上 下
33 / 82

ダンジョン攻略 より良い効率を求めて

しおりを挟む
・セリス
「よーし着いたな、ここから3階までは寄り道しないで進む。ハリス、サリスを先頭にリーシュ、マルチ、ライオット、殿はミミとアタシだ。荷物はライオットに任せるが持ちきれない荷物はリーシュとマルチに任せる。
ここまでで質問はあるか?」

・「なあセリス、荷物の中にある武器は好きに使って良いの?」

・セリス
「ライオットは体術じゃなかったか?」

・「いや、金がなかったから仕方なく体術で対応していただけだよ、色々使ってみたいなぁって思ってさ、ってあれ?なんか変なこと言った?」

周りのみんながこちらを見て驚いている。
リーシュさんなんてちょっと涙ぐんでいる。

・ハリス
「へいライオット君、君の好きな物を使えば良いさ。困った事があれば何でも言ってくれ、君は俺達のパーティーメンバーだ遠慮する事はない。」

ハリスさんが妙に優しくしてくれる。
周りの人もちょっと涙目で頷いてくれる。
うむ、勘違いされてるね。
まあ良いか、弁解が面倒くさい。

・リーシュさん
「ライオットさん、辛い時は言ってね。」

・マルチ
「ライオット、私はいつも側にいる」

・ミミ
「ライオット、アタシのお肉少しあげるね。」

・セリス
「お前の好きにすれば良い、文句を言う奴はアタシが黙らせる。」

・ハリス
「俺はライオット君の味方だよ」

・サリス
「そう言えば武器を買う時間が無かったわね。
忙しそうだったし。」

1人的確に突っ込んで来てますが。
とても嬉しいです。

・「ありがとうございます、色々と迷惑かけると思いますが宜しくお願いします。」

・セリス
「では出発だ、声を掛け合いながら行こう。」

一行はダンジョンに入った。

遂にダンジョンだ!
心臓は信じられない程に鼓動が早い。
ちょっと痛いくらいだ。

荷物は多くバランスを取るのがちょっと難しいけれども倒れるわけにいかない、だからマップオープンは使っていない。
魔物が近づけばサリスさんが反応する筈だ。
だが緊張感だけは保って行こう。
しっかり気配を探って行こう。
俺は1番弱い。
状況判断だけは間違えない様に。

・セリス
「ここらか地下二階に降りる、二階からは魔物が出て来るから気を引き締めろよ。迎撃はサリスが担当、撃ち漏らしたらハリスが止めてアタシかミミで対応する。マルチは全体のサポートでリーシュとライオットはパーティーの中心で待機、状況に応じた行動をしてくれ。
判断は2人に任せる。」

まだ魔物出て来なかったんかーい!
俺の緊張を返してくれ、、、

なんかドッと疲れた。
お陰で落ち着いたけどね。
まあなるようになるかぁ。

よく考えたら凄まじく強いパーティーだし、みんなが負ける様な敵が来たら俺なんて何も出来ないだろうしね。

気楽に行こう。
折角だから楽しんで行こうかな。

・サリス
「前方敵3、奇襲で行きます。」

そう言うとサリスさんが消える。

・『カルラを倒しました』
・『カルラを倒しました』
・『イビルフライを倒しました』
・『ボーナスが入ります』

アナウンスが一気に流れる。
俺にも経験値が入ってるのかな?
数値が見えないからわからない。
どちらでも良いか、入ってたらそのうちレベル上がるだろうし上がらなければそれで良いしね。

・サリス
「ただいま、この辺りの素材は魔法石のみ取っていくわ。サリーヌさんに聞いたけどライオットさん集めてるのよね?」

・「はい、でも良いんですか?」

・サリス
「構わないわよ、既に皆の了承は得ています。」

・「皆さんありがとうございます。」

流石はサリスさん、仕事が完璧だ。
魔法石は本当にありがたい、それなりに溜まってきたしそろそろ実験も始めようかな。

・ハリス
「しかしサリスさん、その移動方法は何かな?どうやら魔法を使っているみたいだったがあの加速力、観ていたけど度肝を抜かれたよ。」

・サリス
「ふふふ、凄いでしょう?
ライオットさんに教えて貰ったよ!
まだまだ試したい事もあるし楽しみだわぁ」

あ、戦闘狂のサリスさんが顔を出し始めてる。
サリスさんって実は戦闘狂なんだよな。
この先がちょっと怖い。

・ハリス
「へぇ、ライオット君にね、凄いじゃないか。少し彼の評価を変えなければならないな。一部を除いて、、、」

その一部ってのが怖いのですが。
一部ってなんだ?

