現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活

シン

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 魔イカとの戦いで、協会のやり方に思うところが出来てしまった俺です。

 遠距離攻撃手段を持つモンスターに、近接武器だけで挑まないといけない危険性を、政府や協会は理解しているのでしょうか?

 もしかしてもしかすると、遠距離攻撃手段を持つモンスターを倒せる者だけが、それよりも先に進む事が出来る、なんてふるいにかける為なのかも?などと考えてもみましたが、初見であの攻撃を受ければ間違いなく負傷、最悪の場合は・・・って感じなので、是非ご一考いただきたいところです。

 だがしかし!俺は周囲に誰もいないのであれば、遠慮せずに魔導拳銃を使おうと思う!

 って事で、モンスタハウスまでの道中で遭遇した魔イカは、見付け次第魔導拳銃で蜂の巣にしてやりました。

 スカイフィッシュは壁に誘導して激突させて倒し、コカトリスは遠距離からの銃撃で難無くクリア。

 いやはや遠距離攻撃手段があるだけで、ダンジョン探索が捗る捗る、もちろん剣での戦闘も考えてはいるが、離れた所からの攻撃がこんなにも楽だとは思わなかった。

 ここで新たな疑問が・・・、自衛隊の火力があればもっとダンジョン探索が進んでいたのでは?と思ってしまった。

 自衛隊がそんなに強いの?って思う人は少なくないと思うが、実際自衛隊は世界でも上から数えてすぐ出て来る程の戦闘力がある。

 装備は新旧混合だが、新しい装備をすぐに使い熟し、古い装備は最新装備に劣らない程扱いに熟知している。

 そして隊員一人一人の練度も高く、かの米軍に「自衛隊員は全員が特殊部隊並の練度と士気がある」、と言われたそうだ。

 そんな自衛隊が、ダンジョンを踏破していない事に疑問を覚えてしまうのは、魔導拳銃を使った戦闘を知ってしまったからだろう。

 そんな疑問を抱きながら歩いていたら、モンスターハウスに到着してしまった。

 気になるモンスターハウスの中には、推定30匹程の魔イカが気持ち良さそうに浮かんでいた。

 魔導拳銃のスライドを引いて魔力のチャージをし、バスタードソードが腰に固定されているのを確認する。

 魔導拳銃が1チャージで発射出来る弾数は50発、対する魔イカの数は約30匹、モンスターハウスに入ってすぐに、どれだけの数を一発で正確に倒せるかで、モンスターハウスを無事に攻略出来るかが決まってくる。

 俺はそう判断し、チャージが完了した魔導拳銃を構えながらモンスターハウスに足を踏み入れた。

 先手必勝、ワンショットワンキル、それだけを考えて、踏み入れた瞬間から、近くにいる魔イカから片っ端から撃ち落とした。

 モンスターハウスに入った直後の射撃は命中率100%で、いずれも一発で倒す事が出来ている。

 倒した数は17匹、約半数を倒す事が出来た。

 だが魔イカもバカではないので、俺がその数を撃ち落としている間に、攻撃態勢を整えていた。

 足を放射状に開いて俺の方を向いているやつや、近距離からの攻撃をしようと仲間の魔イカの射線から外れた位置から近付いて来るやつもいる。

 やはり魔イカは地球のイカと同じで知能が高い。

 狙いを定められない様に、一箇所に留まらず移動をしながら、遠距離攻撃をしようとしている魔イカを狙って発砲する。

 その攻撃で5匹程撃ち落とせたが、残った魔イカはこちらの攻撃に脅威を感じた様で、墨を煙幕の様に吐いて、目隠しをして来た。

 これでは敵の正確な位置も分からないし、射線を確保する事も出来ない。

 俺はスライドを引いて魔力のチャージをしながら、部屋の外周に沿って移動して煙幕の向こう側を目指した。

 煙幕を突っ切り、目隠しをされていな所に辿り着く直前、俺が元々居た場所に向けて魔イカが高圧水流を乱射している姿と、高圧水流がダンジョンオブジェクトにぶつかって発生した轟音がモンスターハウス内に響き渡った。

 魔イカの意識は高圧水流を乱射する事に向いている。

 このチャンスを逃す訳にはいかないので、俺は目に映る魔イカな片っ端から弾丸を撃ち込んだ。

 この射撃で倒した数は7匹、正確な数は数えていなかったが、まだ魔イカは残っているはず!

