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協会の青笹さんに連行されて、先日連れて行かれた会議室に入った。
何も悪い事をしていないのだが、あまり気分の良い物ではない。
席を勧められ椅子に座ると、青笹さんが話を始めた。
「先程の青級探索者との件は、安達君に迷惑が掛かる事は絶対に無いから安心してください。それで今日時間を貰った本題なのですかが、先日持ち込んでくれた[ヒュージスライム]の魔石なんですけど、、本部に送って検査して貰った結果、[グラトニースライム]の魔石だと判明しました」
グラトニースライムってなんだ?そう思いながら話を聞いていると、青笹は続きを話してくれた。
「グラトニースライムはスライム種の中ではかなり上位に位置する、超希少モンスターで、発見例も討伐例も少なくて謎に包まれたモンスターなんです。この桜ダンジョンでの発見例は無くて、安達君が遭遇したのが初の発見、討伐と言う事になります」
なるほど・・・、俺は激レアなやつを自摸ってしまったって事ね。
「それに伴って魔石の買取評価額の上方修正と、安達君のランクの昇格をするようにと、本部からお達しが出ました」
「魔石の買取金額が変わるのは理解できますが、ランクが上がるのは何故ですか?」
俺は疑問に思った事を質問した。
だってそうだろう、買取金額が上がるのは理解出来るが、探索者になって3日目の俺が昇格するカラクリが理解出来ないのだ。
「安達君が探索者をしている事について、ご家族は賛成されていてご理解されていますか?」
「賛成はしていないと思います。先日も福利厚生がしっかりした会社に早く勤めなさいと言われたばかりで・・・」
俺がそう答えると、青笹さんは自分の膝を叩きながら身を乗り出して来た。
「そこなんです!安達君は探索者になった初日に超希少モンスターと遭遇して、それを討伐している。スライムと言えど上位の希少種の討伐は、探索初日で出来る物じゃない。ヒュージスライムだってベテラン探索者がパーティーを組んで討伐に向かうほど強いんです。そのヒュージスライムよりも強いグラトニースライムを初日でソロ討伐・・・、協会はね、安達君を手放したくないんですよ」
要は将来有望な探索者を囲い込む為に、探索者として生活していける様にランクアップさせるって事か・・・。
「私もグラトニースライムの討伐をした事は、協会へ十分過ぎるほど貢献したと思っています。グラトニースライムが発見されていなかったダンジョンでの発見と討伐。これはダンジョンを管理する上では非常に重要な事で、ここ何年も新たな上位モンスターが発見されていなかったこの桜ダンジョンの価値を上げる事が出来たのと、探索者にはダンジョン内部で[イレギュラー]な事態が発生する事を注意喚起出来る様になります。それだけで探索者達がこの桜ダンジョンに集まってくれる様になりますし、イレギュラーを想定して探索して貰えば探索者達の生命を守る一助にもなるんです。安達君がしてくれた事は、十分過ぎる貢献をしてくれたって事なんですよ」
俺がたまたま遭遇したモンスターを、たまたま運良く倒す事が出来ただけだ。
青笹さんが言うほど立派な事をしたつもりは無い。
だが、協会は俺がたまたました事を評価してくれた。
謙遜し過ぎると無駄な軋轢を産むと、就活中にネットで見た事があったので、今回は協会の厚意を素直に受け取る事にしよう。
「分かりました。買取金額の上方修正とランクアップの件、色々と調整していただきありがとうございます。俺自身も探索者を辞めるつもりは無いので、これからもお世話になります」
俺がそう言うと、満面の笑みを浮かべた青笹さんは、話の続きを始めた。
「それで上方修正なんですが、前回500万円で買取りしましたが、本部からの指示で買取金額が5000万円に変更となりました。ですので、差額の4500万円を安達君の口座に振込ませていただきました。それともうご存知だとは思いますが、ランクは銀級にアップさせていただきました。安達君であればすぐに金級に上がれると思います。これからも頑張ってくださいね」
話が終わり会議室から出ようとすると、呼び止められた。
