婚約者を奪われたのでこれから幸せになります

第１３話

　ギレナは停学処分を受けた時、次に問題を起こせば退学になると警告を受けていた。

　それなのに私を攻撃しようと目論み、魔法道具の入手経緯からデュラドが協力したことが明らかになる。
　私がグリンと婚約したと知って、デュラドはギレナに協力したくなったようだ。

　魔法を扱う授業でも、人に向かっての魔法使用は禁止されている。
　私に向けて魔法を使い攻撃したギレナと協力したデュラドは、魔法学園を退学となっていた。
　私は屋敷の応接室で、ジロアお兄様と一緒にグリンから報告を聞く。

　デュラドとギレナは家族から勘当を言い渡されて、平民として生きていこうとしたらしい。
　今までの生活と全然違い、精神的に追い詰められて魔法で争い相打ちとなったようだ。

　デュラドとギレナの末路を聞いたけど、自業自得でしかない。
　話を聞いて、私とジロアお兄様はお礼を伝える。

「グリン様がいなければ、私はどうなっていたかわかりません。ありがとうございます」
「俺が守ろうとしたはずだが、グリンがいてくれたから心配する必要がなかった。ありがとう」
「私は婚約者のために、できることをしただけだ。これからは何も気にすることなく一緒にいられるだろう」
「そうですね。これからもグリン様と一緒にいられることが嬉しいです」

　グリンの発言を聞き、私は頷く。
　全てが解決して――不安が消えた私は、グリンと幸せな日々を過ごせていた。