現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活

シン

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閑話2

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 俺は探索者協会桜ダンジョン支部の武器屋を任せられている、元探索者の協会職員だ。

 探索者を引退する際、ある程度ランクが高くて実力があると協会にスカウトされる。

 探索者協会は国が探索者を管理する為の、国の機関になる。

 って事は俺は公務員になるって事だ。

 ただ扱うモノが血気盛んな探索者と、物騒極まりない武器なだけあって、役所勤めの公務員と違って色々とグレーな事もやらされる。

 武器の販売はもとより、武器の調達や武器の製作、そして武器の発掘も俺の仕事だ。

 元は金級探索者だったって事もあり、ダンジョンの9階層程度ならソロで潜る事が出来る。

 もっとも階段室にいるボスは倒せないがな。

 つい先日も9階層で[棍]を見つけて来た。

 武器の発掘とは言ったが、要はダンジョンから武器を見つけて持ち帰る事を発掘と呼ばれているから、便宜上発掘と言っているだけだ。

 話を戻そう。

 先日発掘して来た[棍]だが、見た目が地味な事もあってか、上層部の評価は[投げ売り品]、探索者達からは[ダサい武器]と言われて売れる気配が全く無かった。

 そんな時、面白そうな兄ちゃんが現れた。

「リーチがあって、叩いても大丈夫な強度がある武器が欲しい」なんて要望を出されたから、俺は棍を勧めてみた。

 そしたらなんとその兄ちゃんは棍を気に入って、棍を買ってくれるって言うじゃないか!

 買ってくれた翌日は俺の店に顔を出してくれたかと思ったら、棍の素晴らしさを俺に力説してくれた。

 一応俺は元探索者の武器屋のオヤジ、武器に精通している俺に棍を語るなんざ[釈迦に説法]だが、見た目ではなく武器の本質を見極めて、それを嬉しそうに話して来る兄ちゃんを気に入ってしまった。

 俺も勧めた甲斐があったってもんだ。

 さらにその翌日、「破壊力のある武器が欲しい」って俺の所に駆け込んで来やがった。

 俺は「棍はどうするんだ?」って聞いたんだが、兄ちゃんは「棍は相棒だからこれからも使っていく」なんて嬉しい事を言ってくれたもんだから、俺はこの兄ちゃんの武器のメンテナンスを[俺が個人で]してやる事にした。

 こんなんでもこの武器屋は協会の武器屋。

 勝手に値引きしてやる事は出来ない。

 だから俺が個人的に兄ちゃんの使う武器の面倒を見てやる事にした。

 久し振りに骨のある探索者に出会えたからな。

 兄ちゃんは、帰り間際にファングボアの肉を押し付けて帰って行きやがった。

 小僧のクセにいっちょ前に気を使いやがって。

 ファングボアの肉を持ってかえったら嫁さんに、「その探索者さんを大事にしなかったら、私があなたを許しません!」なんて言われたのには驚いたが、驚き以上に嬉しくもあった。

 今度の休みの日は兄ちゃんの為に、武器を発掘する為に潜る事にするか・・・。

 兄ちゃんがくれたファングボアの生姜焼きをツマミに飲むビールは、ここ最近飲んだビールの中では一番美味く感じた。


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