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12話
翌日から、都は食事を拒否し始めた。
「朝食だ」
砺波がトレイを持ってきても、都はベッドから動かなかった。
「……いらない」
「食べないと、体が持たないぞ」
「いらないって言ってる……」
都は毛布に包まったまま、壁の方を向いていた。
砺波は困惑した表情で、トレイを置いて部屋を出た。
昼になっても、都は食事に手をつけなかった。
「おい、佐野」
中野が心配そうに声をかけた。
「少しでいいから、食えよ。お前、このままじゃ……」
「うるさい……放っておいて……」
都の声は、力がなかった。
中野は食事を置いて、部屋を出るしかなかった。
夕方、遠野が勉を連れて帰ってきた。
「お兄ちゃん、ただいま!」
勉が都の部屋に入ってきた。
でも、都はベッドから起き上がらなかった。
「お兄ちゃん……?」
勉が不安そうに都を見る。
「……おかえり、勉」
都は無理に声を絞り出した。
「お兄ちゃん、具合悪いの?顔、真っ青だよ」
「大丈夫……ちょっと疲れてるだけ……」
「でも……」
「勉、宿題やっておいで。お兄ちゃん、少し休むから」
都は勉を安心させようと、笑顔を作った。
でも、その笑顔は引きつっていた。
遠野が勉の肩に手を置いた。
「勉、お兄ちゃんを休ませてあげようか」
「うん……お兄ちゃん、お大事にね」
勉は心配そうに都を見てから、部屋を出て行った。
遠野は都の傍に来た。
「おい、マジでやばいんじゃねえか?医者呼んだ方がいいぞ」
「……いらない」
「いや、いるだろ。お前、昨日から何も食ってないって聞いたぞ」
「……」
遠野は深刻な表情で部屋を出て行った。
その夜、京が都の部屋に入ってきた。
都は相変わらず、ベッドで丸くなっていた。
「都」
京の声。
都は反応しなかった。
「食事を拒否しているそうだな」
「……」
「体調が悪いのか?」
「……知らない」
都の声は、か細かった。
京は都の体に触れた。
冷たい。
「……熱があるな」
京は都の額に手を当てた。
確かに、熱い。
「医者を呼ぶ」
「いらない……」
「いる」
京の声は、有無を言わさぬものだった。
京は部屋を出て、砺波に指示を出した。
「すぐに医者を呼べ。信頼できる者を」
「了解です」
三十分後、一人の男が屋敷に到着した。
五十代くらいの、白衣を着た医師。
「劉音場さん、お久しぶりです」
「久しぶりだな、柴田先生」
京は医師を都の部屋に案内した。
柴田医師は、ベッドの上の都を見た。
「これが、患者さんですか」
「ああ」
柴田医師は都に近づいた。
「失礼します」
医師は都の体温を測り、脈を取り、目の状態を確認した。
「……これは」
柴田医師の表情が、険しくなった。
「劉音場さん、この方、Ωですね?」
「ああ」
「そして、番になっている」
柴田医師は都の首筋を見た。
そこには、京がつけた番の痕がある。
「はい」
「いつ、番になりましたか?」
「三週間前だ」
「三週間……」
柴田医師は深刻な表情で京を見た。
「劉音場さん、この方の症状は『番拒絶症候群』の可能性が高いです」
「番拒絶症候群?」
京の眉がひそめられた。
「ええ」
柴田医師は説明を始めた。
「番になったΩが、アルファからの愛情を十分に感じられない時に起こる症状です」
「……」
「Ωは番になると、アルファとの絆を強く求めます。愛情、信頼、安心感。これらが満たされないと、精神的にも肉体的にも衰弱していくのです」
柴田医師は都を見た。
「この方の症状——食欲不振、発熱、無気力、これらは全て番拒絶症候群の典型的な症状です」
「治療法は?」
「アルファが、Ωに対して愛情を示すことです」
柴田医師は京を見た。
「劉音場さん、あなたはこの方に、どう接してきましたか?」
「……」
京は何も答えなかった。
柴田医師は溜息をついた。
「おそらく、支配的に接してきたのでしょう。命令し、従わせる。そういう関係だったのでは?」
「……」
京の沈黙が、答えだった。
「それでは、Ωは愛されていると感じられません」
柴田医師は厳しい口調で言った。
「番というのは、支配と服従の関係ではありません。愛と信頼の関係です」
「……」
「このままでは、この方は衰弱死します」
柴田医師の言葉に、京の表情が変わった。
「どれくらいだ」
「このペースなら、一週間も持たないでしょう」
「……」
京は都を見た。
ベッドで小さく丸まっている都。
か細い呼吸。
蝋のように白い肌。
「何をすればいい」
京が尋ねた。
「愛情を示してください」
柴田医師は答えた。
「言葉で伝える。優しく抱きしめる。Ωを大切に思っていることを、行動で示す」
「……」
「それと」
柴田医師は京に近づいた。
「この方を、監禁するのはやめてください」
「何?」
「見れば分かります。窓の格子、鍵のかかったドア。この方は、囚われているのでしょう」
