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学園編
第二十八話
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「これから第1回戦を始める!」
「イル…頑張って。」
「ヴァレリウス。イルはあそこみたいだよ。」
ハーディルが声を掛けてくれてもイルが怪我したりしないか心配。
[なぁ、知ってるか?今日はドナン家の次男も出場するらしいぞ。]
[優勝候補はイル・ドナンか…?]
[いや、待てよ。確か珍しい光属性が魔法科ではなく、騎士科にいるらしい。]
[はぁ?なんだそれ?一年か?]
[いや、どうも三年らしい、2年ほど隣国に剣術と魔術を修行しに行っていたらしいぞ。]
イルが僕が学園に行っている時も剣の授業を特に頑張っていることは聞いていたけど、実力は知らない。
三年にそんな人がいたなんて知らなかった。誰も言っていなかったのに…。いや、僕は友達少ないからただ知らなかっただけか…。
「では、イル・ドナン前にでなさい。」
騎士科の先生が声を掛けていた。
ついにイルの順番なんだ。
「勝者、イル・ドナン!」
「やった!!」
「よかったね。ヴァレリウス!」
イルはとても強かった。動きもとても早く魔法との組み合わせも最強だった。
「お兄様!」
「凄いね!イル!」
興奮のあまりイルの頭を撫でてしまった。
「あっ!ごめんね。嫌だったよね?」
「いいえ、もっとやってほしいです。」
「本当?」
いつの間にかイルに身長を抜かされていた。それに筋肉もついてきた。細いけど、しっかりと筋肉がついてきてる。僕とは全然違うな。
「次も頑張れ。」
「はい。もちろんです。」
イルは圧勝でついに決勝戦まで勝ち抜いた。
[やっぱり優勝候補の2人だな。]
あの光属性の騎士だろうか…。
「では、これから決勝戦を始める。一年生のイル・ドナンと二年生のキース・トクス。前へ!」
「わ…すごい。」
キース・トクスという生徒は長い艶やかな銀色の髪を一つにまとめ、うすい水色の瞳が透けているようだった。それに背も高い。
イルでも175くらいはあるけど、キース・トクスは185くらいだと思う。
「…ヴァレリウス。」
「ん?どうしたの?ハーディル。」
「いや…なんでもない。」
でも、イルに勝って欲しい!
「では、始め!」
「…頑張れ。イル…。」
イルとキースがぶつかり合う。迫力がありすぎて周りも圧倒される。イルの火魔法とキースの光魔法が放たれる。
でも、実力差は明らかだった。すぐにイルはキースに追い詰められた。
「勝者、キース・トクス!」
「負けちゃった…。」
「残念だね。」
ハーディルが慰めてくれた。やっぱりハーディルと来て良かったな。
「頑張ったね。イル。」
「お兄様に勝った姿見せたかったのに…」
「かっこよかったよ。」
「では結果発表を始める。1位キース・トクス。2位イル・ドナン。3位…。」
[なぁ、2人とも公爵家の跡取りじゃないか?]
[キースはそうだけどイルは次男じゃないか?]
[だって長男は…]
そうヴァレリウス・ドナンだから…闇属性だから。
でも、イルも頑張っているし、僕も今さら当主になりたいなんて少しも思っていない。
「では、成績上位者には褒美を。騎士にとって何より光栄なのは守る事だ。そのため、学園在籍中は専属騎士になることができる。もちろん辞退も可能だ。」
へぇ、そんなのがあるんだ…。じゃあイルも誰かの騎士になるのかな?
「では、1位のキース・トクスはア「待ってください。」
キースは教師の言葉を遮った。
キースは辞退するのかなぁ…。
「こちらから守りたい人を指名可能ですか?」
「え?あ、あぁ、希望があるのなら…」
教師も戸惑った様子だった。
[こんなこと初めてじゃないか?]
周りもざわざわしていた。
「私はヴァレリウス・ドナンの騎士になりたいです。」
「へ?」
なんで?キースとは関わった事ないのに?それに僕騎士なんて必要ないのに…。
「そうか。わかった。」
え?勝手に承諾しないでよ。僕の意思は?