「そうそう、本部から今回の件を調査する為に、職員が派遣される事になりました。もしかして話を聞かせてくれって言われたり、安達君の探索に同行させて欲しいって言われるかもしれませんので、その時は協力をお願いします」
青笹さんの言葉を聞いてから、俺は探索者協会を出た。
俺も今日から銀級探索者だ。
銀級探索者の世間的なイメージは、『すげー!なんか奢ってよ!』な感じだが、探索者の間では『人外一歩手前の凄い探索者』と評価される様だ。
銀級ともなれば収入面では高額所得者となり、生活に困る事は無いらしい。
それに青級と銀級の間には、分厚くて高過ぎる壁があるらしく、銀級探索者になるのは容易な事では無いそうだ。
一般の人達には経済的に憧れて、探索者からは尊敬と畏怖の眼差しを受ける、それが銀級以上の探索者なのだと青笹さんが言っていた。
だが俺は探索者になってから3日目、まだまだヒヨっ子で経験が圧倒的に足りない。
銀級に相応しい実力と人格を兼ね揃える為、明日からも頑張ろうと決意し、愛車のランボルギーニに乗って夕暮れの街を駆け抜けて行った。
そして俺が向かったのは、桜ダンジョンからランボで20分の距離にある、ホームセンターだ。
泊まりでの探索を想定して、アウトドアコーナーで売っていた、寝袋とキャンプ用のマットを購入する為に、ホームセンターまで来た。
ホームセンターでお目当ての物を購入し、ホクホクしながら自宅に帰って、風呂に入って夕食を食べたら、お待ちかねのスキル取得タイムだ。
先日同様に最後の一つのスキルオーブを両手で包む様に握り込み、『スキル取得』と強く念じた。
来ると分かっていても未だに恐怖を覚える、凄まじい頭痛が襲って来るのを待っていたが、なかなか襲って来ない。
不思議に思いながらも『スキル取得』と念じ続けていると、強烈な頭痛ではなく、全身に耐え難いほど強烈な激痛が駆け回った。
悲鳴を上げる事も出来ないほどの激痛に襲われた俺の視界は、真っ赤に染まっており、鼻からは鼻血も出ていた。
そして体内で何かが爆発する様な衝撃を感じた直後、俺の意識は完全に途絶えた。
俺の人生という名の冒険は、ここで終わってしまった様だ。
何も悪い事をしていないのだが、あまり気分の良い物ではない。
席を勧められ椅子に座ると、青笹さんが話を始めた。
「先程の青級探索者との件は、安達君に迷惑が掛かる事は絶対に無いから安心してください。それで今日時間を貰った本題なのですかが、先日持ち込んでくれた[ヒュージスライム]の魔石なんですけど、、本部に送って検査して貰った結果、[グラトニースライム]の魔石だと判明しました」
グラトニースライムってなんだ?そう思いながら話を聞いていると、青笹は続きを話してくれた。
「グラトニースライムはスライム種の中ではかなり上位に位置する、超希少モンスターで、発見例も討伐例も少なくて謎に包まれたモンスターなんです。この桜ダンジョンでの発見例は無くて、安達君が遭遇したのが初の発見、討伐と言う事になります」
なるほど・・・、俺は激レアなやつを自摸ってしまったって事ね。
「それに伴って魔石の買取評価額の上方修正と、安達君のランクの昇格をするようにと、本部からお達しが出ました」
「魔石の買取金額が変わるのは理解できますが、ランクが上がるのは何故ですか?」
俺は疑問に思った事を質問した。
だってそうだろう、買取金額が上がるのは理解出来るが、探索者になって3日目の俺が昇格するカラクリが理解出来ないのだ。
「安達君が探索者をしている事について、ご家族は賛成されていてご理解されていますか?」
「賛成はしていないと思います。先日も福利厚生がしっかりした会社に早く勤めなさいと言われたばかりで・・・」
俺がそう答えると、青笹さんは自分の膝を叩きながら身を乗り出して来た。
「そこなんです!安達君は探索者になった初日に超希少モンスターと遭遇して、それを討伐している。スライムと言えど上位の希少種の討伐は、探索初日で出来る物じゃない。ヒュージスライムだってベテラン探索者がパーティーを組んで討伐に向かうほど強いんです。そのヒュージスライムよりも強いグラトニースライムを初日でソロ討伐・・・、協会はね、安達君を手放したくないんですよ」
