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カイ・リンデンバウムの恐ろしき計画
エヴァン・レイモンドは冒険を期待する
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この地を住んでいるゴブリン達が、グラトキの森と呼んでいる森を進む人影が二つあった。
その一人はそんな場所にあっても不自然ではない、巨大な大剣をその背中に括り付けた、冒険者と思しき格好をした人物である。
しかしその隣、正確には一歩下がって後ろについていっている人物は、この場には余りに似つかわしくない格好をしていた。
それは、メイド服と呼ばれるものだろう。
その黒を基調とした衣服には、清潔そうな白いエプロンが飾られている。
彼女はそんな格好で森を歩きながら、汚れ一つつける事なく、まるでその格好でこの場にいるのが当然とでも言うように、平然とした表情でそこに佇んでいた。
「なぁ、アビー。本当にこんな田舎に、勇者がやってくるのか?」
アビーと呼ばれた少女の僅かに前方を歩いていた少年は、周りに生い茂る鬱蒼とした木々を目にしては、後ろの少女へと尋ねている。
彼は勇者がここにやってくるのかと気にしていたが、なるほど良く見れば彼の背中の大剣は、勇者であるリタが手にしていたそれと良く似ていた。
彼はどうやら勇者のファンであり、それを目当てにここへとはるばるやって来たようだった。
「・・・エヴァン坊ちゃま。お願いでございますから、私の事はどうかコレットとお呼びください」
「コレット?しかしそれでは、アビーの姉妹と区別がつかないではないか?確か・・・エリカ、とユーニスだったか」
エヴァンと呼ばれた少年の問い掛けにアビーは答えず、彼の呼び方へと注文をつけていた。
その理由は彼と、彼女の格好を見れば分かるだろう。
冒険者風の格好をしているエヴァンであったが、その一つ一つの素材や作りは、とてもその辺の冒険者では手に届かないほどに上等なものであった。
そしてそんな少年が、こんな場所にまでメイドを引き連れている。
それを考えれば、なるほど確かに彼は坊ちゃんと呼ばれるに相応しい立場の人間のようだった。
「それでよろしいかと。私達はメイドでございます。そうであれば、コレットと一括りで扱われるのが当然なのではないでしょうか」
「そ、そんな訳にはいかないだろ!!アビーはアビーだ!他の誰でもないのだぞ!!頼むからそんなことは言わないでくれ、私が悲しくなってしまうではないか!」
メイドにしか過ぎない自分の事など、人間扱いする必要はないと話すアビーに対して、エヴァンは悲しそうな表情を見せている。
彼はその端正な顔立ちからすると、不自然なほどに浮いた若干痛んだ赤髪を揺らしては、彼女に対してそんな事はないと訴えかけていた。
「はぁ・・・そうでございますか。では、坊ちゃまの望むとおりに・・・それで旦那様から叱られるのは、私なのですが」
「そうか、分かってくれたのならそれでいいのだ!ん?何か言ったか、アビー?」
「いいえ、何も」
エヴァンの必死に訴えにも、アビーは僅かに嘆息を漏らすばかり。
彼女が呼称を改めてくれとエヴァンに訴えたのは、それを彼がする事で迷惑が掛かるのが自分であったからだ。
自らの言葉を受け入れてくれたアビーに、喜びの声を上げているエヴァンは彼女の漏らした文句を聞き逃すだろう。
そして彼女もすぐに鉄面皮じみた無表情へと戻ると、そんなことは何もなかったと取り繕ってみせていた。
「それでは急ぐぞ、アビー!聞く所によると勇者はまだ、あのダンジョンには現れていないらしい。で、あれば私が先に勇者として振舞っても構いはしないだろう?ふふん、どうだこの作戦は!素晴らしいだろう!」
先を急ぐエヴァンは、どうやら本物の勇者よりも早く、そのダンジョンに訪れたいと考えているらしい。
それは彼のその格好を見れば、どういう事か分かるかもしれない。
