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【突撃!お主の晩ごはん!】を成功させ、魔王様とその護衛は満足して10階層へと戻って行った。
押し掛け護衛のリリスも、寝床が無い事を理由に、10階層へと強制送還する事に成功した。
久々にゆっくり出来る時間だ。
俺はビッグタイガーからドロップした、宝箱の中身を鑑定する事にする。
まずは新しい魔導拳銃。
見た目は地球上に存在している[デザートイーグル]にそっくりだが、弾倉は存在しておらず、ハンマーも付いていない。
そしてスライドは動くが、内部機構はスライドを後退させても確認出来ない。
銃身の口径は大きくなっているが、現在使っている物と同様に、銃身は貫通しておらず、奥の方で閉塞されている。
とりあえず鑑定だ。
【大口径魔導拳銃:口径が大きく、強力な魔導弾丸を発射出来る魔導拳銃。1チャージ当たり50発の発射が可能。チャージ時間は5秒。高威力の為、取り扱いには注意。※使用者限定機能有】
なるほど・・・、要は威力が増した事により大型化された魔導拳銃って事ね。
あとでテストしてみよう。
次は瓶に入った液体だ。
【万能薬:全ての疾病や状態異常を回復させる事が出来る秘薬。服用時は1本服用ではなく、1滴の服用で効果を発揮する。※用法用量をおまもりください】
これもヤバイ代物だった。
これの存在がバレたら、エリクサー以上の価値が付いて、これを奪い合う為の争いが起きそうだ。
これは死蔵させて貰おう・・・。
鑑定が終わったので、大口径魔導拳銃・・・、もう色々と面倒なので魔銃のテストを始める。
スライドを引いて5秒待つと、スライド後端が青く光る、これは今までよりも時間が短縮されている様だ。
そして、ダンジョンの壁に銃口を向け引鉄を引くと、発射音はガスガン程度だったが、リコイルは小さい魔導拳銃の倍はある。
そして気になる威力は、破壊不能のダンジョンオブジェクトである壁に、大きな穴を穿つほどの威力だった。
これで今まで以上に戦いやすくなる。
そう確信した俺は、大口径の魔導拳銃をメインで使う事にした。
そして、小さい方の魔導拳銃を収納に入れて、就寝する準備を整えてから攻撃・防御向上の秘薬を飲み、それから就寝スペースに横になった。
翌朝目が覚めると、簡単な朝食を食べてから、ダンジョン12階層へと転移する。
今日は12階層の探索をして、新たなアイテムや食材を手に入れようと思っている。
12階層もフィールド型ダンジョンで、平原の先に森林が見えている。
予定としては平原を進んで、森林の外周を周り、森林の大きさを把握しつつ、食材やアイテムが発見出来たらそれを収集していく。
そしてある程度森林の大きさを把握出来てから、本格的な森林部分の探索に移行する予定だ。
俺は装備の最終確認を行ってから、12階層の平原へと足を踏み出した。
11階層よりも平原部分の草の高さが低く、歩きやすい。
そして平原部分にも、点々と木が生えているのが見える。
空は快晴で空気の綺麗な自然の中(注・ここはダンジョンです)、苦手な昆虫もいないので、快適なピクニックの様だ。
ただ11階層と違って、所々から魔力を感じる。
恐らくモンスターがいるのだろう。
だが、モンスターと戦うのもダンジョン探索の醍醐味。
俺は周囲を警戒しながら、森林部を目指して歩き続けた。
ーーーーーーーーーー
一方その頃、日本政府は混乱に包まれていた。
岸破首相が四肢を欠損する大怪我を負い、韓国海軍は日本に向けて艦隊を出港させ、中国の人民解放軍は戦闘待機に入ったとの情報が入り、北の国はミサイルをバカスカ射ちまくっている。
政府に備蓄されていた回復薬を使い、復活を遂げた内閣の面々は、何から手を付けて良いか分からなくなっていた。
そんな中、四肢を欠損した岸破首相が車椅子に乗せられて、対応に追われる内閣の面々が集まる、首相官邸の閣議室に現れた。
