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第3話
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屋敷の居間で、私はカルロスが持って来てくれた紅茶を口にする。
部屋の中で暖かい気持ちになって、不安が腫れていく。
孤島なのに快適な暮らしができていることが気になると、カルロスが話してくれる。
「ここは誰も住んでいない島だったが、冒険者ギルドが俺に住むよう許可を出している。魔法道具もあるし快適だ」
「あの、カルロスは冒険者なのですか?」
「……なんだって?」
私が尋ねると、カルロスは唖然としている。
カルロスはかなり有名人のようで、私は協力を求めに来た聖女だと思われていた。
その誤解を解くために聞いてみると、カルロスが話す。
「20歳という若さで冒険者として有名人と聞いている俺を、君は知らないのか?」
「はい。私はアールド国の元聖女ミレッサです」
自己紹介をすると、カルロスは納得したように頷く。
「最近平和で有名なアールド国か。あそこは冒険者ギルドがないから、知らなくてもおかしくはないな」
「はい。冒険者ギルドに頼るほどの問題も起きていないみたいなので、国王が拒んでいるようです」
冒険者ギルドがある場所は平和だけど、問題も起きやすいとされている。
それが嫌で冒険者ギルドの設置を拒む国もあるらしく、アールド国がそうだった。
冒険者ギルドとしてもアールド国には凶暴な魔物や希少な魔物がいないから、関わる気はないようだ。
国として申請すれば設置することになるようだけど、アールド国は今まで拒んでいる。
そして、これからリノスが聖女になるのなら――冒険者ギルドのないアールド国はかなり危険だ。
「俺としては、聖女が助けを求めに来たとばかり考えていた……ミレッサほどの人が助けて欲しいのなら全力で取り組もうと決意していたが、何もないならそれでよかった」
カルロスは私が聖女だと見抜いただけではなく、力も把握しているようだ。
私も――不安が晴れて冷静になると、テーブル越しに座るカルロスの凄さがよくわかる。
いきなり現れた私を平然と屋敷に入れたのは、不用心とかではない。
私がどんな行動をとったとしても、余裕で対処するだけの力があるからだ。
「私はこうして、カルロスと出会えてよかったと思っています」
「何か事情があるみたいだな……話して楽になるのなら、話して欲しい」
カルロスは私を気遣ってくれて、心が暖かくなる。
私はカルロスに、現状を話そうとしていた。
■◇■◇■◇■◇■
私は数時間前の出来事、呪いを受けてこの島に転移したことをカルロスに説明する。
「国王は、前に呪いと転移魔法を使ったのは数十年前と言っていました」
「その罪人がこの島で生きられなかったから、アールド国は調査をしなかったのだろう」
「カルロスが来る前は、この島には何もなかったのですか?」
「森と川があるし、生きることはできると思うが……島から出られないのなら、生きることを諦めてしまうだろう」
私が質問すると、カルロスが思案して話を続ける。
「俺がこの島に住んだのは1年ぐらい前で、人は誰もいなかった」
「どうして、こんな島に暮らそうと考えたのですか?」
「こんな島だからだ……俺は優秀すぎて忙しくなり、冒険者ギルドが提案してくれた」
そう言ってから、カルロスが話してくれる。
カルロスは頼みごとを聞いてしまうようで、頼む人が多かったらしい。
それが多すぎて嫌になったカルロスに、冒険者ギルドが提案したようだ。
「俺がここに住んでいることを知っているのは冒険者ギルドの上層部だけで、緊急時は呼び出されることとなっている」
「この島は、アールド国のものだと思っていました」
「誰もいなかったし、冒険者ギルドから住む許可も得ている。アールド国の領地ではないはずだ」
「そうですね」
アールド国も今まで放置していて、冒険者ギルドが許可を出しているのなら問題なさそうだ。
そしてカルロスは、私を眺めて呟く。
「罪を捏造か……アールド国はこれから大変な目に合いそうだが、俺は助けようとは思わない」
