私の元婚約者は、新しく婚約した妹の酷さを知らなかった

天宮有

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第四話

 私はレイン様の屋敷に呼び出され、婚約を受けていた。

 ジェード様と違ってレイン様が優しいことを、私は昔から知っている。
 私の魔法の力が凄くて、レイン様とはよく魔法に関する話をしていた。

 ジェード様の婚約者になってからは、レイン様の方から関わらなくなっている。
 私を気遣っての行動だと思うし、仕方ないことだと思っていた。

 レイン様は私のことを今でも気にしていて、ジェード様が婚約破棄したと知って行動に出ていた。
 私を気遣いながら婚約破棄にショックを受けていないか確認して、婚約してくれている。

 レイン様の家族としては、侯爵令嬢の私が婚約者になるのなら大丈夫らしい。
 私の家族もジェード様に婚約破棄を言い渡された悪評があるから、レイン様が婚約してくれるのなら受け入れてくれるでしょう。

 妹クーナスは文句を言いそうだけど、それで何かが変わることはない。
 問題なく婚約者になれそうだと考えると、レインが呟く。

「クーナス様がジェード様の新たな婚約者とは……同情してしまうな」

 呆れた様子なのは、私の魔力力の方が遙かに凄いことを知っているからだ。

「クーナスの魔法力は、一応平均より少し上ですけどね」

「平均より少し上程度だ。アイリス様とは天地の差がある」

 過大評価ではなく、本当にそれほどまでに力がある。
 その気になればレイン様と同様に立場が上の人より偉くなれたけど、私は目立ちたくなかった。

 ジェード様と婚約者になったから、私は婚約者を支えることにしていた。
 そしてジェード様は優秀な貴族になったけど、私がいないのに評判を維持することはできないはず。

 ジェード様は私より妹のクーナスの方が凄いと考えていて、頼りにするのは間違いない。
 魔法力を分析していたレイン様には聞きたいことができたから、聞いておこう。

「ジェード様の魔法力は、どれほどだと考えていますか?」

「……なんだ? アイリス様はジェード様が気になるのか?」

 少し不機嫌になったレイン様に、私は思わず微笑みを浮かべながら尋ねる。

「もしかして、嫉妬していますか?」

「嫉妬していたが、嬉しそうな君の声を聞いてようやく安心できた……ジェード様の魔法力は平均以下で、アイリスのお陰で優秀だと今まで認識されていた……もうそろそろ追い詰められるだろう」
 
 どうでもよさそうに教えてくれたけど、ジェード様の力は確かにその程度だ。

「私もそう思いますけど、もう私には関係ないことです」
 
 その後、レイン様の発言通り……これからジェード様と妹クーナスは、窮地に立たされていく。

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