岸破は外務大臣に、韓国軍が艦隊を出撃させた理由を確認する様に指示を出し、官房長官には北の国へミサイル発射について遺憾砲を撃ち込む事を指示した。
そして中国の対応は自分がすると伝えると、総理執務室へと移動し、中国へ電話をかけた。
数時間後、探索者協会本部の周囲は、魔王軍により取り囲まれていた。
魔王軍は逃げ惑う人々には一切興味が無い様で、協会本部に集められている武装した探索者や盾を持ち警戒している警察官に興味を向けていた。
それは何故か・・・、それは戦う武器を持ち、多少なりとも戦う意思を持っているからだ。
警備に駆り出された末端の警察官は、魔王軍を【コスプレした過激派組織】程度としか認識しておらず、魔王軍に向けて解散する様に警告をした後、暴徒鎮圧用の放水車での放水を行った。
放水を受けた魔王軍は、[激弱な水魔法]での攻撃を受けたと認識し、魔王軍を指揮する童子が出した攻撃命令により、協会本部を守る警察官と探索者への攻撃が始まった。
一斉に協会本部に向けて駆け出す魔王軍、それを迎え討つ警察官と探索者、一気に距離が縮まり、魔王軍と警察官&探索者の戦闘が始まるも、強力な魔王軍の前には警察官も探索者も手も足も出ず、人族側の負傷者ばかり増えていく。
そんな中、探索者協会本部の会長は、白い布が巻き付けられた槍を持ち、戦闘の行われている協会本部前に向かい走っていた。
白い槍を持ち全力で走っている会長の姿を見た協会本部職員達は、口々に「会長が命懸けの反撃に出た」と、会長を褒め称え、本部を死守する為に武器を手に取り、徹底抗戦の構えを取った。
協会本部の前は、負傷した探索者と警察官が所狭しと倒れていて、その中を完全武装し大剣を手に持った童子が、協会本部に向けて歩いている。
主に危害を加えなければこんな事にはならなかったのに・・・、と思いながら歩いている童子の近くで、乾いた炸裂音が5回鳴り響く。
倒れた警察官が童子の顔に向けて、拳銃を発砲したのだ。
警察官の拳銃より放たれた弾丸5発は、全て童子の顔に命中したのだが、童子は一切ダメージを受けていなかった。
だが、いくらダメージが無かったとはいえ、顔面を撃たれた童子は、拳銃を発砲した警察官の元へ近寄ると、手に持った大剣を一振した。
これまでの戦闘で、大剣を使う童子や刀剣類を使う魔王軍は、相手を殺さない様に剣の腹での打撃で攻撃をしていた。
だが今回の童子は、大剣の刃を立てた状態で大剣を振り抜いた。
童子の大剣は、警察官の身体を上下に両断し、童子の顔に発砲した警察官の命を奪った。
この戦いが始まって以来、初の死者が出る。
童子は大剣に着いた血を、大剣を振って綺麗に飛ばすと、絶命した警察官の亡骸に向かって一礼し、再び協会本部へと歩き出した。
その光景を目にした協会会長は、童子の元へ行くのを一瞬立ち止まり躊躇ったが、自分が動かなければ事態は変わらないと思い直し、槍を持ち協会本部の外へと出た。
会長の目の前に見えるのは、大剣を手に持った魔王軍の戦士、だが会長にもう躊躇いはなかった。
槍に巻かれた布を解き、槍を頭上高く持ち上げると、その槍を何度も何度も全力で左右に振った。
槍に取り付けられた白い布は、槍を振る度に風をはらんで、『バタバタ』と空気とぶつかる音を立てながら靡いている。
探索者協会本部会長は、侵攻して来る魔王軍に対して、白旗を揚げ降伏の意思表示をした。
その光景を見ながら童子は協会本部へとどんどん近付いていき、十分距離が縮まると、白旗を振り続ける会長に向けて声を掛けた。
「それは何の真似だ!」と。
「探索者協会は魔王軍に、停戦交渉を求めます!」
協会会長は白旗を振りながら、停戦の意思を童子に告げた。
「それは人族の総意か?総意でなければ聞く価値は無いし、たとえ総意だったとしても、一度動き出した魔王軍は、全ての敵を蹂躙するまで止まらん!」
