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二章

2-9 戻らないでほしい 祐志

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 ずれ込んだ予定で残業になり、家に帰ると、拍子抜けする程に健吾がいつも通りだった。子供たちはもう寝ている。

「おかえり、祐志。心配かけてごめん。今日病院行ってきたよ」
「病院?」
「うん、やっぱり変だからさ。医者が言うにはホルモンバランスが崩れたんじゃないかって。ほら俺、子宮取ってるだろ?」
「うん……」
「休んで落ち着くなら無理せず休んで、精神的に不安定になるなら安定剤を飲んでって処方してもらったよ」
  
 俺を安心させようとしてくれているのか、微笑みを浮かべて話してくれる。
 思わず手を伸ばして健吾を抱きしめたら、すぐに背に手が回される。当たり前のように与えられるこれは本当に俺が受け取っていいものだったのだろうか。だけどこれがつがいにしたから与えてもらえるものだとしても、いまさら手放すことはできない。

「本当に、無理しないで良いから。健吾、愛してる。病院、行ってくれてありがとう」  
「ん。祐志も心配かけてごめん」

 健吾が落ち着いたのが嬉しくて、抱きしめていたら我慢できなくなってくる。俺のものだと確認したい。いつか記憶が戻った健吾に拒否されるのではないかという不安を消せない俺は、いつでも健吾を抱きたい。幸い子供たちはもう寝ている。そのまま健吾を抱き上げて寝室へ向かった。健吾が拒んだことは一度もない。

 健吾が「ごはん」と呟くのに「ごめん」と返す。ベッドの上で、健吾の匂いを嗅いで、胸に手を当てて鼓動を感じる。服が邪魔だったから、脱がしてしまった。

「祐志、俺だけ……」

 気付くと全裸の健吾にスーツを着込んだ俺がのしかかっている状態だ。健吾が恥ずかしそうに俺のネクタイを引っ張る。

「健吾、綺麗だ」
「だからそれ、もういいから……。祐志、脱いで」
「健吾、脱がして?」

 赤い顔をして、恥ずかしそうにしながら俺の服のボタンを外していく健吾。
 脱がしていく過程に興奮するのか、隠せない前が芯を持ち始めている。
 俺に、興奮してくれている。健吾が俺のベルトを外した。我慢できたのはそこまでだった。

「あっ、やっ……。う、ふぅっ」

 健吾の全身にキスを落として、芯を持ち始めていた陰茎をくわえる。
 健吾が可愛い声を必死で我慢している。
 子供たちが起きてくるのを心配しているのだ。

「んっ、ぁんっ、あ、祐志、ぁ……」

 俺の髪を掴んで、健吾の腰がもじもじと揺らされる。
 後ろには触れてないから、触って欲しいんだろう。可愛い。
 初めが酷かったから、俺は健吾から欲しがられない限りは絶対に入れないと決めている。健吾にはいちいち言わせるのは意地悪だと言われるけれど。
 健吾の片足を持ち上げて、奥に舌を這わせた。しっかり濡れている。俺を求めて。

「ゆ、ゆう、あ、そっち、や、あ……」

 水音を立てて舐めると、健吾が悶える。
 そこで、風呂に入っていないことに気づいた。
 綺麗な健吾。汚い体で、彼に触れては駄目だ。理性を総動員して、せめてシャワーだけでも、と体を離した。

「ゆ、うし? なに?」
「急いでシャワーしてくる」
「は?」
「すぐ戻るから」

 立ち上がって、踵を返そうとすると健吾がタックルしてきて、床に横向きにばたんと倒れた。
 そこに健吾が乗ってくる。もちろん裸のままだ。襲われているようで、興奮が高まる。

「ゆ、祐志、大事にしてくれるのは嬉しいんだけど、今はダメだ」
「え? でも、健吾を汚すのは」
「汚れないから。おれ、我慢できない……っ」

 そのまま健吾が俺のものを取り出して、咥えた。今まで絶対にやらせなかったのに、やめさせなければと思うのに、抵抗できない。だって嬉しい。

 しかも後ろ向きに俺の腹の上に乗っているから、健吾の濡れた部分が目の前だ。
 これきっと健吾気付いてない。
 俺のものをどうしたらいいのか分からず、たどたどしく舐めたり先端をしゃぶってみたりしている。
 そして目の前に健吾の尻。舐めながら感じているようで、分泌液が溢れてきているのが見える。

「う、ごめん。ゆうし、おれ下手で」
「健吾、健吾、愛してる。ここも、綺麗だ」
「んぁっ」

 両手で状態を支えて起きて、べろっと舐めると腰が上がった。健吾の尻が慌てて逃げていってしまう。

「裕志、俺がするから何もしなくて良いよっ」

 上気した顔で振り向いた健吾が色っぽい。健吾が嫌がるなら何もできないけど、これじゃ生殺しだ。

「でも健吾、俺も我慢、辛いんだけど」
「裕志はそのまま」

 一度逃げた健吾が戻ってきて、向きを変えて俺の上に乗った。
 手を出そうとしたら払いのけられた。健吾が俺の陰茎に手を添えて、自分の後ろに押しあてた。
 手を出したい。
 触りたい。
 でも、健吾が「触るな」と睨んでいる。
 何かの罰のようだ。
 いや、ご褒美だ。

「ふっんぅ……ぁ……」

 健吾がゆっくりと腰を下ろす。
 すごく気持ちがいい。体も、心も満たされる。

「健吾、気持ちいい……」
「ん……、おれも、いい……ふぅ」

 でも健吾ができたのはそこまでだった。
 どうしても自分で動けないようで、すがるように俺を見た。

「ゆう、し、ごめん。どうしよう……」
「さわっていい?」
「ん。お願い」

 許しが出たので、腰を掴んで突き上げた。
 悶えて逃げそうな健吾を捕まえて抱きすくめる。
 腹筋強くて良かった。
 一気に対面座位に持ち込んで、声を気にする健吾の口を自分の口で塞ぐ。

「ん、んっ、ふっん、んーっ」

 健吾の深いところで放つと、恍惚とした表情を見せてくれた。
 くったりと俺にもたれかかる健吾を堪能して、そっと体を離した。

「ゆうし、まずお風呂、入ろ」
「うん。健吾ありがと」

 チュッと軽いキスをして、そーっと扉を開けて子供たちの気配がないことを確認する。
 コソコソと風呂に向かって、二人でイチャイチャしながら洗いあった。
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