ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく

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初めてのお客様

初めてのダンジョンと初めての戦い 2

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「ふざけるなっ!!お前が!お前が僕達を誘ったんだぞ!!そのお前がこの体たらくだと!ふざけるのもいい加減にしろ!!大体もっとましな武器もあっただろう、親父さんの剣はどうした!!?あれなら十分戦える筈だろ!」
「親父の剣を持ち出すなんて、出来る訳ないだろう!?母ちゃんに殺されちまう!それにこれだって立派な武器だ!心配しなくても、ちゃんとお前達の事を守ってやるって!!」

 クリスへと掴みかかったハロルドは、彼の考えの甘さを猛烈に批判する。
 それもそうだろう。
 今回の冒険は、クリスが二人を誘った事で始まったのだ。
 そのクリスが一番まともな準備が出来ていないのでは、お話にならない。

「甘すぎる!!ここはダンジョンだぞ!?村の近くに出るような、弱い魔物を相手にするのとは訳が違う!!そんな棒切れが役に立つものか!!」

 クリスも自らの言い分を主張してハロルドへと反論を試みるが、それで形勢が逆転する事はない。
 寧ろさらに見通しの甘さを露呈した彼の言葉に、ハロルドは怒りを激しくし声を昂ぶらせていた。

「ね、ねぇ・・・二人とも、喧嘩は駄目だよ。確かにクリスは悪かったけど・・・きゃぁ!?」

 取っ組み合いの喧嘩を始めた二人に、彼らから少し離れてこの広間を見回っていたアイリスが心配そうに声を掛けてくる。
 彼女のその声は震えていたが、自分にしか彼らを止められないという決意も感じられるものであった。
 しかしその言葉は、途中で途切れてしまう。
 彼女は二人に歩み寄る途中で、何かに躓き転んでしまっていた。

「痛てて・・・何?」

 アイリスは自分が躓いてしまったものを、地面から身体を起こしながら振り返り確認する。
 そこには半分ほど地面へと埋もれた、白い何かが転がっていた。

「ひっ!?こ、これは・・・」

 それは地面埋もれた人骨であった。
 それに気づいたアイリスは、僅かに悲鳴を上げると腰を引かせてしまう。
 しかし流石は少女と言えども冒険者を志すだけあってか、彼女はそれだけでは混乱にまで陥る事はない。
 そうそれが、ただの人骨であれば。

「ク、クリス・・・ハロルド!こ、これを・・・」
「アイリス!今はそれどころじゃ・・・あれは!?」

 低い姿勢のままジリジリと後ろに引いていくアイリスは、クリスとハロルドの二人に縋るように声を掛けていた。
 その声にハロルドは反応するが、すぐにそれどころではないと切り捨てようとする。
 それも彼女の方へと視線を向けるまでの話しだ。
 ゆっくりとこちらに向かっているアイリスの向こうでは、白い骸骨が立ち上がろうとしていた。

「クリス!!」
「分かってる!!アイリス、お前は後ろに!」
「う、うん!」

 ゆっくりと起き上がるスケルトンは、その身に纏った土埃で煙を立てている。
 彼らの姿を見れば、それが何かはすぐに分かるだろう。
 敵だ。

「うおおぉぉぉぉっ!!!」

 地面から起き上がったスケルトンは、一番近くにいるアイリスへと襲い掛かる。
 その攻撃は雄叫びを上げながらそれへと突撃していった、クリスによって受け止められていた。
 彼にとって幸運だったのは、敵の得物も彼と同じく木の棒であった事だ。
 相手が使っていたのが刃物であれば、一撃でそれが使い物にならなくなる事も有り得ただろう。
 始まってしまった戦いに、それはもはや些事でしかないかもしれないが。
 彼のすぐ近くでは、残りのスケルトンがゆっくりと起き上がり始めていた。
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