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触手な王子様をお持ち帰り 12 *

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 結論から言う。モブの意思なんて紙みたいに薄っぺらい。誰だって痛いのも苦しいのも嫌だし、平穏なモブ人生にそんなものは必要ない。

「ふぅっ……ああっ……ディアヴ……ぁアッ」
「どういう身体だ、これは」

 俺は洗いざらい吐かされた。ただのモブだから誤魔化しきれないと思ったらすぐゲロっちゃう。仕方がない、心に芯のある主人公にはなれないから。ディアヴも悪いようにしないって言ったし。
 いまはそのご褒美にディアヴにハメてもらっている。スコーリョと比べるのもおこがましいディアヴのものは、相変わらず俺を夢中にさせる。

「毎日、何度も犯されないと満足しないのか」
「ぁううっ……だめ、あ、そこも……ひぁあっ」

 中をみっしりと満たしたまま、乳首をきゅっと摘ままれる。乳首大好きだけど、身体の制御がきかないぐらい感じるから、いまは辛い。

「無理やりされても感じるのか」
「っ……ァアアアッ……んぁあぁ」

 ディアヴのやり方はねちっこくなった。快感をグラフにしたら、山がいくつもある山あり谷ありが普通なのに、高いところでキープされる。

「ぁはぅ……ディ……アアゥ、しんじゃ、死んじゃう」
「死んでみろ」

 無慈悲な台詞が似合いすぎる!

「ぁあああーーっ!!」

 頭が真っ白になって俺は昇天した。蘇りたくありません神様……。

 現実は無情で、乳首への悪戯でビクビクしなが目が覚めた。

「ふぁ!? ディアヴ……っもう、やめ……ぁふ」
「スキモノが」

 人のことを淫乱だのスキモノだの、婚約者だと言うならそれなりの態度があるだろう!!

「誰のせいだよ!! んあ、おま、お前が、おれっん……俺に、ひん……お前がしてから、身体がおかしく……っぁん、なって」
「誰にされても感じてしまうって? 何故オレに言わなかった」

 平行線ー!!
 ディアヴは俺の身体が悪いと言い、俺はディアヴが開発したせいだと信じている。

「そんな……っん、態度だから、みんなに……ぁん、嫌われて矛先が俺に向かったんだよ!!」

 後半は一気に言えた。いい加減自分の落ち度を認めろ。

「はぁ、俺は、俺の言葉を信用しない奴と結婚なんて無理」
「この目で見ていないものは信用しない」

 曇りなきまなこってこういうの? 変なところで筋を通すディアヴに訳がわからない。

「じゃ、じゃあ、お前が休むことにしてこっそり監視したらいいだろ。放課後にだいたいヤられてるから」
「……ではこいつの記憶も少し抜いておく」

 部屋の隅にまだ転がされていたスコーリョの頭に魔石が当てられた。見る目のない俺でもわかる高級な魔石だ。
 なにか魔法陣が閃いて、スコーリョの頭に溶けるように消えた。

 ディアヴがよろめくようにベッドに腰をかけて、かなり高難度の魔法だったと理解した。というより記憶に作用する魔法って禁呪じゃないのか。

「誰にも言うな。共犯だからな?」
「……ハイ」

 明日は初めてのおつかいならぬ、ディアヴ初めての見学になるようだ。
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