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第1話
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「俺はリルサを愛しているから、離婚してくれないか?」
「ギロドス様は正気ですか?」
私エリカは、夫ギドロスの発言に唖然としながら尋ねる。
部屋に呼び出されたと思えば、夫ギドロスの隣には女性がいた。
彼女は公爵令嬢のリルサで、年齢は私達より5歳も年下の16歳だ。
夫の発言に困惑していると、リルサが前に出て私に言う。
「冷静に話し合いましょう。エリカ様はギドロス様が悪いと思っていますけど、悪いのはエリカ様ですよ」
「リルサ様は穏やかそうな見た目なのに、挑発してくるとは思いませんでした」
「よく言われます。エリカ様に魅力がないから、ギドロス様は私を好きになったようですね」
いきなり魅力がないと言われたけど、本当に夫のギドロスがそんなことを言ったのだろうか?
楽しそうに話すリルサではなく、ギドロスに聞いた方がよさそうだ。
「ギロドス様は、本当にそんなことを思っているのですか?」
「そうだね。エリカに魅力がないからこうなっていると思うよ」
「……魔法で操られているとかでは、なさそうですね」
発言が気になって鑑定魔法を使うけど、ギドロスの体に異常は見られない。
リルサは魔法学園で優秀な生徒と知っていたから、私は警戒してしまった。
そんな私を眺めて、リルサがため息を吐きながら言う。
「エリカ様は鑑定魔法を使いましたね。夫を疑う辺りが魅力ないんですよ」
「浮気されたのなら疑うのが当然でしょう。見抜く辺り、リルサ様は評判通り優秀な魔法使いのようですね」
「なにを言っているのかよくわからないが、リルサを責めるのはやめてくれ」
険悪な雰囲気は察したのか、ギドロスが私に注意する。
リルサに何を言っても無意味な気がするから、ギドロスを追求した方がよさそうだ。
「全てギドロス様が悪いでしょう。家族は納得しているのですか?」
「ああ。魔法戦士で前線で戦うエリカより、安全な後方支援のリルサの方が妻に相応しいと言ってたよ」
「私も侮られたものですね……同じ魔法戦士で並べるから、私と結婚したいと言ったのはあなたでしょう」
「そこで、エリカには俺の愛人となって欲しい」
「やはりギドロス様は、正気ではなかったようですね」
どうやら私の発言を聞き、未練があると思い込んでいる様子だ。
完全にギドロスの勘違いで、私は愛人になる気は一切ない。
それなのに、ギドロスの発言を聞いたリルサが賛同してくる。
「それがいいですね、離婚したエリカ様は婚期を逃しますよ」
「さっきから思っていたけど、リルサ様は一言余計なことが多いわね」
「普段はこんな感じじゃないが、俺の妻である君を敵視しているせいかもしれないな」
私の発言を聞き、ギドロスが説明する。
リルサの本性な気もするけど、もうリルサとは会話したくないから聞かないでおこう。
とにかく私は、ギドロスに本心を話す。
「私はギドロス様の愛人になるつもりはありません」
「……えっ? どういうことだい?」
「こうなると、離婚するしかないでしょう」
「そんな!? 俺の元から離れるというのか!?」
「当前でしょう。何を言っているのですか?」
ギドロスが慌てている辺り、私が愛人になることを受け入れると想定していたのかもしれない。
取り乱しているけど、そんな姿を見ても私の考えが変わることはなかった。
離婚は構わないけど、原因が私のせいと言われたことが許せない。
「私を捨てるつもりなら後悔してもらいます」
そう宣言して、私は離婚を受け入れようとしていた。
「ギロドス様は正気ですか?」
私エリカは、夫ギドロスの発言に唖然としながら尋ねる。
部屋に呼び出されたと思えば、夫ギドロスの隣には女性がいた。
彼女は公爵令嬢のリルサで、年齢は私達より5歳も年下の16歳だ。
夫の発言に困惑していると、リルサが前に出て私に言う。
「冷静に話し合いましょう。エリカ様はギドロス様が悪いと思っていますけど、悪いのはエリカ様ですよ」
「リルサ様は穏やかそうな見た目なのに、挑発してくるとは思いませんでした」
「よく言われます。エリカ様に魅力がないから、ギドロス様は私を好きになったようですね」
いきなり魅力がないと言われたけど、本当に夫のギドロスがそんなことを言ったのだろうか?
楽しそうに話すリルサではなく、ギドロスに聞いた方がよさそうだ。
「ギロドス様は、本当にそんなことを思っているのですか?」
「そうだね。エリカに魅力がないからこうなっていると思うよ」
「……魔法で操られているとかでは、なさそうですね」
発言が気になって鑑定魔法を使うけど、ギドロスの体に異常は見られない。
リルサは魔法学園で優秀な生徒と知っていたから、私は警戒してしまった。
そんな私を眺めて、リルサがため息を吐きながら言う。
「エリカ様は鑑定魔法を使いましたね。夫を疑う辺りが魅力ないんですよ」
「浮気されたのなら疑うのが当然でしょう。見抜く辺り、リルサ様は評判通り優秀な魔法使いのようですね」
「なにを言っているのかよくわからないが、リルサを責めるのはやめてくれ」
険悪な雰囲気は察したのか、ギドロスが私に注意する。
リルサに何を言っても無意味な気がするから、ギドロスを追求した方がよさそうだ。
「全てギドロス様が悪いでしょう。家族は納得しているのですか?」
「ああ。魔法戦士で前線で戦うエリカより、安全な後方支援のリルサの方が妻に相応しいと言ってたよ」
「私も侮られたものですね……同じ魔法戦士で並べるから、私と結婚したいと言ったのはあなたでしょう」
「そこで、エリカには俺の愛人となって欲しい」
「やはりギドロス様は、正気ではなかったようですね」
どうやら私の発言を聞き、未練があると思い込んでいる様子だ。
完全にギドロスの勘違いで、私は愛人になる気は一切ない。
それなのに、ギドロスの発言を聞いたリルサが賛同してくる。
「それがいいですね、離婚したエリカ様は婚期を逃しますよ」
「さっきから思っていたけど、リルサ様は一言余計なことが多いわね」
「普段はこんな感じじゃないが、俺の妻である君を敵視しているせいかもしれないな」
私の発言を聞き、ギドロスが説明する。
リルサの本性な気もするけど、もうリルサとは会話したくないから聞かないでおこう。
とにかく私は、ギドロスに本心を話す。
「私はギドロス様の愛人になるつもりはありません」
「……えっ? どういうことだい?」
「こうなると、離婚するしかないでしょう」
「そんな!? 俺の元から離れるというのか!?」
「当前でしょう。何を言っているのですか?」
ギドロスが慌てている辺り、私が愛人になることを受け入れると想定していたのかもしれない。
取り乱しているけど、そんな姿を見ても私の考えが変わることはなかった。
離婚は構わないけど、原因が私のせいと言われたことが許せない。
「私を捨てるつもりなら後悔してもらいます」
そう宣言して、私は離婚を受け入れようとしていた。
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