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少年編 第1章
12-執事の吐口
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女たちの声がドア越しに聞こえる。今残っているのは、乳母であった父と同じ位の年であるメラニーと、新しく入ってきた二十歳のメイドのナミ、それから中年の掃除婦ハンナだ。
”トントン”
「レナードだ、今入ってもいいかな?」
「「はーい」」
「まだ居たんだね、メラニー、ハンナ、それからナミ?だね?」
一番古株のメラニーが応える。
「ええ、レナード。どうでした?バンペルノ様の日焼けの具合は?」
「そんなに酷くないよ、病院で診てもらう程じゃない。今日たっぷり軟膏を塗っておいたから大丈夫そうだ。
明日の日曜も天気がいいと聞いている。必ず日陰になる場所に食事を用意して、冷たいタオルと氷水をバンペルノ様が居る所に常備しておくように頼む。痛そうにされている場合はすぐに冷やして差し上げれるように。」
「はい、かしこまりました。じゃぁ私はそろそろ寝ることにしますね。」
メラニーは部屋を出て行った。掃除婦のハンナもじゃぁ私もそろそろ寝ますかね、と帰っていく。レナードはじゃぁ私もというナミを引き止めた。
「ナミ、メイドの仕事は慣れたかい?」
「いえ…まだ来て1ヶ月ほどですので、至らない点が多いかと思いますが…ご指導お願いいたします。」
ナミはレナードを見て赤くなった。妖艶な容姿、背も高く、仕事も完璧で真摯なレナードはどの女中からも憧れの的だった。
「そうか、今日私が居ない間に、バンペルノ様が日焼けをされた事を聞いたね?」
「はい、私も、その…パラソルをお出しした方が良いかと女中たちの間でも話していたのですが、バンペルノ様に話しかけるのは、レナード様の許可を得てからとお聞きしておりましたので、葉山様もお忙しくされておられて…。至らずに申し訳ございませんでした…。」
レナードはエリアスに話しかけるときには必ずレナードを通すようにと女中たちに伝えていた。規則を破るとレナードはすぐにその世話人たちをクビにした。
幼少期に辛い思いをしてきた彼を、安易な会話で傷つけて欲しくないという言い訳だったが本当のところは、ただエリアスにやたらと触れたがる男女を排除する為に作ったレナードの策だった。
主人を見るや否やその美しさに群がる蟻は、何とかその甘さにありつこうと必死になったが、スズメバチのように警戒し、他者を許さぬレナードの防衛線でエリアスはその純粋さを失わずに穢れの知らないまま育った。
「そういう時にはね、パラソルを立てて、身を引けばいいんだよ。ただそれだけの仕事に、おしゃべりはいらないよね?」
有無を言わさぬレナードの正論に歯向かう者は居ない。
「はい……」
「いい子だ、ナミ…」
レナードが頭を撫でると、ナミはうっとりとレナードを見つめた。
「ナミ、私の事が恐いかい?」
「いいえ、レナード様。レナード様はかっこ良くて聡明で、女中たちの間でも、お仕事も完璧だとみな憧れております。バンペルノ様とは違った美しさをお持ちで」
そう言ってナミは執事に恥ずかしそうに笑いかけた。
私の事を1ヶ月も知らないくせに、簡単に褒め、称え、憧れ、そして簡単に服従する。
軽蔑の心を持って、レナードは耳元で甘く囁いた。
「ナミ、君の事をずっと見ていたんだ…。二人きりでこのままこの部屋でお話できないかな?」
予期せぬ幸運に女は食いついた。
「ええ、勿論!」
部屋の鍵を閉めて、レナードは振り向くとすぐにナミを抱きしめた。そして甘い言葉を紡ぎ、あっという間に彼女の上着のボタンを広げ、スカートの中のパンツを脱がせて、指で少し愛撫をすると、垂れ流れる愛液を確認し、ゴムをつけて女の肉壁に自分をうずめた。
早急に入ったにも関わらず、寒々しい歓喜の声をあげる女。
バンペルノ様……。昂ぶる感情は目の前の女にではなく、仕える主人へのもの。
目を瞑り、レナードは主人の事だけを考えて果てた。
