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学園編
第十六話
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アルがいた…
特に何かあったわけじゃないけど、2度も逃げてしまっただけあって気まずい。それに第二王子?不敬罪とかにならないかな。
「ヴァレリウス、どうしたの?」
「…ハーディル。…なんでもない。」
僕は闇属性だから闇魔法を使える先生に教えてもらう必要があるため、他属性の人とは授業では関わらない。僕は事情があるため闇属性のクラスの授業は一対一だ。
緊張するけど、闇魔法を教わるためにこの学園に来たのだから頑張らないと。
「これから授業だから、僕もう行くね。」
「分かった。私もヴァレリウスと一緒に授業受けたかったよ。」
「ごめんね。」
「全然大丈夫だよ。」
「失礼します」
ゆっくりと先生の部屋に入った。
「闇魔法授業専攻のヴァレリウスです。」
「君がヴァレリウスくんか。私はメハイルだ。」
先生は肩くらいのウェーブがある髪、丸メガネから鋭い眼光、目の下には酷いくまがある。
「はい。よろしく…お願いします。」
「まずは体を見せてもらおう。」
「はい。」
メハイル先生は僕の肩に触れた。
「体の中で何人もの魔力が絡み合ってある。辛かったろう。」
「はい。」
メハイル先生は最初怖い人かと思ったけど、淡々とした口調が逆に落ち着いた。
先生に優しい言葉をかけられたから、泣きそうになってしまった。
「今は痛みが落ち着いているのか?」
「はい。でもたまにムズムズします。」
「そうか。体の中の魔力が暴れているのだろう。」
「医師にはあと五年と…。」
「5年か…。とりあえず魔力を体外に出すため魔法の練習をしよう。」
「はい。」
今日は基礎魔法を練習した。基礎魔法でも使った後は体がすっきりした気がする。
「メハイル先生。ありがとうございました。」
「あぁ。」
先生の部屋から出て、自分の寮に戻ろうとした。
[あっ!見て!]
[綺麗だね。でも、闇属性だから怖いわ。]
会話の内容は聞こえないけど、嫌なこと言われているのだろう。悪役っぽいけどやっぱり気まずい。
「ヴァレリウス!」
名前を呼ばれて振り返るとアルがいた。いや、アルフレッド様だ。
「第二王子。こんにちは。」
「やめてくれ。アルと呼んで。」
アルとはアルフレッドの愛称だろう。王子を愛称で呼ぶだなんて、無理だ。
「申し訳ありません。」
「では、第二王子はやめてくれ。」
「分かりました。アルフレッド様。」
「ヴァレリウス。これからも仲良くしてくれるから?」
「……ごめんなさい。」
頭を下げて駆け足で逃げた。イケメン王子様の頼みを断るなんて悪役っぽい!
「__あっ!」
走っていたら女子生徒にぶつかってしまった。
「ごめんなさい。」
「こちらこそごめんなさい!私はミアです。」
「ヴァレリウスです。」
ミア…ミア…あぁ、ヒロインか…。平民から伯爵令嬢になったミアはこの学園に入学した。ミアを好きになるのは、第二王子、騎士のリオン、僕の弟のイル、僕はまだ会ったことはないけど魔導士のルカ…うん、とにかく沢山いる!
「ヴァレリウス様ですね?」
ミアが笑顔で聞いてきた。可愛い。僕だってそりゃ男だから可愛い女の子に声かけられたらドキドキしちゃう。
そういえば今まで男としか関わったことなかったから…。
「ここで出会ったのも何かの縁かもしれません。仲良くして下さい。」
「はい。」
悪役としていいのかは分からないけど、ミアと仲良くなれた!
特に何かあったわけじゃないけど、2度も逃げてしまっただけあって気まずい。それに第二王子?不敬罪とかにならないかな。
「ヴァレリウス、どうしたの?」
「…ハーディル。…なんでもない。」
僕は闇属性だから闇魔法を使える先生に教えてもらう必要があるため、他属性の人とは授業では関わらない。僕は事情があるため闇属性のクラスの授業は一対一だ。
緊張するけど、闇魔法を教わるためにこの学園に来たのだから頑張らないと。
「これから授業だから、僕もう行くね。」
「分かった。私もヴァレリウスと一緒に授業受けたかったよ。」
「ごめんね。」
「全然大丈夫だよ。」
「失礼します」
ゆっくりと先生の部屋に入った。
「闇魔法授業専攻のヴァレリウスです。」
「君がヴァレリウスくんか。私はメハイルだ。」
先生は肩くらいのウェーブがある髪、丸メガネから鋭い眼光、目の下には酷いくまがある。
「はい。よろしく…お願いします。」
「まずは体を見せてもらおう。」
「はい。」
メハイル先生は僕の肩に触れた。
「体の中で何人もの魔力が絡み合ってある。辛かったろう。」
「はい。」
メハイル先生は最初怖い人かと思ったけど、淡々とした口調が逆に落ち着いた。
先生に優しい言葉をかけられたから、泣きそうになってしまった。
「今は痛みが落ち着いているのか?」
「はい。でもたまにムズムズします。」
「そうか。体の中の魔力が暴れているのだろう。」
「医師にはあと五年と…。」
「5年か…。とりあえず魔力を体外に出すため魔法の練習をしよう。」
「はい。」
今日は基礎魔法を練習した。基礎魔法でも使った後は体がすっきりした気がする。
「メハイル先生。ありがとうございました。」
「あぁ。」
先生の部屋から出て、自分の寮に戻ろうとした。
[あっ!見て!]
[綺麗だね。でも、闇属性だから怖いわ。]
会話の内容は聞こえないけど、嫌なこと言われているのだろう。悪役っぽいけどやっぱり気まずい。
「ヴァレリウス!」
名前を呼ばれて振り返るとアルがいた。いや、アルフレッド様だ。
「第二王子。こんにちは。」
「やめてくれ。アルと呼んで。」
アルとはアルフレッドの愛称だろう。王子を愛称で呼ぶだなんて、無理だ。
「申し訳ありません。」
「では、第二王子はやめてくれ。」
「分かりました。アルフレッド様。」
「ヴァレリウス。これからも仲良くしてくれるから?」
「……ごめんなさい。」
頭を下げて駆け足で逃げた。イケメン王子様の頼みを断るなんて悪役っぽい!
「__あっ!」
走っていたら女子生徒にぶつかってしまった。
「ごめんなさい。」
「こちらこそごめんなさい!私はミアです。」
「ヴァレリウスです。」
ミア…ミア…あぁ、ヒロインか…。平民から伯爵令嬢になったミアはこの学園に入学した。ミアを好きになるのは、第二王子、騎士のリオン、僕の弟のイル、僕はまだ会ったことはないけど魔導士のルカ…うん、とにかく沢山いる!
「ヴァレリウス様ですね?」
ミアが笑顔で聞いてきた。可愛い。僕だってそりゃ男だから可愛い女の子に声かけられたらドキドキしちゃう。
そういえば今まで男としか関わったことなかったから…。
「ここで出会ったのも何かの縁かもしれません。仲良くして下さい。」
「はい。」
悪役としていいのかは分からないけど、ミアと仲良くなれた!
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