要は将来有望な探索者を囲い込む為に、探索者として生活していける様にランクアップさせるって事か・・・。
「私もグラトニースライムの討伐をした事は、協会へ十分過ぎるほど貢献したと思っています。グラトニースライムが発見されていなかったダンジョンでの発見と討伐。これはダンジョンを管理する上では非常に重要な事で、ここ何年も新たな上位モンスターが発見されていなかったこの桜ダンジョンの価値を上げる事が出来たのと、探索者にはダンジョン内部で[イレギュラー]な事態が発生する事を注意喚起出来る様になります。それだけで探索者達がこの桜ダンジョンに集まってくれる様になりますし、イレギュラーを想定して探索して貰えば探索者達の生命を守る一助にもなるんです。安達君がしてくれた事は、十分過ぎる貢献をしてくれたって事なんですよ」
俺がたまたま遭遇したモンスターを、たまたま運良く倒す事が出来ただけだ。
青笹さんが言うほど立派な事をしたつもりは無い。
だが、協会は俺がたまたました事を評価してくれた。
謙遜し過ぎると無駄な軋轢を産むと、就活中にネットで見た事があったので、今回は協会の厚意を素直に受け取る事にしよう。
「分かりました。買取金額の上方修正とランクアップの件、色々と調整していただきありがとうございます。俺自身も探索者を辞めるつもりは無いので、これからもお世話になります」
俺がそう言うと、満面の笑みを浮かべた青笹さんは、話の続きを始めた。
「それで上方修正なんですが、前回500万円で買取りしましたが、本部からの指示で買取金額が5000万円に変更となりました。ですので、差額の4500万円を安達君の口座に振込ませていただきました。それともうご存知だとは思いますが、ランクは銀級にアップさせていただきました。安達君であればすぐに金級に上がれると思います。これからも頑張ってくださいね」
話が終わり会議室から出ようとすると、呼び止められた。
「そうそう、本部から今回の件を調査する為に、職員が派遣される事になりました。もしかして話を聞かせてくれって言われたり、安達君の探索に同行させて欲しいって言われるかもしれませんので、その時は協力をお願いします」
青笹さんの言葉を聞いてから、俺は探索者協会を出た。
俺も今日から銀級探索者だ。
銀級探索者の世間的なイメージは、『すげー!なんか奢ってよ!』な感じだが、探索者の間では『人外一歩手前の凄い探索者』と評価される様だ。
銀級ともなれば収入面では高額所得者となり、生活に困る事は無いらしい。
それに青級と銀級の間には、分厚くて高過ぎる壁があるらしく、銀級探索者になるのは容易な事では無いそうだ。
一般の人達には経済的に憧れて、探索者からは尊敬と畏怖の眼差しを受ける、それが銀級以上の探索者なのだと青笹さんが言っていた。
だが俺は探索者になってから3日目、まだまだヒヨっ子で経験が圧倒的に足りない。
銀級に相応しい実力と人格を兼ね揃える為、明日からも頑張ろうと決意し、愛車のランボルギーニに乗って夕暮れの街を駆け抜けて行った。
そして俺が向かったのは、桜ダンジョンからランボで20分の距離にある、ホームセンターだ。
泊まりでの探索を想定して、アウトドアコーナーで売っていた、寝袋とキャンプ用のマットを購入する為に、ホームセンターまで来た。
ホームセンターでお目当ての物を購入し、ホクホクしながら自宅に帰って、風呂に入って夕食を食べたら、お待ちかねのスキル取得タイムだ。
先日同様に最後の一つのスキルオーブを両手で包む様に握り込み、『スキル取得』と強く念じた。
来ると分かっていても未だに恐怖を覚える、凄まじい頭痛が襲って来るのを待っていたが、なかなか襲って来ない。
不思議に思いながらも『スキル取得』と念じ続けていると、強烈な頭痛ではなく、全身に耐え難いほど強烈な激痛が駆け回った。
悲鳴を上げる事も出来ないほどの激痛に襲われた俺の視界は、真っ赤に染まっており、鼻からは鼻血も出ていた。
そして体内で何かが爆発する様な衝撃を感じた直後、俺の意識は完全に途絶えた。
俺の人生という名の冒険は、ここで終わってしまった様だ。
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