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幕間2
引っ越し作業(前)
しおりを挟む家を買った。健吾が一生懸命節約して、子供達の想定学費をクリアした。
その話をしたら、親が良い土地が出ていたからと言って土地分を援助してくれた。宮園の実家から徒歩十五分ぐらいの位置にある、駅からも近い住宅街だ。
健吾は初めは遠慮していたが、両親のゴリ押しに負けた。
「健吾君が一生懸命頑張ってくれてるのは知ってるよ。でも、たまには頼って欲しいんだ。祐志は一人っ子だし、私達も老い先短い。相続税でがっぽり取られるぐらいなら、優遇税制のあるところで使っておきたいんだよ」
多分子供の学費枠も狙ってると思う。今回のを健吾が受け入れたら、大学の学費は親が出すだろう。
相続税で取られるという言葉が決め手となった。そのへんの対策をしていないはずはないけれど、健吾の心を動かした手腕は我が親ながら尊敬している。
決まってしまえば計画するのは楽しく、ハウスメーカーの選定や設計をメーカーの建築家にするか、外注にするかも二人で沢山話し合った。
家にいる時間が長いのは健吾なので、基本的には健吾主導で話をすすめた。
子供達もいずれ出て行くとはいえ、今は家にいる。夜も遅くなってきているし、二人の夜を存分に楽しむには部屋の防音と風呂問題がある。防音は子供部屋との間にクローゼットを挟んだり壁を厚くしたりしてクリアした。風呂問題は、ウォークインクローゼットの奥に秘密のシャワールームをつけてクリアした。
この話をしている間の健吾がすごく恥ずかしそうにしていて可愛かった。
そして今、引っ越し荷物を荷造りしている。
俺のクローゼットから宝箱が出てきた。チープな宝箱だ。宝箱は問題ない。
中身が問題だった。
中身はいわゆる大人のオモチャだった。
この宝箱を誰が入れたのか。
健吾?
子供?
どちらにしても問題だ。
だが、どちらでもない場合、どうしたら良い?
俺がこれを用意したと健吾に思われてしまう。
引っ越しは三日後。
荷物に入れて問題を新居に持ち越すか。
今、議題に出して揉めるか。
揉める、よな。
健吾じゃないよな?
健吾は無駄遣いを嫌う。
わざわざこんなものを悪戯のためだけに買わないだろう。
子供達は難しい年頃だ。
情報社会で知識だけはあるかもしれないが、親が見せるような代物じゃない。
子供達の仕業でなければ、父親の威厳が失墜する。
俺は駄目な男だが、子供達にはそれなりに一目置かれているはずだ。
どうしよう。
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