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第9話
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リック視点
話し合いを終えて――カルラは隣の部屋で、眠りについているはずだ。
俺は部屋にレアスを呼び、話しておきたいことがある。
別行動をしたことが俺は不満で、レアスに本心を伝える。
「レアス……シレッサ子爵領の調査は後回しにして、俺達に同行して欲しかった」
この数日間を思い返すと、俺は恥ずかしくなってしまう。
最初が肝心なのに、カルラのことを意識し動揺してしまう。
恥ずかしくてレアスに説明できないが、俺の発言で察するはずだ。
そしてレアスは、呆れた様子で話す。
「一緒にいたら、どうせリック様は緊張すると私に話を振っていたでしょう」
「それは、そうだが……おい、そこまで察していたから、お前は別行動をとったのか?」
「結果的に、その方がよかったのではありませんか?」
「うっっ……確かに、そうだ」
もしレアスが同行していた場合、どうなるか想像する。
俺は動揺して言葉に詰まってしまうより、レアスに話を振った方がいいと考えそうだ。
そうなればカルラに「リックはすぐ執事を頼っている人」と思われていたかもしれない。
意図を知り、俺はレアスにお礼を言う。
「レアスの判断が正しい。ありがとう」
「どういたしまして。私としても、これからカルラ様にリック様の反応を聞いて楽しめそうです」
「そ、そうか」
レアスの発言を聞いて、俺は思案する。
現状を一番楽しんでいるのは――もしかしたら、レアスかもしれない。
話し合いを終えて――カルラは隣の部屋で、眠りについているはずだ。
俺は部屋にレアスを呼び、話しておきたいことがある。
別行動をしたことが俺は不満で、レアスに本心を伝える。
「レアス……シレッサ子爵領の調査は後回しにして、俺達に同行して欲しかった」
この数日間を思い返すと、俺は恥ずかしくなってしまう。
最初が肝心なのに、カルラのことを意識し動揺してしまう。
恥ずかしくてレアスに説明できないが、俺の発言で察するはずだ。
そしてレアスは、呆れた様子で話す。
「一緒にいたら、どうせリック様は緊張すると私に話を振っていたでしょう」
「それは、そうだが……おい、そこまで察していたから、お前は別行動をとったのか?」
「結果的に、その方がよかったのではありませんか?」
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そうなればカルラに「リックはすぐ執事を頼っている人」と思われていたかもしれない。
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「レアスの判断が正しい。ありがとう」
「どういたしまして。私としても、これからカルラ様にリック様の反応を聞いて楽しめそうです」
「そ、そうか」
レアスの発言を聞いて、俺は思案する。
現状を一番楽しんでいるのは――もしかしたら、レアスかもしれない。
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