「では、2位のイル・ドナンはアルフレッド・フォン・リンツの騎士だ。」
イルはぽかんとキースの方を見ていて、教師の声は聞こえていないようだった。
キースと目があった。凄い見てくるじゃないか…。
「イル…頑張って。」
「ヴァレリウス。イルはあそこみたいだよ。」
ハーディルが声を掛けてくれてもイルが怪我したりしないか心配。
[なぁ、知ってるか?今日はドナン家の次男も出場するらしいぞ。]
[優勝候補はイル・ドナンか…?]
[いや、待てよ。確か珍しい光属性が魔法科ではなく、騎士科にいるらしい。]
[はぁ?なんだそれ?一年か?]
[いや、どうも三年らしい、2年ほど隣国に剣術と魔術を修行しに行っていたらしいぞ。]
イルが僕が学園に行っている時も剣の授業を特に頑張っていることは聞いていたけど、実力は知らない。
三年にそんな人がいたなんて知らなかった。誰も言っていなかったのに…。いや、僕は友達少ないからただ知らなかっただけか…。
「では、イル・ドナン前にでなさい。」
騎士科の先生が声を掛けていた。
ついにイルの順番なんだ。
「勝者、イル・ドナン!」
「やった!!」
「よかったね。ヴァレリウス!」
イルはとても強かった。動きもとても早く魔法との組み合わせも最強だった。
「お兄様!」
「凄いね!イル!」
興奮のあまりイルの頭を撫でてしまった。
「あっ!ごめんね。嫌だったよね?」
「いいえ、もっとやってほしいです。」
「本当?」
いつの間にかイルに身長を抜かされていた。それに筋肉もついてきた。細いけど、しっかりと筋肉がついてきてる。僕とは全然違うな。
「次も頑張れ。」
「はい。もちろんです。」
イルは圧勝でついに決勝戦まで勝ち抜いた。
[やっぱり優勝候補の2人だな。]
あの光属性の騎士だろうか…。
「では、これから決勝戦を始める。一年生のイル・ドナンと二年生のキース・トクス。前へ!」
「わ…すごい。」
キース・トクスという生徒は長い艶やかな銀色の髪を一つにまとめ、うすい水色の瞳が透けているようだった。それに背も高い。
イルでも175くらいはあるけど、キース・トクスは185くらいだと思う。
「…ヴァレリウス。」
「ん?どうしたの?ハーディル。」
「いや…なんでもない。」
でも、イルに勝って欲しい!
「では、始め!」
「…頑張れ。イル…。」
イルとキースがぶつかり合う。迫力がありすぎて周りも圧倒される。イルの火魔法とキースの光魔法が放たれる。
でも、実力差は明らかだった。すぐにイルはキースに追い詰められた。
「勝者、キース・トクス!」
「負けちゃった…。」
「残念だね。」
ハーディルが慰めてくれた。やっぱりハーディルと来て良かったな。
「頑張ったね。イル。」
「お兄様に勝った姿見せたかったのに…」
「かっこよかったよ。」
「では結果発表を始める。1位キース・トクス。2位イル・ドナン。3位…。」
[なぁ、2人とも公爵家の跡取りじゃないか?]
[キースはそうだけどイルは次男じゃないか?]
[だって長男は…]
そうヴァレリウス・ドナンだから…闇属性だから。
でも、イルも頑張っているし、僕も今さら当主になりたいなんて少しも思っていない。
「では、成績上位者には褒美を。騎士にとって何より光栄なのは守る事だ。そのため、学園在籍中は専属騎士になることができる。もちろん辞退も可能だ。」
へぇ、そんなのがあるんだ…。じゃあイルも誰かの騎士になるのかな?
「では、1位のキース・トクスはア「待ってください。」
キースは教師の言葉を遮った。
キースは辞退するのかなぁ…。
「こちらから守りたい人を指名可能ですか?」
「え?あ、あぁ、希望があるのなら…」
教師も戸惑った様子だった。
[こんなこと初めてじゃないか?]
周りもざわざわしていた。
「私はヴァレリウス・ドナンの騎士になりたいです。」
「へ?」
なんで?キースとは関わった事ないのに?それに僕騎士なんて必要ないのに…。
「そうか。わかった。」
え?勝手に承諾しないでよ。僕の意思は?
「では、2位のイル・ドナンはアルフレッド・フォン・リンツの騎士だ。」
イルはぽかんとキースの方を見ていて、教師の声は聞こえていないようだった。
キースと目があった。凄い見てくるじゃないか…。
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