そんな俺の不安など知りもしない一行はドンドン進んでいく、途中で魔物に遭遇しそうになるがサリスさんのスカウト能力で全て奇襲で蹴散らしていく。その度にサリスさんが嬉しそうにしているのが印象的だった。

そして遂に地下三階のセーフティーゾーン入る

・セリス
「よーし今日はここまでだ。予想到着時間からかなり早く着いてしまったが野営する場所はここにする、ダンジョンでは急いでも良い事などないからゆっくり行こう。野営の準備が終了したら各自自由時間だ。ライオットとマルチ、お前達は周辺でレベル上げしてきて良いぞ。」

・「マジで?やったねありがとう!
では早速、今回は杖と盾借りて行こうかな。」

・マルチ
「私は杖で、前衛は任せて良い?」

・「勿論だよ、色々と試したい事もあるし。」

俺の色々試したい事ある発言に、サリスさんとセリスが過敏に反応する。

・セリス
「あ、、アタシも行こうかな、、。
ちょっと心配だし、、」

・サリス
「貴方はリーダーなんだからここを仕切らなきゃ、心配なら私が行きます、」

・リーシュ
「それなら私が行きます。
回復要因は必要でしょう?」

・ミミ
「アタシが行く!ジッとしてるの暇ぁ。」

そして4人の牽制合戦が始まる。
ミミさんは暇つぶしで来たいんだろうなぁ。

・ハリス
「俺の嫉妬の心が張り裂けそうだ。」

ハリスさんが下を向いてぶつぶつ言ってる。
うわぁ、これどうすれば良いの?

・マルチ
「みんなが来るとライオットのレベル上がらない。それではライオットが可愛そう。それでも来る?」

マルチさんの一撃が4人を襲う。
そして何も言えなくなった。
マルチの一人勝ちだな。

・セリス
「確かに目的を考えるとアタシらは行けねぇな。わかった2人で行って来い。その代わりにライオット、何か凄い事を閃いたら教えてくれると嬉しい。」

・マルチ
「私が監視、何かあったら連絡する。」

・サリス
「マルチ頼んだわよ。ライオットさん、私はまだ防御不能斬撃を教わってませんのでその内教えてほしいわ。」

防御不能斬撃の発言でサリスさんがセリスの質問攻めに遭い始めた。今がチャンスだ!逃げようと思います。

・「マルチ、こっそり行こう。」

・マルチ
「うん、了解。」

二人は上手く抜け出す事に成功する。

・「さてと、どんどん倒して行こうか!」

・マルチ
「おー!」

・ミミ
「おー!」

・「ブホッ!ミミさんいつの間に。」

・ミミ
「ふふふ、アタシを撒こうなど10年早い!実はママからこんなマジックアイテムを貰っているのです!」

ミミさんは綺麗な首飾りを出した。
マジックアイテム?
ミミさんのお母さんって冒険者なのかな?
ひょっとしたら高レベルの人なのかも。

・ミミ
「これはレベル差や能力差関係なく経験値が入るって言う神アイテムなのです!高レベルの人には入らないけど、これがあれば一緒にレベル上げ出来るよ?一緒に行って良い?」

・「まあ、そう言う事なら。
でも、ミミさんは退屈じゃないです?
俺達はまだ弱いから弱い相手しか倒せないよ?」

・ミミ
「大丈夫だよ!ライオットと一緒に居たかっただけだからさ。んじゃドンドン倒してレベル上げよう。」  

そんな訳でミミさんが来てくれた。
まさかのパワーレベリングだな。
良いか、どうせだから何でも利用してやろう。

・「マップオープン!ほほぅ、ダンジョンだとこんな風に見えるんだ。魔物は部屋に数匹居て通路には居ないんだね、これなら部屋の前まで行って奇襲で終わる。」

・ミミ
「ライオット、スカウト出来るの?」

・「出来ますよ、んじゃガンガン行きます。」

3人は走り出した。
とりあえず初めの部屋の手前で止まる。

・「この先に敵が3匹です。ちょっと試したい事がありまして、俺に任せて貰っても宜しいでしょうか?」

・ミミ
「わかった!んじゃアタシはサポートでライオットの後ろに付いて動くよ。手出しはしないけど危ないって思ったら助けるからね。」

・マルチ
「私の魔法でいつでも助ける、ライオットはやりたい事をやって。」

・「2人ともありがとう、やりたい事は2つ。」

まず魔法石で作った粉を袋に詰めます。
それがひとつ。
後はこっち、俺は杖の先に魔力を集める。
そして先を尖らせ殺傷能力を高める。
更に炎で刃の部分を作り安定させる。

・「名付けて【フレイムスピア】突き刺して焼き尽くす炎の槍!なんてね。」

・マルチ
「おぉ!カッコいい!」  

・ミミ
「おぉ!カッコいいぞ!」

殆どの同じ反応だ、、、。
流石お肉コンビ、息がぴったりだね。

・「では行きます、まずは部屋に入って左側の敵2体を遠隔で撃破、次に右側にいる敵を近接で仕留めますのでフォローお願いします。」

俺は部屋の中に入る。
まずは2体同時に倒すんだ。
魔力を含んだ魔法石の粉袋を投げつけ敵の場所で遠隔爆破、すると魔力石の粉が舞い散る。

・マルチ
「綺麗、キラキラしてる。」

そこに炎魔法を投げ込む。

『魔法石粉塵爆弾』

魔法石の粉で炎の魔力を連鎖爆破!

