何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

第７４話

ドスラ視点

　部屋で１人になり、俺はエルノアを追い出してから今までのことを思い返す。
　リオナの呪魔法が時間がかかるようで、エルノアの元家族は全員が光の砂となって消えていた。

　呪魔法の存在をはじめて知った俺は、今後について考えながら呟く。

「エルノアの家族を生贄としたから、魔法は失敗していない……これから、エルノアは意識を失うとリオナは言っていた」

　数日間は意識が戻らず、呪いを受けて心が壊れる。
　目覚めた時には――リオナの命令を聞くだけの存在になっているらしい。

「距離が離れていても命令を出せるから、エルノアはランアス国に戻ってくるようだ……これで全て解決するだろう！」

　邪魔になりそうなウルクは、エルノアのために呪いを解こうとする。
　失敗すれば意識を失い二度と目覚めないようで、邪魔者を排除することもできるそうだ。

　リオナの計画は、今まで全て上手くいっている。
　何も問題ないと考えていたのに……リオナの計画が、潰えようとしていた。