つまり彼は、勇者に憧れるだけでは飽き足らず、勇者その人になりきって冒険をしたいという願望を実現するつもりのようだった。
「流石でございます、坊ちゃま。ですが、ダンジョンに直接向かうのは・・・」
「分かってる、分かってる!ちゃんと先に村へと寄れと言いたいのだろう。確かにそこで情報がもらえるのであったな。この道だってアビー、お前がこちらの方角にそのアトハース村だったか?があると言ったから、選んだのだぞ?」
エヴァンが語る滅茶苦茶な計画をアビーがすんなりと受け入れたのは、彼女が始めからそれを知っていたからだろう
それよりも彼女はエヴァンが進もうとしている方向と、周りの景色を気にしているようだった。
彼らがどこからアトハース村へと向かったのだとしても、それなり整備された街道が存在し、それはこのような森の中を進むものではないだろう。
アビーは森の中へと突き進むエヴァンの足取りに、彼が村になど寄らずに直接ダンジョンへと向かおうとしているのだと考えていた。
しかし、どうやらそれは間違っていたようだ。
「そうでございましたか、これは失礼致しました。しかし村に向かうのであれば、先ほどまで使っていた街道を通ればよろしいのでは?」
「それでは、つまらないではないか!折角、冒険に来たのだぞ!!例え村へと向かう道中といっても、安全な街道を使っては退屈ではないか!」
「はぁ・・・そのようなお考えであったとは、お察しできず申し訳ありませんでした」
エヴァンが森の中を進んでいた原因が自分の発言にあったと知ったアビーは、素直にその失言について詫びている。
しかし村へと向かう方向がそちらだからといって、森へと足を進める理由にはならない。
それをアビーが問い掛けると、エヴァンは意外なほどにシンプルなその訳を語っていた。
「本物の冒険者ならば、余計な危険は避けると思いますが・・・」
「ん?何か言ったか?」
「いいえ、何も。それより、先を急ぎましょう坊ちゃま。もうお昼時も近うございます、早く村へと向かいお食事をお取りになられなければ」
刺激を求め、あえて危険へと踏み込むエヴァンの振る舞いは、およそ本物の冒険者は取りえない行動だとアビーは小声で漏らしている。
そんな彼女の言葉も、辺りをきょろきょろと物珍しそうに見回しているエヴァンの耳には届かないだろう。
エヴァンのそんな反応はいつもの事だと表情を崩しもしないアビーは、僅かな空腹感に早く村へと向かって食事を取ろうと、彼を急がせていた。
「おぉ、そうだな!そう言えばお腹が空いてきたのだ!行くぞアビー!一刻も早くそのアトハース村とやらに向かうのだ!!」
「坊ちゃま。一度街道に戻った方が、早く着くと思われますが・・・?」
「何を言っているのだ、アビー?こちらに村があるのだろう?であれば、真っ直ぐ進んだ方が早いに決まっているではないか?」
アビーの言葉に自らの空腹を思い出したエヴァンは、小さく鳴き声を上げたお腹を押さえるとさらに足を急がせ始める。
彼はその急がせた足取りで、森へと真っ直ぐ進んでいく。
それをやんわりと止めようとしたアビーの言葉にも、彼は意味が分からないと一度首を傾げるばかりで、その足を止めようとはしなかった。
「はぁ・・・畏まりました。それでは出来るだけ、急いで向かいましょう。もうそれほど距離もない筈でございますので」
「うむ、分かったぞ!!」
エヴァンがもはや聞く耳を持たないと悟ったアビーは、出来るだけ早く森を抜ける事でその危険を避けようと考えを切り替える。
彼女のそんな思惑を知ってか知らずか、エヴァンが元気よく返事を返すと、さらにその足を急がせ始めていた。
「っ!坊ちゃま、お下がりください」
「な、何だ!?何があった、アビー!?」
彼女のそんなささやかな試みも、あっさりと砕かれてしまう。
何かへといち早く気が付き、警戒した声を上げたアビーは、その手を伸ばしてエヴァンの襟首を掴まえると、そのまま彼を後ろへと下がらせていた。