ドゴーン

・『カルラを倒しました』
・『イービルフライを倒しました』

そのまま俺はもう一匹に突進する。

・「せいやっ!」

【フレイムスピア】が当たった瞬間、魔力を少し切り離し流し込む。すると敵が燃え上がった。

・『イビルフライを倒しました。』
・『槍術スキルを覚えました、以降槍術レベルが解放されます。』

・「実験成功!後はステータスを見てっと。」

俺はステータスを確認してある項目を見る

レベル17 所持金 16309c
筋力 82 +20(特  +20(加
知力 97 +20(特 +40(加
敏捷性 95 +30(特

・スキル
自動マーカー、マップ、精神自動回復、順応力 

・魔法
癒しの鼓動
風魔法23 炎魔法16 水属性28

・技能
剣術8  補正レベル1  筋力 2 敏捷生 2
杖術2
槍術1
盾術2
体術19  補正レベル3 筋力 8 俊敏性 12
射撃9 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 2

・特殊技能 補正値パッシブ(特
採取12 補正レベル2 筋力 10 知力 10
採掘11 補正レベル2 筋力 10 敏捷性 10
魔装9 補正値レベル1 知力 10
操舵12 補正レベル2 俊敏性 20

・加工技能 補正値パッシブ(加
裁縫10 補正レベル2 知力 20
鍛治10 補正レベル2 筋力 20
錬金10 補正レベル2 知力 20

ふふふふ、大成功だ!

俺の狙いはこうだ。
盾を装備する事で盾レベルを上げる。
杖を使う事で杖レベルを上げる。

ここまでは普通だ。
ここから杖を魔力で強引に槍に変える。
更に刃を属性で纏う事で属性レベルを、そして魔力を流し込んで攻撃する『魔装術』を使う事で一気にレベルを上げる事にした。
結果はどうだ。
杖、盾、槍、火属性、『魔装術』
5つのスキルレベルを上げる事に成功した。

・「ふふふ、堪らないぜ。」

おっと忘れてはいけない『魔法石粉塵爆弾』も大成功だ、これで戦略もグッと広がるね。

・マルチ
「何が何だかわからない。
とりあえず流石はライオット。」

・ミミ
「ライオットの戦う所初めて見たけど強いんだね。ライオットなら本当にママの試練を超えれるかもしれない。ママ、やっと見つけたかも。」

そんな事を言われているのに気付かない、俺はステータスを確認して幸せに浸っていたがやっと意識が現実に戻ってくる。

・「すみませんでした。実験は大成功でしたので私のやりたい事はこれで終わります。後はレベル上げをしますので敵を見かけたら殲滅といきましょう。」

・ミミ&マルチ
「おぉー!」

さてと、マップオープン。
そう言えば、、、

「このダンジョンなんですけど、この階だけなのかは知りませんが一部屋に3匹固定ですね。なので進行方向から見て左側をミミさんが、右側を俺が、マルチは俺の指示でどちらかに居るもう1匹を倒す形で行きましょう。一人一倒でお願いします、そうすれば止まらずに進めると思いますので。落ちた魔法石はマルチが水魔法か何かで回収して頂戴な、面倒だったり無理そうなら無視してOK。レベルメインでドンドン行きたいと思います。」

・ミミ
「オッケー!わかりやすくて良いね。」

・マルチ
「ライオットの指示に従う。」

・「んじゃまずはやってみましょう。
作戦も改善点が有ればドンドン教えてね。」

そして3人は走り出す。
ライオットはマップを見ながら的確に指示を出す

・「次、右側2、内側狙撃。」

・マルチ
「了解!」

最初は少しだけぎこちない動きもあったが、指示が単純で簡単な為か2部屋目にはタイムロスなく掛ける抜けることが出来た。

・「良い感じですね、このまま少しずつスピードを上げて行きます。」

そして加速しながら部屋を殲滅していく。
敵にしたら気付いた時には既に倒されている。
何が起きたか判らないだろう、、、

とにかく突き進んで行った。

1箇所だけ気になる点を見つけたライオット。
進みながらもどうするか少し悩んでいた。
そして体感で1時間程走り抜いて止まる。

・「ふぅ~、結構やりましたね。ダンジョンのレベル上げって凄く効率がいい、倒した敵が一周して戻ってくると生き返っているんだもの。リポップってヤツですかね。」

・ミミ
「魔物は基本的に魔力がある場所では倒してもその内復活するみたい、ダンジョンだとその早さが外よりも早い。しかしこんなにもスムーズに沢山の魔物を倒したのは初めてだったから楽しかった。」  

・マルチ
「ライオットと出会うまではレベル1だったのに、貴方と出会って数日でもうこんなレベルになった、本当にライオットは凄いよ。」

・「楽しかったね、出来ればもう少しやりたい所だけどちょっと気になる事があってさ。勝手に動くのもアレだし、セリスに許可を取ってから調べようかと思ってるんだ。」

・ミミ
「気になる事?なんだろう?」

・「とりあえず野営地に戻ろうか。」

・マルチ
「うん」

3人は野営地に向かう。
レベル上げを切り上げた場所を野営地の近場にしておいたのですぐにたどり着く、その頃には既にテントもあり食事の用意も始まっていた。
しおりを挟む

処理中です...