うんうん、どんな試練をしたらいいんだ?」
「季節とともに空を駆ける馬を季馬という。その馬の尾から毛を取ってこい」
「馬毛をどうするんだ?」
「どうもしない。取るだけだ。取ってくることができたらリナサナヒメトの嫁として認められる」
「わかった」
季馬が何かも詳しく聞かないうちにトーカが了承するから、ヒメサマが黒髪の神に食ってかかった。
「おい、季馬は人間にどうにかできるものじゃないだろう」
「嫁はわかった、と答えた。それ以前にも何度もやる、と答えている。すでに約束が成っている。これは神と人の約束である。リナサナヒメト、そなたであっても覆すことはできない」
「前提が間違っている、オサヒグンラ。嫁が神格を得るのに条件など必要ない」
「え、このひとがオサヒグンラ……様なんだ。亀、ありがとう。すごく乗り心地よかった」
「それはなによりだ」
リナサナヒメトの足から逃れた髪が穏やかにざわざわと動く。トーカは見覚えのある何かの動きに似ていると首を傾げた。
青髪の神はじっとなりゆきを見守っている。
「馬は乗り物にしないのか?」
「天上の神に作られし馬は半精霊の季馬と羽のついた天馬だけである。季馬は駆け続け、天馬は道を好まない、つまり、どちらも乗るには向かない」
「ふーん。神様の馬ってだいぶ違うんだ」
トーカは、村で世話をしていた農耕を手伝っていた穏やかな馬たちを思い浮かべた。猫のヒメサマのブラシを作るために毛が欲しいと言ったら、快く切り取らせてくれた優しい馬たちだった。
「季馬は地上と天上の双方を駆けている」
「地上と天上……じゃあ、地下もあるの?」
思考が本筋から逸れるトーカに不快感を示す神はいなかった。むしろ、それまで静観していた青髪の髪が静かに口を開いた。
「嫁御は外見で選ばれたというのに、なかなか賢い」
「へへ、ありがと。神様の名前を聞いてもいい?」
「知る必要はないぞ、トーカ。こいつは三柱の中でいちばん人間嫌いだ。二度と会うことはないから」
リナサナヒメトの言葉に動揺することなく、青髪の髪は頷いた。
「ええ、でも結婚式には来てくれてるのに」
「どれほど取るに足りない生き物でも、神の伴侶となる者を蔑ろにはできない」
「へへ、どーも」
取るに足りない生き物、という言葉は冷ややかで、トーカは首に氷柱を突きつけられたようだった。ヒメサマが肩を抱いていたから、動揺を出さずにへらへらと笑っていられただけだ。彼の足が震えているのを神々に気付かれていたが、何も反応を示さなかった。
「好意もないが悪意もない。オサヒグンラと約束を交わしたならば見届よう」
「止めろよ。トーカが約束を果たしたらまた呼ばれるんだぞ」
「構わない」
青髪の神に何を言っても無駄と見たリナサナヒメトが、トーカの説得に戻った。
「トーカ、あんなものは無効だ」
「おれ、やりたい。ヒメサマの嫁になるために必要なんだろ。それに、季馬の毛はきっといいブラシになるよ。ヒメサマは今のままでも綺麗だけど、おれがヒメサマをピカピカのサラッサラにしたいんだ」
村では流されるばかりだったトーカが、瞳を輝かせてリナサナヒメトを見つめる。試練などなくともトーカに神格を与えられるのだが、すでにトーカが必要だと判断してしまったことでオサヒグンラとの契約が成立し、止めることができなくなった。
「神の与えた試練に他の神は手を出せないんだ」
「そっか。じゃあおれ一人で頑張るな!」
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