童子はそう言うと、協会会長が振る白旗付きの槍を大剣の一振で両断した。
「此度の戦、貴様ら人族の探索者協会の者から始まった事を忘れるな!戦を巻き起こした集団が、誰よりも先に戦を止めたいと申すとは片腹痛いわ!恥を知れ!」
童子は協会会長を一喝しながら、魔王に念話を送っていた。
『魔王様、童子でございます。例の愚者が所属する探索者協会が、停戦交渉をして欲しいと申しております。儂の独断で一度は一蹴しましたが、魔王様はいかがお考えでしょうか』
『そうですね・・・、人族の覚悟を見せて貰いましょう。主様に刃を向けた愚者に、主様のお命を奪う様命じた、横澤なる者と一族郎党の首を差し出せるのであれば、停戦交渉を受けましょう。停戦に応じるかはわかりませんが、交渉だけはして差し上げます。国民の為に愚かなる命を犠牲にするのか、国の信念の為に愚かなる命を守るのか、どうするか見ものです』
『御意』
念話を終えた童子は、協会会長へと停戦交渉の条件を伝える。
「諸悪の根源である横澤なる者と、その一族郎党全ての首を差し出せば、我等が偉大で慈悲深い魔王様は、停戦交渉の席をご用意して下さると申されている。さあどうする?」
魔王軍の出した条件は、とてもこの場で決める事が出来ない内容だった。
「返答にお時間をいただきたい!私ではすぐにお答え出来ません。ですので何卒お時間をいただきたい!」
「よかろう・・・。ならば回答期限は明日正午、それまでにどうするか議論いたせ」
「分かりました。それまでにお答え出来る様にして参ります。それで首と仰いましたが、それは横澤と横澤一族全ての身柄をお渡しすれば良いという意味でしょうか?」
協会会長は、[首]の意味を確認した。
「首は首だ!そやつらの首を撥ねて、首だけを持参するのだ!」
童子はそう言い残すと、「引き上げるぞ!」と魔王軍に声をかけて、空間を切り裂いて、その中に消えて行った。
押し掛け護衛のリリスも、寝床が無い事を理由に、10階層へと強制送還する事に成功した。
久々にゆっくり出来る時間だ。
俺はビッグタイガーからドロップした、宝箱の中身を鑑定する事にする。
まずは新しい魔導拳銃。
見た目は地球上に存在している[デザートイーグル]にそっくりだが、弾倉は存在しておらず、ハンマーも付いていない。
そしてスライドは動くが、内部機構はスライドを後退させても確認出来ない。
銃身の口径は大きくなっているが、現在使っている物と同様に、銃身は貫通しておらず、奥の方で閉塞されている。
とりあえず鑑定だ。
【大口径魔導拳銃:口径が大きく、強力な魔導弾丸を発射出来る魔導拳銃。1チャージ当たり50発の発射が可能。チャージ時間は5秒。高威力の為、取り扱いには注意。※使用者限定機能有】
なるほど・・・、要は威力が増した事により大型化された魔導拳銃って事ね。
あとでテストしてみよう。
次は瓶に入った液体だ。
【万能薬:全ての疾病や状態異常を回復させる事が出来る秘薬。服用時は1本服用ではなく、1滴の服用で効果を発揮する。※用法用量をおまもりください】
これもヤバイ代物だった。
これの存在がバレたら、エリクサー以上の価値が付いて、これを奪い合う為の争いが起きそうだ。
これは死蔵させて貰おう・・・。
鑑定が終わったので、大口径魔導拳銃・・・、もう色々と面倒なので魔銃のテストを始める。
スライドを引いて5秒待つと、スライド後端が青く光る、これは今までよりも時間が短縮されている様だ。
そして、ダンジョンの壁に銃口を向け引鉄を引くと、発射音はガスガン程度だったが、リコイルは小さい魔導拳銃の倍はある。
そして気になる威力は、破壊不能のダンジョンオブジェクトである壁に、大きな穴を穿つほどの威力だった。
これで今まで以上に戦いやすくなる。
そう確信した俺は、大口径の魔導拳銃をメインで使う事にした。