私の話を聞いて――カルロスは、アールド国に対して怒っていた。
部屋の中で暖かい気持ちになって、不安が腫れていく。
孤島なのに快適な暮らしができていることが気になると、カルロスが話してくれる。
「ここは誰も住んでいない島だったが、冒険者ギルドが俺に住むよう許可を出している。魔法道具もあるし快適だ」
「あの、カルロスは冒険者なのですか?」
「……なんだって?」
私が尋ねると、カルロスは唖然としている。
カルロスはかなり有名人のようで、私は協力を求めに来た聖女だと思われていた。
その誤解を解くために聞いてみると、カルロスが話す。
「20歳という若さで冒険者として有名人と聞いている俺を、君は知らないのか?」
「はい。私はアールド国の元聖女ミレッサです」
自己紹介をすると、カルロスは納得したように頷く。
「最近平和で有名なアールド国か。あそこは冒険者ギルドがないから、知らなくてもおかしくはないな」
「はい。冒険者ギルドに頼るほどの問題も起きていないみたいなので、国王が拒んでいるようです」
冒険者ギルドがある場所は平和だけど、問題も起きやすいとされている。
それが嫌で冒険者ギルドの設置を拒む国もあるらしく、アールド国がそうだった。
冒険者ギルドとしてもアールド国には凶暴な魔物や希少な魔物がいないから、関わる気はないようだ。
国として申請すれば設置することになるようだけど、アールド国は今まで拒んでいる。
そして、これからリノスが聖女になるのなら――冒険者ギルドのないアールド国はかなり危険だ。
「俺としては、聖女が助けを求めに来たとばかり考えていた……ミレッサほどの人が助けて欲しいのなら全力で取り組もうと決意していたが、何もないならそれでよかった」
カルロスは私が聖女だと見抜いただけではなく、力も把握しているようだ。
私も――不安が晴れて冷静になると、テーブル越しに座るカルロスの凄さがよくわかる。
いきなり現れた私を平然と屋敷に入れたのは、不用心とかではない。
私がどんな行動をとったとしても、余裕で対処するだけの力があるからだ。
「私はこうして、カルロスと出会えてよかったと思っています」
「何か事情があるみたいだな……話して楽になるのなら、話して欲しい」
カルロスは私を気遣ってくれて、心が暖かくなる。
私はカルロスに、現状を話そうとしていた。
■◇■◇■◇■◇■
私は数時間前の出来事、呪いを受けてこの島に転移したことをカルロスに説明する。
「国王は、前に呪いと転移魔法を使ったのは数十年前と言っていました」
「その罪人がこの島で生きられなかったから、アールド国は調査をしなかったのだろう」
「カルロスが来る前は、この島には何もなかったのですか?」
「森と川があるし、生きることはできると思うが……島から出られないのなら、生きることを諦めてしまうだろう」
私が質問すると、カルロスが思案して話を続ける。
「俺がこの島に住んだのは1年ぐらい前で、人は誰もいなかった」
「どうして、こんな島に暮らそうと考えたのですか?」
「こんな島だからだ……俺は優秀すぎて忙しくなり、冒険者ギルドが提案してくれた」
そう言ってから、カルロスが話してくれる。
カルロスは頼みごとを聞いてしまうようで、頼む人が多かったらしい。
それが多すぎて嫌になったカルロスに、冒険者ギルドが提案したようだ。
「俺がここに住んでいることを知っているのは冒険者ギルドの上層部だけで、緊急時は呼び出されることとなっている」
「この島は、アールド国のものだと思っていました」
「誰もいなかったし、冒険者ギルドから住む許可も得ている。アールド国の領地ではないはずだ」
「そうですね」
アールド国も今まで放置していて、冒険者ギルドが許可を出しているのなら問題なさそうだ。
そしてカルロスは、私を眺めて呟く。
「罪を捏造か……アールド国はこれから大変な目に合いそうだが、俺は助けようとは思わない」
私の話を聞いて――カルロスは、アールド国に対して怒っていた。
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