 だが俺の視界には魔イカは見えていない、という事は当初よりも範囲が狭まり薄くなりつつある煙幕の中に、まだ魔イカが残っているのだろう。

 悠長に煙幕が晴れるのを待つ余裕はない。

 俺は魔導拳銃をズボンの腰の部分に差し込み、剣を抜いて煙幕を薙ぎ払う様に振り抜いた。

 考えがあって剣にスイッチした訳ではない。

 極限の状況で、その行動が最適解と身体が勝手に判断して、そう動いてしまったのだ。

 結果、振り抜いた剣は空を切るだけに留まったのだが、あれだけ練習しても出なかった斬撃波が剣を振った時に発生し、煙幕を吹き飛ばしながら進んでいった。

 斬撃波で吹き飛ばされた煙幕の中に、魔イカが2匹浮いている。

 残った魔イカが確認出来たので、剣を収納し腰から魔導拳銃を抜いて、魔イカを狙って撃ちまくった。

 空中に残っている魔イカは、魔導拳銃から放たれた弾丸で撃ち落とされ、それに合わせて煙幕も綺麗に消えていった。

 俺は一度壁際まで後退し、背中を壁に預けて魔導拳銃を構えながら、モンスターハウス内部を見渡した。

 残った魔イカはいない様だ。

 6階層という事もあるが、今までで一番緊張感のあったモンスターハウスでの戦闘は、無事に終わった様だ。

 念の為、魔導拳銃に魔力をチャージしながら、収納からバスタードソードを取り出して腰に付けた鞘に入れる。

 魔導拳銃のチャージが完了したのに合わせて、銃を構えたままドロップ品を収納していった。

 やはり生きていた時と変わらない姿で、ドロップ品として出て来る相手は、収納するまで気が抜けない。

 緊張感を持ったままでのドロップ品回収を終え、辺りを見渡すとモンスターハウスの壁際に宝箱が落ちていた。

 俺は宝箱に近付いて、鑑定で罠の有無を確認し、罠が無い事が分かったので宝箱を開けた。

 宝箱の中にはスキルオーブが2個と、黒いガントレットが入っている。

 収納する前に、宝箱の中身を鑑定する事にした。

 まずはスキルオーブを鑑定すると、【 マップ:オートマッピングが出来るマップ表示スキル。過去にマッピングされた場所も全て表示可能】

 これは役に立ちそうだ。

 現在協会で販売されている、桜ダンジョンの地図は9階層までだ。

 それ以降は未到達なので地図も存在しない。

 もし10階層まで行けるのであれば、このスキルは絶対に必要になる。

 そして次のスキルオーブは、
【必中:魔力を消費してスキルを使用した攻撃は必ず当たる。一回の使用につき一回の攻撃が可能】

 このスキルもなかなか良い物だ。

 魔導拳銃を使った戦闘を今後も続けるのなら、素早いモンスターや、俺が移動しながら動くモンスターを攻撃する際に必ず役に立つと思う。

 弾丸が着弾した時のダメージはともかく、発射した弾丸が確実に当たってくれる事が重要だ。

 当たった弾丸が致命打ではなくても、少しでも動きを止めたり、ダメージを与えたり出来るだけで、こちらの優位性が高くなる。

 そして最後に残ったガントレットは、
【シールドガントレット:サイズ自動調節機能付きのシールドが展開出来るガントレット。装着して[シールド]と念じると、直径1mの透明なシールドを展開する事が可能。シールドの展開時間は一度のシールド展開で20秒間、もしくは一定のダメージを防ぐとシールドの展開が終わる。魔鉱石から作られているので、ガントレット単体での防御力もかなり高い】 

 このガントレットもヤバい。

 防御手段の無かった俺にとっては、ありがた過ぎるガントレットだ。

 これがあれば魔イカの高圧水流を防ぎながらの戦闘も出来ただろう。

 一定のダメージがどれ程かが気になるが、シールドを過信せずに補助的な物と考えて使えば、かなり役に立つだろう。

 鑑定を終えた俺は、ガントレットを左腕に装着し、スキルオーブは収納スキルに収納してから、階段室を目指してモンスターハウスを出た。



 
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