柴田医師の目が、鋭く京を見据えた。
「愛する者を、檻に閉じ込めますか?」
「……この子を、守るためだ」
「守る?」
柴田医師は首を振った。
「これは、守るではなく、権利の略奪ですよ。」
「……」
「番というのは、お互いの自由意志の上に成り立つものです。一方的な支配では、成立しません」
柴田医師は都に点滴を打ち始めた。
「とりあえず、栄養を補給します。ですが、根本的な治療は——」
柴田医師は京を見た。
「あなたにしかできません」
柴田医師が帰った後、京は都の部屋に一人残された。
都は、点滴を受けながら眠っていた。
苦しそうな寝顔。
時々、うなされている。
「……」
京は都の傍に座った。
都の手を取る。
冷たい手。
「佐野都」
京は小さく呟いた。
「俺は、お前を壊したくなかった」
都の手を、両手で包む。
「でも、壊していたんだな」
京は都の手に、自分の額を押し付けた。
「すまん……」
京の声が、震えた。
「俺は、お前を愛している」
初めて、京は自分の気持ちを言葉にした。
「でも、その伝え方が分からなかった」
京は都の手を握りしめた。
「お前を失いたくなくて、閉じ込めた」
「お前を誰にも渡したくなくて、監禁した」
「でも、それは間違っていた」
京は顔を上げた。
都を見つめる。
「教えてくれ」
京は都に問いかけた。
「どうすれば、お前を幸せにできる?」
「どうすれば、お前に愛されている喜びを感じてもらえる?」
都は答えない。
ただ、苦しそうに眠っているだけ。
京は都の額に、キスをした。
優しく。
愛おしむように。
「待っていてくれ」
京は囁いた。
「俺は、変わる」
「お前のために、変わる」
窓の外では、雨が降り始めていた。
静かな雨。
京は、都の手を握ったまま、その場を動かなかった。
一晩中、都の傍にいた。
都が苦しそうにうなされるたびに、京は都の額を撫でた。
優しく、何度も。
「大丈夫だ」
京は囁き続けた。
「俺が、ここにいる」
都の表情が、少しだけ和らいだ。
まだ眠っているが、苦しそうな表情は消えた。
京は、都を抱き寄せた。
優しく。
大切なものを扱うように。
「愛している」
京は都の耳元で囁いた。
「お前を、本当に愛している」
都は、何も答えなかった。
でも——
都の手が、わずかに京の服を掴んだ。
無意識の動作。
でも、京にはそれが——
都の、小さな答えに思えた。
雨は、朝まで降り続いた。
「朝食だ」
砺波がトレイを持ってきても、都はベッドから動かなかった。
「……いらない」
「食べないと、体が持たないぞ」
「いらないって言ってる……」
都は毛布に包まったまま、壁の方を向いていた。
砺波は困惑した表情で、トレイを置いて部屋を出た。
昼になっても、都は食事に手をつけなかった。
「おい、佐野」
中野が心配そうに声をかけた。
「少しでいいから、食えよ。お前、このままじゃ……」
「うるさい……放っておいて……」
都の声は、力がなかった。
中野は食事を置いて、部屋を出るしかなかった。
夕方、遠野が勉を連れて帰ってきた。
「お兄ちゃん、ただいま!」
勉が都の部屋に入ってきた。
でも、都はベッドから起き上がらなかった。
「お兄ちゃん……?」
勉が不安そうに都を見る。
「……おかえり、勉」
都は無理に声を絞り出した。
「お兄ちゃん、具合悪いの?顔、真っ青だよ」
「大丈夫……ちょっと疲れてるだけ……」
「でも……」
「勉、宿題やっておいで。お兄ちゃん、少し休むから」
都は勉を安心させようと、笑顔を作った。
でも、その笑顔は引きつっていた。
遠野が勉の肩に手を置いた。
「勉、お兄ちゃんを休ませてあげようか」
「うん……お兄ちゃん、お大事にね」
勉は心配そうに都を見てから、部屋を出て行った。
遠野は都の傍に来た。
「おい、マジでやばいんじゃねえか?医者呼んだ方がいいぞ」
「……いらない」
「いや、いるだろ。お前、昨日から何も食ってないって聞いたぞ」
「……」
遠野は深刻な表情で部屋を出て行った。
その夜、京が都の部屋に入ってきた。
都は相変わらず、ベッドで丸くなっていた。
「都」
京の声。
都は反応しなかった。
「食事を拒否しているそうだな」
「……」
「体調が悪いのか?」
「……知らない」
都の声は、か細かった。
京は都の体に触れた。
冷たい。
「……熱があるな」
京は都の額に手を当てた。
確かに、熱い。
「医者を呼ぶ」
「いらない……」
「いる」
京の声は、有無を言わさぬものだった。
京は部屋を出て、砺波に指示を出した。
「すぐに医者を呼べ。信頼できる者を」
「了解です」
三十分後、一人の男が屋敷に到着した。
五十代くらいの、白衣を着た医師。
「劉音場さん、お久しぶりです」
「久しぶりだな、柴田先生」
京は医師を都の部屋に案内した。
柴田医師は、ベッドの上の都を見た。
「これが、患者さんですか」
