婚約者を奪われたのでこれから幸せになります

第１０話

デュラド視点

　ギレナが魔法学園を停学となってから、数日が経っている。
　俺はギレナのいる屋敷に向かい、授業内容を話していた。

　この時点で俺は、ギレナと婚約したことを後悔していた。
　そして――部屋で俺は、ギレナの発言に驚くこととなる。

「私はマイアを許せません。魔力を向上する魔法道具を使い、今度こそマイアを排除してみせます！」
「なっ……ギレナは何を言っている！？」

　どうやらギレナは、停学中に魔法道具店へ行き魔力が向上する魔法道具を購入したらしい。
　高価ですぐに壊れてしまうのに、その魔法道具を使いマイアを攻撃するようだ。

「マイアの傍には兄のジロアがいます。確実に葬るなら、学園の授業中がいいでしょう」
「そんなことをすれば、ギレナはまた処罰されるぞ！」
「授業中の事故にしてみせます！　それなら問題ありません！！」

　どうやら一度処罰されたから、反省しているふりをしてマイアを魔法で攻撃するようだ。
　失敗すれば退学になるだろうし、婚約者の俺の評判も更に落ちる。
　それだけは避けたいが、今のギレナを止めることは無理だと確信していた。

「そうか……停学を終えたら、ギレナはマイアを攻撃すればいい」
「はい！　私の方がマイアより優れていると証明してみせます！」

　やる気に満ちているギレナは、何を言っても考えを変えるとは思えない。
　学園で魔法を使い攻撃したギレナだから、マイアを再び攻撃するだろう。

　ギレナを切り捨てて、マイアの婚約者に戻るしかない。
　その後に婚約者を守るためギレナを止めれば、俺の評判が上がるはずだ。