上 下
37 / 58

第37話

しおりを挟む
 あれから1ヵ月――ファールア領に来て、3カ月が経過していた。
 私はプラントモンスターの核を調べて、ゼロア様とワンドは魔法道具の出所を調査してくれている。

 様々な魔法を覚えていたから、異常事態の理由を突き止める魔法も覚えている。
 核があまり傷ついていないから魔法で解析できて……これが、魔法道具の類いで人為的に生み出されたモンスターだと知る。

 確信が持てた私は、ゼロア様と執事ワンドに話そうとしていた。
 2人も話があるようで……ワンドの発言に、私は驚くこととなる。

「調べてみましたが……ジャカル家には、謎の施設が幾つかありました」

「謎の施設ですか?」

「はい……極一部の者しか知らない機密のようですけど、場所はわかっています」

 もしモンスターを人為的に作っている施設なら、誰にも教えたくないに決まっている。

 1ヵ月調査をすることで、ゼロア様とワンドは怪しそうな場所の目星はつけたらしい。
 物資の移動とかで気になっていた場所があるようで、ワンドが話す。

「これから私はジャカル領に潜入して……魔法研究を行っている施設がないか、調べてみます」

「わかった……あまり無理はしなくていいぞ」

「状況によります。ファールア領を滅ぼそうとした連中は、絶対に許せません」

 ゼロア様の発言を聞いて、ワンドは頷かず返答する。
 2人は元凶の可能性が高いジャカル家を憎み……私も、こんなことをする元凶が許せなかった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

伯爵令嬢は執事に狙われている

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,748pt お気に入り:452

腹黒上司が実は激甘だった件について。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,022pt お気に入り:139

お妃候補を辞退したら、初恋の相手に溺愛されました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:326pt お気に入り:5,448

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,627pt お気に入り:139

処理中です...