「ああ」
柴田医師は都に近づいた。
「失礼します」
医師は都の体温を測り、脈を取り、目の状態を確認した。
「……これは」
柴田医師の表情が、険しくなった。
「劉音場さん、この方、Ωですね?」
「ああ」
「そして、番になっている」
柴田医師は都の首筋を見た。
そこには、京がつけた番の痕がある。
「はい」
「いつ、番になりましたか?」
「三週間前だ」
「三週間……」
柴田医師は深刻な表情で京を見た。
「劉音場さん、この方の症状は『番拒絶症候群』の可能性が高いです」
「番拒絶症候群?」
京の眉がひそめられた。
「ええ」
柴田医師は説明を始めた。
「番になったΩが、アルファからの愛情を十分に感じられない時に起こる症状です」
「……」
「Ωは番になると、アルファとの絆を強く求めます。愛情、信頼、安心感。これらが満たされないと、精神的にも肉体的にも衰弱していくのです」
柴田医師は都を見た。
「この方の症状——食欲不振、発熱、無気力、これらは全て番拒絶症候群の典型的な症状です」
「治療法は?」
「アルファが、Ωに対して愛情を示すことです」
柴田医師は京を見た。
「劉音場さん、あなたはこの方に、どう接してきましたか?」
「……」
京は何も答えなかった。
柴田医師は溜息をついた。
「おそらく、支配的に接してきたのでしょう。命令し、従わせる。そういう関係だったのでは?」
「……」
京の沈黙が、答えだった。
「それでは、Ωは愛されていると感じられません」
柴田医師は厳しい口調で言った。
「番というのは、支配と服従の関係ではありません。愛と信頼の関係です」
「……」
「このままでは、この方は衰弱死します」
柴田医師の言葉に、京の表情が変わった。
「どれくらいだ」
「このペースなら、一週間も持たないでしょう」
「……」
京は都を見た。
ベッドで小さく丸まっている都。
か細い呼吸。
蝋のように白い肌。
「何をすればいい」
京が尋ねた。
「愛情を示してください」
柴田医師は答えた。
「言葉で伝える。優しく抱きしめる。Ωを大切に思っていることを、行動で示す」
「……」
「それと」
柴田医師は京に近づいた。
「この方を、監禁するのはやめてください」
「何?」
「見れば分かります。窓の格子、鍵のかかったドア。この方は、囚われているのでしょう」
柴田医師の目が、鋭く京を見据えた。
「愛する者を、檻に閉じ込めますか?」
「……この子を、守るためだ」
「守る?」
柴田医師は首を振った。
「これは、守るではなく、権利の略奪ですよ。」
「……」
「番というのは、お互いの自由意志の上に成り立つものです。一方的な支配では、成立しません」
柴田医師は都に点滴を打ち始めた。
「とりあえず、栄養を補給します。ですが、根本的な治療は——」
柴田医師は京を見た。
「あなたにしかできません」
柴田医師が帰った後、京は都の部屋に一人残された。
都は、点滴を受けながら眠っていた。
苦しそうな寝顔。
時々、うなされている。
「……」
京は都の傍に座った。
都の手を取る。
冷たい手。
「佐野都」
京は小さく呟いた。
「俺は、お前を壊したくなかった」
都の手を、両手で包む。
「でも、壊していたんだな」
京は都の手に、自分の額を押し付けた。
「すまん……」
京の声が、震えた。
「俺は、お前を愛している」
初めて、京は自分の気持ちを言葉にした。
「でも、その伝え方が分からなかった」
京は都の手を握りしめた。
「お前を失いたくなくて、閉じ込めた」
「お前を誰にも渡したくなくて、監禁した」
「でも、それは間違っていた」
京は顔を上げた。
都を見つめる。
「教えてくれ」
京は都に問いかけた。
「どうすれば、お前を幸せにできる?」
「どうすれば、お前に愛されている喜びを感じてもらえる?」
都は答えない。
ただ、苦しそうに眠っているだけ。
京は都の額に、キスをした。
優しく。
愛おしむように。
「待っていてくれ」
京は囁いた。
「俺は、変わる」
「お前のために、変わる」
窓の外では、雨が降り始めていた。
静かな雨。
京は、都の手を握ったまま、その場を動かなかった。
一晩中、都の傍にいた。
都が苦しそうにうなされるたびに、京は都の額を撫でた。
優しく、何度も。
「大丈夫だ」
京は囁き続けた。
「俺が、ここにいる」
都の表情が、少しだけ和らいだ。
まだ眠っているが、苦しそうな表情は消えた。
京は、都を抱き寄せた。
優しく。
大切なものを扱うように。
「愛している」
京は都の耳元で囁いた。
「お前を、本当に愛している」
都は、何も答えなかった。
でも——
都の手が、わずかに京の服を掴んだ。
無意識の動作。
でも、京にはそれが——
都の、小さな答えに思えた。
雨は、朝まで降り続いた。
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