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逮捕?いえ同行です

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無事にリーシュを取り戻す事に成功した。
とは言え心配なので毎日魔力の流れをチェックする事にしている。
実はあれから数日経っているがまだ洞窟に居ます。
残りの兵士さん達も元に戻しているのです。

集中力の関係上、一日に2~3人が限界。
一日休みを挟んで治療する。
そんな流れでやっているので結構長い事掛かるのです。
2週間ちょい掛けてみんなを元に戻す事に成功。

計算より時間が掛かってますが。
実は途中で体調を崩したりしてました。
その時はリーシュが付きっきりで看病してくれましたが、マルチとセリスも同じ様に心配してくれたのが嬉しかったです。

隣で誰が寝るのか決める時は少し怖かった。

何とか全ての兵士さんが人の姿を取り戻しました。
最初に復活したリーシュの魔力も異常なし。
これで安心して国に帰れるね。

あれから皆と仲良くなりました。
中でも追撃部隊の隊長をやっていたイージスさんとは意気投合、今ではとっても仲良しです。

・イージス
「今回の事はしっかりと上に報告しておくよ、ライオットには国から恩賞を出す様にお願いしておく。」

そんな申し出は却下!
俺は静かに暮らしたい、、、
とは言っても魔物化は報告しなければいけない。
悩んだ末に謎の人物が治したと言う事にした。
面倒事はお断りなので。

イージスとリーシュが同じ報告すれば何とかなるだろう、他の兵士さんたちにも黙っておくようにお願いしておこう。
まぁ、国王にはバレるだろうなぁ~。

マップで確認するとカイジュ監獄に人は少ない。
恐らくセンシオもいないだろう。
ぶっ飛ばしたかったのに、、、
とても残念です。

仕方ないのでオルドラ王国に戻る事します。
帰りは皆と歩調を合わせてゆっくりと帰ろう。

でも何か忘れてる気もするな。
まぁたいした事ではないだろう。

兵士の荷物は取り上げられてる。
そのため野営道具は無い。
俺達も最小限しか持ってきてないから困った。

だけど、流石は兵士さんたちだね。
野宿も訓練してたのかな?
無いものは現地調達。
俺が作れるものは作成。
適切な野営地選出と魔物を狩って食料とする。
更には保存食迄作り上げる手際の良さ。

兵士達は立派なテントや料理を完成させた。
そんな姿に惚れ惚れするよ。

こうして、何の苦労もなく1週間で帰国する。
馬車や荷物が無い分早く帰れた。
それに兵士さんたちは出来るだけ走ってたしね。
イージス曰く『早く報告せねばならん』との事。

みんな頑張ってました。
勿論俺達も走ってたよ。
相変わらず俺が一番遅かったけどね。
何だかみんなに迷惑かけてた気がする。

ライオット レベル28 手持金 10万c
筋力 155 補正値 70  計 225 
知力 225 補正値 310 計 535
敏捷性160 補正値 60  計 220

スキル
チートマップ・精神自動回復・順応力

魔法
風属性 57 水属性 41 炎属性38
癒しの鼓動

技能(補正値は装備時のみ発動)
剣術 22 補正LV4 筋力8 敏捷性8
杖術 20 補正LV4 知力20
盾術 21 補正LV4 筋力20
槍術 20 補正LV4 筋力12 知力4
体術 20 補正LV4 筋力10 敏捷性12
射撃 31 補正LV6 筋力12 敏捷性12

特殊技能(補正値は常時発動)
採取 31 補正LV6 筋力30 知力30
採掘 11 補正LV2 筋力10 敏捷性10
魔装 54 補正LV9 知力90
操舵 27 補正LV5 敏捷性50

加工技能(補正値は常時発動)
裁縫 42 補正LV8 知力80
鍛冶 19 補正LV3 筋力30
錬金 24 補正LV4 知力40
魔生 38 補正LV7 知力70


俺はまだまだお荷物レベルなのです。
帰ったらレベル上げしたいなぁ~。

帰国後、兵士さんと離れて俺は屋敷に戻る。
久しぶりの我が家やでぇ~。

屋敷の前には数人の衛兵っぽいが居た。
何だろう?何かあったのかな?
俺は挨拶して屋敷に入ろうとした。

そして、、、逮捕された。
何か悪いことしたかしら?

マルチがブチ切れたけど何とか説得。
俺は大人しく連行される事にしたのだ。
俺が抵抗したら死人が出かねない、、、

そう感じたからさ、、、

連行時にマルチが「私も行く」と駄々をこねた時は困った。どうしたものかと悩んでいた時に屋敷のメイドさんやガンダル、更にはラスクさんにギルドが休みだったミミさんも現れた。
ヤバいかなと思ってたんだ。
でもミミさんのお陰で何とか丸く収まった。

最初は強気だった兵士さんだが、ミミさんが名乗った事で状況は一変。そんなミミさんの一声でマルチの同行も認められたのだ。

てな訳で連行ではなく同行で城に行く。
しかし、ミミさんの名前を知ってからの兵士さんたちの慌てる姿が尋常ではなかった。

ミミさん『ミミ・フライヤ』って名前なんだね。
ひょっとしたら凄い家系の人だったりして。
前に聞いたっけ?
ん~、忘れちった。
まあいいか。

あぁ、せめてお風呂に入りたかった、、、

城に行くのは俺とマルチ、そしてミミさんだ。
兵士さんたちはすっごいビクビクしている。
ミミさんって、怖い人だったのか?
優しくて天然な可愛い人なんだけどね。

屋敷を離れる時ガンダルがギルドに行くと言っていた。
何だかもう少し荒れそうな予感がする。
何も悪い事してないと思うから大丈夫だよ?