素早い動きでエヴァンの前へと進み出たアビーは、手にした荷物を地面へと放り出すと、スカートの下から小ぶりのナイフを二本取り出して構える。
その視線の先からは余りにも大柄な狼が二頭、森の中から姿を現していた。
その一人はそんな場所にあっても不自然ではない、巨大な大剣をその背中に括り付けた、冒険者と思しき格好をした人物である。
しかしその隣、正確には一歩下がって後ろについていっている人物は、この場には余りに似つかわしくない格好をしていた。
それは、メイド服と呼ばれるものだろう。
その黒を基調とした衣服には、清潔そうな白いエプロンが飾られている。
彼女はそんな格好で森を歩きながら、汚れ一つつける事なく、まるでその格好でこの場にいるのが当然とでも言うように、平然とした表情でそこに佇んでいた。
「なぁ、アビー。本当にこんな田舎に、勇者がやってくるのか?」
アビーと呼ばれた少女の僅かに前方を歩いていた少年は、周りに生い茂る鬱蒼とした木々を目にしては、後ろの少女へと尋ねている。
彼は勇者がここにやってくるのかと気にしていたが、なるほど良く見れば彼の背中の大剣は、勇者であるリタが手にしていたそれと良く似ていた。
彼はどうやら勇者のファンであり、それを目当てにここへとはるばるやって来たようだった。
「・・・エヴァン坊ちゃま。お願いでございますから、私の事はどうかコレットとお呼びください」
「コレット?しかしそれでは、アビーの姉妹と区別がつかないではないか?確か・・・エリカ、とユーニスだったか」
エヴァンと呼ばれた少年の問い掛けにアビーは答えず、彼の呼び方へと注文をつけていた。
その理由は彼と、彼女の格好を見れば分かるだろう。
冒険者風の格好をしているエヴァンであったが、その一つ一つの素材や作りは、とてもその辺の冒険者では手に届かないほどに上等なものであった。
そしてそんな少年が、こんな場所にまでメイドを引き連れている。
それを考えれば、なるほど確かに彼は坊ちゃんと呼ばれるに相応しい立場の人間のようだった。
「それでよろしいかと。私達はメイドでございます。そうであれば、コレットと一括りで扱われるのが当然なのではないでしょうか」
「そ、そんな訳にはいかないだろ!!アビーはアビーだ!他の誰でもないのだぞ!!頼むからそんなことは言わないでくれ、私が悲しくなってしまうではないか!」
メイドにしか過ぎない自分の事など、人間扱いする必要はないと話すアビーに対して、エヴァンは悲しそうな表情を見せている。
彼はその端正な顔立ちからすると、不自然なほどに浮いた若干痛んだ赤髪を揺らしては、彼女に対してそんな事はないと訴えかけていた。
「はぁ・・・そうでございますか。では、坊ちゃまの望むとおりに・・・それで旦那様から叱られるのは、私なのですが」
「そうか、分かってくれたのならそれでいいのだ!ん?何か言ったか、アビー?」
「いいえ、何も」
エヴァンの必死に訴えにも、アビーは僅かに嘆息を漏らすばかり。
彼女が呼称を改めてくれとエヴァンに訴えたのは、それを彼がする事で迷惑が掛かるのが自分であったからだ。
自らの言葉を受け入れてくれたアビーに、喜びの声を上げているエヴァンは彼女の漏らした文句を聞き逃すだろう。
そして彼女もすぐに鉄面皮じみた無表情へと戻ると、そんなことは何もなかったと取り繕ってみせていた。
「それでは急ぐぞ、アビー!聞く所によると勇者はまだ、あのダンジョンには現れていないらしい。で、あれば私が先に勇者として振舞っても構いはしないだろう?ふふん、どうだこの作戦は!素晴らしいだろう!」
先を急ぐエヴァンは、どうやら本物の勇者よりも早く、そのダンジョンに訪れたいと考えているらしい。
それは彼のその格好を見れば、どういう事か分かるかもしれない。
つまり彼は、勇者に憧れるだけでは飽き足らず、勇者その人になりきって冒険をしたいという願望を実現するつもりのようだった。
「流石でございます、坊ちゃま。ですが、ダンジョンに直接向かうのは・・・」