そして、小さい方の魔導拳銃を収納に入れて、就寝する準備を整えてから攻撃・防御向上の秘薬を飲み、それから就寝スペースに横になった。
翌朝目が覚めると、簡単な朝食を食べてから、ダンジョン12階層へと転移する。
今日は12階層の探索をして、新たなアイテムや食材を手に入れようと思っている。
12階層もフィールド型ダンジョンで、平原の先に森林が見えている。
予定としては平原を進んで、森林の外周を周り、森林の大きさを把握しつつ、食材やアイテムが発見出来たらそれを収集していく。
そしてある程度森林の大きさを把握出来てから、本格的な森林部分の探索に移行する予定だ。
俺は装備の最終確認を行ってから、12階層の平原へと足を踏み出した。
11階層よりも平原部分の草の高さが低く、歩きやすい。
そして平原部分にも、点々と木が生えているのが見える。
空は快晴で空気の綺麗な自然の中(注・ここはダンジョンです)、苦手な昆虫もいないので、快適なピクニックの様だ。
ただ11階層と違って、所々から魔力を感じる。
恐らくモンスターがいるのだろう。
だが、モンスターと戦うのもダンジョン探索の醍醐味。
俺は周囲を警戒しながら、森林部を目指して歩き続けた。
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一方その頃、日本政府は混乱に包まれていた。
岸破首相が四肢を欠損する大怪我を負い、韓国海軍は日本に向けて艦隊を出港させ、中国の人民解放軍は戦闘待機に入ったとの情報が入り、北の国はミサイルをバカスカ射ちまくっている。
政府に備蓄されていた回復薬を使い、復活を遂げた内閣の面々は、何から手を付けて良いか分からなくなっていた。
そんな中、四肢を欠損した岸破首相が車椅子に乗せられて、対応に追われる内閣の面々が集まる、首相官邸の閣議室に現れた。
岸破は外務大臣に、韓国軍が艦隊を出撃させた理由を確認する様に指示を出し、官房長官には北の国へミサイル発射について遺憾砲を撃ち込む事を指示した。
そして中国の対応は自分がすると伝えると、総理執務室へと移動し、中国へ電話をかけた。
数時間後、探索者協会本部の周囲は、魔王軍により取り囲まれていた。
魔王軍は逃げ惑う人々には一切興味が無い様で、協会本部に集められている武装した探索者や盾を持ち警戒している警察官に興味を向けていた。
それは何故か・・・、それは戦う武器を持ち、多少なりとも戦う意思を持っているからだ。
警備に駆り出された末端の警察官は、魔王軍を【コスプレした過激派組織】程度としか認識しておらず、魔王軍に向けて解散する様に警告をした後、暴徒鎮圧用の放水車での放水を行った。
放水を受けた魔王軍は、[激弱な水魔法]での攻撃を受けたと認識し、魔王軍を指揮する童子が出した攻撃命令により、協会本部を守る警察官と探索者への攻撃が始まった。
一斉に協会本部に向けて駆け出す魔王軍、それを迎え討つ警察官と探索者、一気に距離が縮まり、魔王軍と警察官&探索者の戦闘が始まるも、強力な魔王軍の前には警察官も探索者も手も足も出ず、人族側の負傷者ばかり増えていく。
そんな中、探索者協会本部の会長は、白い布が巻き付けられた槍を持ち、戦闘の行われている協会本部前に向かい走っていた。
白い槍を持ち全力で走っている会長の姿を見た協会本部職員達は、口々に「会長が命懸けの反撃に出た」と、会長を褒め称え、本部を死守する為に武器を手に取り、徹底抗戦の構えを取った。
協会本部の前は、負傷した探索者と警察官が所狭しと倒れていて、その中を完全武装し大剣を手に持った童子が、協会本部に向けて歩いている。
主に危害を加えなければこんな事にはならなかったのに・・・、と思いながら歩いている童子の近くで、乾いた炸裂音が5回鳴り響く。
倒れた警察官が童子の顔に向けて、拳銃を発砲したのだ。