、、、、多分。

そんなこんなでお城に到着。
どこかのお部屋に通された。

・兵士
「申し訳ありませんがここでお待ちください、予定とは違いましたので報告し指示を仰いできます。」

連行から同行に変わったからね。
ゆっくりでいいよっと伝えておいた。

・マルチ
「一体どういう事?
私が城ごと吹き飛ばそうか?」

マルチが恐ろしい事を言っている。

・ミミ
「ライオットが何したって言うの?
国王を殴ってでも問い詰めなきゃ。」

ミミさんがとんでもない事を言ってる。
出来るだけ穏便に済ませたいのだが、、、

暫く待っていると誰かが怒鳴り込んできた。

・???
「無事か!ライオット。」

セリスだった。
急いで来たんだろうね。
多分だけど、、、
服の後ろと前が逆ですよ?
これは教えとくべきかな?

・セリス
「大丈夫だ、お前は私が守る。」

頼もしい限りです。
でも服の後ろと前が逆です。

すると今度は懐かしい顔が入って来た。

・ニュート
「ライ兄、居る?」

懐かしい~ニュートじゃん。

・クラス
「お久しぶりです、先生。」

クラスさんも居る。
てか先生とか言うの辞めて。

・???
「ほう、この男がお主の恩人か。」

謎の男も入って来た。
誰だこの人、凄まじいイケメンだなおい。
俺の顔を見るなり自己紹介するイケメン。

・???
「これは失礼した。
われ、、、私の名はベルガル。
カーティス家の使用人にしてクラス様の盾。
以後お見知りおきを。」

スマートな挨拶が似合うじゃないかこの野郎。
いかんいかん、イケメンを見るとつい。

・ベルガル
「ふむ、能力的には随分弱そうに感じるな。」

ベルガルさんと言うのか。
イケメンさんは俺をそう判断らしい。
、、、、、正解です。

・マルチ
「何か文句ある?」

・セリス
「誰だテメェ?」

・ミミ
「すりつぶすよ?」

お三方が速攻でベルガルに絡む。
めちゃめちゃ怖いっす、、、

・ベルガル
「いや、すまない。
悪気はないんだ。
気を害したのなら謝る。」

物分かりの良いイケメンさんでした。

・「俺は平気ですよ。
実際、この中で一番弱いでしょうし。
しかしニュートは強くなったな。
クラスさんも相当努力したでしょ?」

俺は自分が弱いという事を肯定した。
この中の誰一人勝てる気がしないしね。

・クラス
「解るのですか?
私は強くなれてるのでしょうか?」

クラスが俺に聞いて来た。

・「解るさ、その魔力の流れを見ればね。
魔力の流れはまさに清流。
淀みも無く綺麗に流れてるね。
しかし魔力量は激流。
凄まじい量を感じるよ。
なんて言うかな。
魔力の質?密度が凄いね。
毎日しっかり練習している証拠だ。
魔力操作ならニュートを上回ってると思う。
戦闘中になると話は別だけどね。」

・ベルガル
「ほう、、、」

俺の言葉にベルガルが感心する。
クラスさんはとても嬉しそうだ。

・「ニュートは、、、そうだな。
戦うとき魔力を纏ってるだろ?
それに魔石を何かに利用してる?
現在も薄く展開してるな。
少量の魔石の粉。
そして無属性の魔力の幕。
常に魔力操作を意識しているのが解る。
もう二人には敵わないかもなぁ~。」

少し遠くを見る。
何だか少し切ない。

・ベルガル
「凄まじい観察眼であるな。」

感心するベルガル。
後はこのイケメンさんだが、、、

・「それに貴方は魔族ですね?」

ピタッと止まるベルガル。

・ベルガル
「何故、、そう思われる?
貴方も『気』で解るのか?」

ミミが『気』と言う単語で反応する。

・ミミ
「お前、、、、魔族なのか?」

ミミが注意深くベルガルを観察する。
『気』の流れを読んだのだろう

・ミミ
「間違いない、お前魔族だな。」

部屋の中がピリつく。
穏便に行きましょうよ。

・ニュート
「違うんだミミさん。
ベルガルは魔族だけど味方なんだ。
だから、、、えっと。」

ニュートの言葉が続かない。
俺は何となく理解した。

・「俺は何があったかは知らない。
だがその様子だとニュートの友達だろ?
だったら気にすることは無いさ。
俺の名はライオット。
ただの冒険者です。
宜しくお願いしますね。」

ベルガルに軽く挨拶しておいた。
しかし魔族の友達を持つとは、、、
ニュートは想像以上に大物かもね。
どんどん離されて行く気がします。

・ベルガル
「ニュートから聞いていたが、、、
ライオット殿は不思議な人物だ。
何と言うか、人を引き付ける。
まるで魔王様のようだな。」

魔王とか辞めて貰えます?
でも褒めて貰えてるんだよね?
素直に喜んで置こう。

・セリス
「本当に魔族なのか、、、
まぁライオットが言うなら大丈夫なのだろう。
暴れたりするなよ?」

・ベルガル
「解っている。」

話の分かる魔族さんだ。

・「んで、何か用があるんだろう?
何かあったか?」

俺はニュートに問い掛けた。
ただ逢いに来たって訳ではないだろう?
それとも新しい友達を紹介しに来たのかな?

・ニュート
「そうだった。
あのね、、、」

何か言いにくそうだな。
悪い事でもしちゃったのかな?
俺で良ければ力になってやるか。

・ニュート
「ライ兄、ごめんなさい。」

突然謝られた、、、
一体何があった?
思わず身構えてしまった。
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