「分かってる、分かってる!ちゃんと先に村へと寄れと言いたいのだろう。確かにそこで情報がもらえるのであったな。この道だってアビー、お前がこちらの方角にそのアトハース村だったか?があると言ったから、選んだのだぞ?」
エヴァンが語る滅茶苦茶な計画をアビーがすんなりと受け入れたのは、彼女が始めからそれを知っていたからだろう
それよりも彼女はエヴァンが進もうとしている方向と、周りの景色を気にしているようだった。
彼らがどこからアトハース村へと向かったのだとしても、それなり整備された街道が存在し、それはこのような森の中を進むものではないだろう。
アビーは森の中へと突き進むエヴァンの足取りに、彼が村になど寄らずに直接ダンジョンへと向かおうとしているのだと考えていた。
しかし、どうやらそれは間違っていたようだ。
「そうでございましたか、これは失礼致しました。しかし村に向かうのであれば、先ほどまで使っていた街道を通ればよろしいのでは?」
「それでは、つまらないではないか!折角、冒険に来たのだぞ!!例え村へと向かう道中といっても、安全な街道を使っては退屈ではないか!」
「はぁ・・・そのようなお考えであったとは、お察しできず申し訳ありませんでした」
エヴァンが森の中を進んでいた原因が自分の発言にあったと知ったアビーは、素直にその失言について詫びている。
しかし村へと向かう方向がそちらだからといって、森へと足を進める理由にはならない。
それをアビーが問い掛けると、エヴァンは意外なほどにシンプルなその訳を語っていた。
「本物の冒険者ならば、余計な危険は避けると思いますが・・・」
「ん?何か言ったか?」
「いいえ、何も。それより、先を急ぎましょう坊ちゃま。もうお昼時も近うございます、早く村へと向かいお食事をお取りになられなければ」
刺激を求め、あえて危険へと踏み込むエヴァンの振る舞いは、およそ本物の冒険者は取りえない行動だとアビーは小声で漏らしている。
そんな彼女の言葉も、辺りをきょろきょろと物珍しそうに見回しているエヴァンの耳には届かないだろう。
エヴァンのそんな反応はいつもの事だと表情を崩しもしないアビーは、僅かな空腹感に早く村へと向かって食事を取ろうと、彼を急がせていた。
「おぉ、そうだな!そう言えばお腹が空いてきたのだ!行くぞアビー!一刻も早くそのアトハース村とやらに向かうのだ!!」
「坊ちゃま。一度街道に戻った方が、早く着くと思われますが・・・?」
「何を言っているのだ、アビー?こちらに村があるのだろう?であれば、真っ直ぐ進んだ方が早いに決まっているではないか?」
アビーの言葉に自らの空腹を思い出したエヴァンは、小さく鳴き声を上げたお腹を押さえるとさらに足を急がせ始める。
彼はその急がせた足取りで、森へと真っ直ぐ進んでいく。
それをやんわりと止めようとしたアビーの言葉にも、彼は意味が分からないと一度首を傾げるばかりで、その足を止めようとはしなかった。
「はぁ・・・畏まりました。それでは出来るだけ、急いで向かいましょう。もうそれほど距離もない筈でございますので」
「うむ、分かったぞ!!」
エヴァンがもはや聞く耳を持たないと悟ったアビーは、出来るだけ早く森を抜ける事でその危険を避けようと考えを切り替える。
彼女のそんな思惑を知ってか知らずか、エヴァンが元気よく返事を返すと、さらにその足を急がせ始めていた。
「っ!坊ちゃま、お下がりください」
「な、何だ!?何があった、アビー!?」
彼女のそんなささやかな試みも、あっさりと砕かれてしまう。
何かへといち早く気が付き、警戒した声を上げたアビーは、その手を伸ばしてエヴァンの襟首を掴まえると、そのまま彼を後ろへと下がらせていた。
素早い動きでエヴァンの前へと進み出たアビーは、手にした荷物を地面へと放り出すと、スカートの下から小ぶりのナイフを二本取り出して構える。
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