警察官の拳銃より放たれた弾丸5発は、全て童子の顔に命中したのだが、童子は一切ダメージを受けていなかった。
だが、いくらダメージが無かったとはいえ、顔面を撃たれた童子は、拳銃を発砲した警察官の元へ近寄ると、手に持った大剣を一振した。
これまでの戦闘で、大剣を使う童子や刀剣類を使う魔王軍は、相手を殺さない様に剣の腹での打撃で攻撃をしていた。
だが今回の童子は、大剣の刃を立てた状態で大剣を振り抜いた。
童子の大剣は、警察官の身体を上下に両断し、童子の顔に発砲した警察官の命を奪った。
この戦いが始まって以来、初の死者が出る。
童子は大剣に着いた血を、大剣を振って綺麗に飛ばすと、絶命した警察官の亡骸に向かって一礼し、再び協会本部へと歩き出した。
その光景を目にした協会会長は、童子の元へ行くのを一瞬立ち止まり躊躇ったが、自分が動かなければ事態は変わらないと思い直し、槍を持ち協会本部の外へと出た。
会長の目の前に見えるのは、大剣を手に持った魔王軍の戦士、だが会長にもう躊躇いはなかった。
槍に巻かれた布を解き、槍を頭上高く持ち上げると、その槍を何度も何度も全力で左右に振った。
槍に取り付けられた白い布は、槍を振る度に風をはらんで、『バタバタ』と空気とぶつかる音を立てながら靡いている。
探索者協会本部会長は、侵攻して来る魔王軍に対して、白旗を揚げ降伏の意思表示をした。
その光景を見ながら童子は協会本部へとどんどん近付いていき、十分距離が縮まると、白旗を振り続ける会長に向けて声を掛けた。
「それは何の真似だ!」と。
「探索者協会は魔王軍に、停戦交渉を求めます!」
協会会長は白旗を振りながら、停戦の意思を童子に告げた。
「それは人族の総意か?総意でなければ聞く価値は無いし、たとえ総意だったとしても、一度動き出した魔王軍は、全ての敵を蹂躙するまで止まらん!」
童子はそう言うと、協会会長が振る白旗付きの槍を大剣の一振で両断した。
「此度の戦、貴様ら人族の探索者協会の者から始まった事を忘れるな!戦を巻き起こした集団が、誰よりも先に戦を止めたいと申すとは片腹痛いわ!恥を知れ!」
童子は協会会長を一喝しながら、魔王に念話を送っていた。
『魔王様、童子でございます。例の愚者が所属する探索者協会が、停戦交渉をして欲しいと申しております。儂の独断で一度は一蹴しましたが、魔王様はいかがお考えでしょうか』
『そうですね・・・、人族の覚悟を見せて貰いましょう。主様に刃を向けた愚者に、主様のお命を奪う様命じた、横澤なる者と一族郎党の首を差し出せるのであれば、停戦交渉を受けましょう。停戦に応じるかはわかりませんが、交渉だけはして差し上げます。国民の為に愚かなる命を犠牲にするのか、国の信念の為に愚かなる命を守るのか、どうするか見ものです』
『御意』
念話を終えた童子は、協会会長へと停戦交渉の条件を伝える。
「諸悪の根源である横澤なる者と、その一族郎党全ての首を差し出せば、我等が偉大で慈悲深い魔王様は、停戦交渉の席をご用意して下さると申されている。さあどうする?」
魔王軍の出した条件は、とてもこの場で決める事が出来ない内容だった。
「返答にお時間をいただきたい!私ではすぐにお答え出来ません。ですので何卒お時間をいただきたい!」
「よかろう・・・。ならば回答期限は明日正午、それまでにどうするか議論いたせ」
「分かりました。それまでにお答え出来る様にして参ります。それで首と仰いましたが、それは横澤と横澤一族全ての身柄をお渡しすれば良いという意味でしょうか?」
協会会長は、[首]の意味を確認した。
「首は首だ!そやつらの首を撥ねて、首だけを持参するのだ!」
童子はそう言い残すと、「引き上げるぞ!」と魔王軍に声をかけて、空間を切り裂いて、その中に消えて行った。
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