それから2日に一度は会うようになり、レナードは欲望の吐け口を手にしたが、一方でエリアスはその夜以来自身をもてあます事になった。
”トントン”
「レナードだ、今入ってもいいかな?」
「「はーい」」
「まだ居たんだね、メラニー、ハンナ、それからナミ?だね?」
一番古株のメラニーが応える。
「ええ、レナード。どうでした?バンペルノ様の日焼けの具合は?」
「そんなに酷くないよ、病院で診てもらう程じゃない。今日たっぷり軟膏を塗っておいたから大丈夫そうだ。
明日の日曜も天気がいいと聞いている。必ず日陰になる場所に食事を用意して、冷たいタオルと氷水をバンペルノ様が居る所に常備しておくように頼む。痛そうにされている場合はすぐに冷やして差し上げれるように。」
「はい、かしこまりました。じゃぁ私はそろそろ寝ることにしますね。」
メラニーは部屋を出て行った。掃除婦のハンナもじゃぁ私もそろそろ寝ますかね、と帰っていく。レナードはじゃぁ私もというナミを引き止めた。
「ナミ、メイドの仕事は慣れたかい?」
「いえ…まだ来て1ヶ月ほどですので、至らない点が多いかと思いますが…ご指導お願いいたします。」
ナミはレナードを見て赤くなった。妖艶な容姿、背も高く、仕事も完璧で真摯なレナードはどの女中からも憧れの的だった。
「そうか、今日私が居ない間に、バンペルノ様が日焼けをされた事を聞いたね?」
「はい、私も、その…パラソルをお出しした方が良いかと女中たちの間でも話していたのですが、バンペルノ様に話しかけるのは、レナード様の許可を得てからとお聞きしておりましたので、葉山様もお忙しくされておられて…。至らずに申し訳ございませんでした…。」
レナードはエリアスに話しかけるときには必ずレナードを通すようにと女中たちに伝えていた。規則を破るとレナードはすぐにその世話人たちをクビにした。
幼少期に辛い思いをしてきた彼を、安易な会話で傷つけて欲しくないという言い訳だったが本当のところは、ただエリアスにやたらと触れたがる男女を排除する為に作ったレナードの策だった。
主人を見るや否やその美しさに群がる蟻は、何とかその甘さにありつこうと必死になったが、スズメバチのように警戒し、他者を許さぬレナードの防衛線でエリアスはその純粋さを失わずに穢れの知らないまま育った。
「そういう時にはね、パラソルを立てて、身を引けばいいんだよ。ただそれだけの仕事に、おしゃべりはいらないよね?」
有無を言わさぬレナードの正論に歯向かう者は居ない。
「はい……」
「いい子だ、ナミ…」
レナードが頭を撫でると、ナミはうっとりとレナードを見つめた。
「ナミ、私の事が恐いかい?」
「いいえ、レナード様。レナード様はかっこ良くて聡明で、女中たちの間でも、お仕事も完璧だとみな憧れております。バンペルノ様とは違った美しさをお持ちで」
そう言ってナミは執事に恥ずかしそうに笑いかけた。
私の事を1ヶ月も知らないくせに、簡単に褒め、称え、憧れ、そして簡単に服従する。
軽蔑の心を持って、レナードは耳元で甘く囁いた。
「ナミ、君の事をずっと見ていたんだ…。二人きりでこのままこの部屋でお話できないかな?」
予期せぬ幸運に女は食いついた。
「ええ、勿論!」
部屋の鍵を閉めて、レナードは振り向くとすぐにナミを抱きしめた。そして甘い言葉を紡ぎ、あっという間に彼女の上着のボタンを広げ、スカートの中のパンツを脱がせて、指で少し愛撫をすると、垂れ流れる愛液を確認し、ゴムをつけて女の肉壁に自分をうずめた。
早急に入ったにも関わらず、寒々しい歓喜の声をあげる女。
バンペルノ様……。昂ぶる感情は目の前の女にではなく、仕える主人へのもの。
目を瞑り、レナードは主人の事だけを考えて果てた。
それから2日に一度は会うようになり、レナードは欲望の吐け口を手にしたが、一方でエリアスはその夜以来自身をもてあます事になった。
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