結婚してすぐ義姉から夫の浮気を聞きました

天宮有

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第7話

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ラウド視点

 屋敷に向かう馬車の中で、俺は現状を思案する。
 キャシーと結婚したが、それが嫌で元婚約者クノレナの屋敷に5日間も泊まっていたからだ。

「……キャシーは親が決めた結婚だ。俺はクノレナを好きで、キャシーが邪魔なんだ」

 そう呟き、クノレナと結婚したばかりの頃を俺は思い出す。
 クノレナも親が決めた婚約だが、はじめて婚約が決まった俺は喜んでいた。

 男爵令嬢のクノレラと親しくなり、屋敷に招待した時に魔法道具を盗んでしまう。
 それにより婚約破棄されてしまったが、俺はクノレナと結婚したかった。

「これからキャシーには問題を起こしてもらい、離婚するとしよう」

 結婚初日から屋敷を出たのだから、愛されていないと理解しただろう。
 おかしくなって問題を起こしてくれれば、それを理由に別れることもできそうだ。

 キャシーの性格から、公爵家の屋敷で問題を起こすとは思えない。
 それでもクノレナと相談して、排除するための計画を立てていた。

「ミリカは騒ぎそうだが、キャシーとは会わせなかったから問題を起こせば排除するため協力してくれるだろう」

 結婚したばかりなのにキャシーよりクノレナを優先したことは、ミリカには知られているだろう。
 それでもキャシーのことを何も知らないから、俺が嘘の悪評を話せば信じるはずだ。

 キャシーには問題を起こさせて、クノレナと結婚してみせる。
 俺はそう決意して、馬車が屋敷に到着した。

■◇■◇■◇■◇■

「おかえりなさいませラウド様。そう言えるのも今日で最後かもしれません」

 馬車が到着して、出迎えのメイドにそんなことを言われて俺は動揺するしかない。
 目の前のメイドが長い間働いていことは知っているが、辞めてしまうのだろうか?

「そうか。残念だな……どうして辞めるんだ?」

「そうなりますか。ラウド様はこの数日で何が起きたのか一切知らないようですね」

「キャシーがなにか問題を起こしたのか!」

 結婚初日から夫が行方不明となり、キャシーが取り乱したのかもしれない。
 それを理由に離婚できるのではないかと期待すると、メイドは呆れた様子で話す。

「……問題を起こしたのはラウド様です。私はラウド様側ではないので、辞めることはないでしょう」

「どういうことだ?」

 話していると、他の執事やメイドがやって来る。
 俺が結婚初日から屋敷を出て行ったと知っている者達だけが来たようで、言いたいことがありそうだ。

「どういうことだって、全てラウド様のせいですよ!」

「私達首が飛びかけたんですよ!? 辞めるとかではなく剣で! 本当に首が!!」

「あの場で嘘をつけば、ミリカ様は本気で行動していたかもしれません……そんな凄みがあり、冷静だったキャシー様も恐ろしかったです」

 どうやら問題を起こしたのは、キャシーではなく妹ミリカのようだ。

 剣で使用人を脅したようで、俺がクノレナの屋敷に行ったことを話したらしい。
 クノレナの屋敷に行ったことを話すのは予想していたが、剣で脅すとは思っていなかった。
 
「ミリカのせいで大変だったな。キャシーはどうなった?」

「ミリカ様と仲良くなり、冒険者として活躍しています」

「……なんだと?」

 執事の発言を聞き、俺は唖然としていた。

 どうやらミリカが何かしたようだが、キャシーとは結婚式まで会わせていない。
 クノレナと結婚するつもりでいたから、家族と仲よくなってもらうと困るからだ。

 ミリカとキャシーは、出会ってから1週間も経っていない。
 それなのに2人は仲良くなっていることが、俺には理解できなかった。
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