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第18話
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ザノーク視点
シレッサ子爵家の屋敷の一番広い部屋で、俺とシレッサ家の全員が集まっていた。
俺はカルラを眺めて、事前に決めていた通りに叫ぶ。
「カルラは非常識だから、俺はミーファを婚約者にする」
「ザノーク様……私を非常識と言いましたけど、詳しく話してくれませんか?」
「言われないとわからないか! 学園には不登校で常に遊んでいるお前より、常識のあるミーファを婚約者にしたいと考えるのは当然だろう!」
俺はシレッサ家の領主から、カルラは遊んでいると聞いていた。
カルラに詳しく話を聞くことはせず、領主の発言を俺は信じてしまう。
そしてカルラは、そんな俺に説明をしようとしていた。
「あの、学園に通っていない間、私はシレッサ領を――」
「――全てお姉様が悪いのに見苦しいです! お姉様はこれから、リック様の婚約者になってもらいます!」
「これからお前はアーバス侯爵家のカルラとなる。何か問題を起こしたとしても、私達シレッサ家には関係のないことだ」
俺はシレッサ家の領主とミーファから話を聞き、今日の行動を決めている。
これでカルラを捨てることができて、アーバス侯爵家から金を得ることができるようだ。
話を聞いて、カルラが話す。
「それなら出て行く前に、これからこの領地で発生しそうな問題を話して――」
「――もうカルラは無関係だ! 家のことに関わろうとするな!!」
シレッサ家の領主が叫び、カルラは何も言えなくなっている。
その後リックが来てからカルラが再び何か言おうとしたが、俺達は聞く気がない。
そして――これから俺達は、カルラの話を聞かなかったことを後悔することとなる。
シレッサ子爵家の屋敷の一番広い部屋で、俺とシレッサ家の全員が集まっていた。
俺はカルラを眺めて、事前に決めていた通りに叫ぶ。
「カルラは非常識だから、俺はミーファを婚約者にする」
「ザノーク様……私を非常識と言いましたけど、詳しく話してくれませんか?」
「言われないとわからないか! 学園には不登校で常に遊んでいるお前より、常識のあるミーファを婚約者にしたいと考えるのは当然だろう!」
俺はシレッサ家の領主から、カルラは遊んでいると聞いていた。
カルラに詳しく話を聞くことはせず、領主の発言を俺は信じてしまう。
そしてカルラは、そんな俺に説明をしようとしていた。
「あの、学園に通っていない間、私はシレッサ領を――」
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「――もうカルラは無関係だ! 家のことに関わろうとするな!!」
シレッサ家の領主が叫び、カルラは何も言えなくなっている。
その後リックが来てからカルラが再び何か言おうとしたが、俺達は聞く気がない。
そして――これから俺達は、カルラの話を聞かなかったことを後悔することとなる。
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