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第16話
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ゼロア様が部屋を出て――私は部屋で一人、ゼロア様との会話を思い返していた。
顔が赤くなっているのは間違いない。
これは全て、私の口から咄嗟に出た発言が原因だ。
「ゼロア様の婚約者でいたいって思わず言っちゃったけど、ゼロア様の反応的に……」
発言の後ゼロア様が顔を赤くして頷いたことで、私はほぼ告白に近いことを言ったと自覚した。
ゼロア様は今まで私が婚約破棄を受けたから傷ついていると想ってくれて、婚約者でなく客人として接すると言ってくれている。
それなのに私が婚約者だと言ったのなら――婚約者の方がいいと、言っているようなものかもしれない。
「ゼロア様はすぐに部屋を出てしまったけど……それはまだ、婚約者になって日が浅いからでしょう」
あの後冷静になったゼロア様は、私が勘当してきたホトルクス家に戻りたくないだけだと思ったかもしれない。
もっと積極的に――いいえ、それはプラントモンスターの問題を解決してからにしよう。
「ゼロア様はプラントモンスターに悩んでいるのだから……それを私達の手で解決することを優先しましょう!」
異性としてゼロア様に意識されるよう頑張るのは、問題を解決してからでいい。
そう考えた私は更にやる気に満ちて、覚えている魔法でどう行動するべきかを考える。
この時――元家族のホトルクス伯爵家が後悔していることなんて、私は一切考えていなかった。
顔が赤くなっているのは間違いない。
これは全て、私の口から咄嗟に出た発言が原因だ。
「ゼロア様の婚約者でいたいって思わず言っちゃったけど、ゼロア様の反応的に……」
発言の後ゼロア様が顔を赤くして頷いたことで、私はほぼ告白に近いことを言ったと自覚した。
ゼロア様は今まで私が婚約破棄を受けたから傷ついていると想ってくれて、婚約者でなく客人として接すると言ってくれている。
それなのに私が婚約者だと言ったのなら――婚約者の方がいいと、言っているようなものかもしれない。
「ゼロア様はすぐに部屋を出てしまったけど……それはまだ、婚約者になって日が浅いからでしょう」
あの後冷静になったゼロア様は、私が勘当してきたホトルクス家に戻りたくないだけだと思ったかもしれない。
もっと積極的に――いいえ、それはプラントモンスターの問題を解決してからにしよう。
「ゼロア様はプラントモンスターに悩んでいるのだから……それを私達の手で解決することを優先しましょう!」
異性としてゼロア様に意識されるよう頑張るのは、問題を解決してからでいい。
そう考えた私は更にやる気に満ちて、覚えている魔法でどう行動するべきかを考える。
この時――元家族のホトルクス伯爵家が後悔していることなんて、私は一切考えていなかった。
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