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第1話
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「ギレナの方が優秀だから、お前との婚約を破棄する!」
「マイア様は魔法学園の成績が私より悪いので、今後のことを考えればデュラド様が婚約者を私に変えるのは当然のことでしょう」
伯爵令嬢の私マイア・ラミロストは、侯爵令息で婚約者のデュラドから婚約破棄を言い渡されてしまう。
屋敷に呼び出され、応接室に到着してすぐの出来事だった。
デュラドの隣にはクラスが同じ子爵令嬢のギレナがいて、今までの学園生活を思い返す。
魔法学園では私よりもデュラドはギレナと話していたから……デュラドが、ギレナのことを好きなのは知っていた。
そして成績を理由に、デュラドは婚約者を私からギレナに変えたいようだ。
婚約破棄になることは嬉しいけど、私が原因にされることだけは嫌で尋ねる。
「婚約解消を、デュラド様のお父様は納得しているのですか?」
「当然だ。お前の兄ジロアが優秀だから父が婚約するよう言ったが、お前の成績の悪さから納得してくれた」
「私の成績が悪いのは、デュラド様が無茶な命令ばかりするからです」
まだ婚約者の立場だから、最後に私は言っておく。
ジロアお兄様が優秀だからって兄と同じ魔法をデュラドが私に覚えさせようとして、そのせいで他の魔法を覚える時間がなくなってしまう。
そして相性が悪いと説明したのに学ばせた結果、ジロアお兄様の魔法を私が扱うことはできなかった。
私の成績がギレナより悪いのは、間違いなくデュラドのせいだ。
そのことを話すと、ギレナが私を睨んで叫ぶ。
「デュラド様のせいにするなんて信じられないわ! マイア様が努力しなかっただけじゃない!」
「ギレナの言う通りだ。俺のせいと言うのなら、婚約破棄した後のマイアは成績がよくなるだろう」
そう言ってデュラドとギレナが笑う辺り、これから私の成績がよくなると考えていないようだ。
浮気されていたことは知っていたから冷静で、今後はデュラドに無茶な命令を出されなくなる。
そう考えると私としては嬉しくて――これから、幸せになるため行動したい。
そんなことを考えてしまうと、デュラドが私に命令する。
「マイアは今すぐ戻り、婚約を破棄するとラミロスト伯爵家の領主に報告しろ。その時にジロアの奴が暴走してくれれば、慰謝料を払わずに済みそうだ」
「報告はします……さようなら」
家族は私を溺愛しているから……今日の出来事を報告すると、ジロアお兄様は本当にデュラドの元へ向かうはず。
相手が侯爵家の令息でも私のためならお兄様は行動しそうだから、報告するタイミングが重要となりそうだ。
私は屋敷から出て行き、馬車の中で今後のことを考えていた。
これから幸せになるため行動すると決意して――その後、デュラド達は後悔することになる。
「マイア様は魔法学園の成績が私より悪いので、今後のことを考えればデュラド様が婚約者を私に変えるのは当然のことでしょう」
伯爵令嬢の私マイア・ラミロストは、侯爵令息で婚約者のデュラドから婚約破棄を言い渡されてしまう。
屋敷に呼び出され、応接室に到着してすぐの出来事だった。
デュラドの隣にはクラスが同じ子爵令嬢のギレナがいて、今までの学園生活を思い返す。
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「婚約解消を、デュラド様のお父様は納得しているのですか?」
「当然だ。お前の兄ジロアが優秀だから父が婚約するよう言ったが、お前の成績の悪さから納得してくれた」
「私の成績が悪いのは、デュラド様が無茶な命令ばかりするからです」
まだ婚約者の立場だから、最後に私は言っておく。
ジロアお兄様が優秀だからって兄と同じ魔法をデュラドが私に覚えさせようとして、そのせいで他の魔法を覚える時間がなくなってしまう。
そして相性が悪いと説明したのに学ばせた結果、ジロアお兄様の魔法を私が扱うことはできなかった。
私の成績がギレナより悪いのは、間違いなくデュラドのせいだ。
そのことを話すと、ギレナが私を睨んで叫ぶ。
「デュラド様のせいにするなんて信じられないわ! マイア様が努力しなかっただけじゃない!」
「ギレナの言う通りだ。俺のせいと言うのなら、婚約破棄した後のマイアは成績がよくなるだろう」
そう言ってデュラドとギレナが笑う辺り、これから私の成績がよくなると考えていないようだ。
浮気されていたことは知っていたから冷静で、今後はデュラドに無茶な命令を出されなくなる。
そう考えると私としては嬉しくて――これから、幸せになるため行動したい。
そんなことを考えてしまうと、デュラドが私に命令する。
「マイアは今すぐ戻り、婚約を破棄するとラミロスト伯爵家の領主に報告しろ。その時にジロアの奴が暴走してくれれば、慰謝料を払わずに済みそうだ」
「報告はします……さようなら」
家族は私を溺愛しているから……今日の出来事を報告すると、ジロアお兄様は本当にデュラドの元へ向かうはず。
相手が侯爵家の令息でも私のためならお兄様は行動しそうだから、報告するタイミングが重要となりそうだ。
私は屋敷から出て行き、馬車の中で今後のことを考えていた。
これから幸せになるため行動すると決意して――その後、デュラド達は後悔することになる。
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