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第1話
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「魔力量は高い癖に魔法が使えないルーナは無能過ぎる! 婚約を破棄し、俺は貴様の妹ミレナを新たな婚約者とする!」
私は屋敷に呼び出され、大部屋でラドン・エドルドに婚約破棄を言い渡されてしまう。
ラドンの家族――エドルド伯爵家が全員集まっているから、家族との話し合いは済んでいるようだ。
私ルーナ・スラーユはスラーユ伯爵家の令嬢で、魔法が使えないことを蔑まれていた。
この世界は魔法が使えない人の方が大半で、貴族が魔法が使えなくてもおかしいことではない。
それでも目の前のラドン、そしてエドルド伯爵家が1人を除いて私を蔑視しているのは……私の妹ミレナが優秀だからだ。
「魔力の量が妹ミレナより多いから期待してラドンの婚約者にしたというのに、数年経っても何もできんとはな」
「ミレナ様は魔法が扱えて活躍しています。貴方より遙かに優秀なのよ」
そうラドンの家族が私を蔑む中、小柄な少年ニコラス・エドルドが話す。
「兄上……本当に、ルーナ様との婚約を破棄するつもりですか?」
私を心配してくれる人は、この部屋にはニコラスだけしかいない。
ラドンの弟ニコラス……私より3歳年下の伯爵令息で、この家で一番仲がいいと私は思っている。
ラドンは婚約者だけど私を敵視して、あまり関わってくることはなかった。
そしてニコラスはよく私に話しかけてくれていたけれど……エドルト家の中で、一番発言力がない。
「当たり前だ! 魔法の力が弱いニコラスは黙っていろ!」
「無能が無能を庇うとは、なんと見苦しい」
「ニコラスよ、ラドンがルーナと婚約破棄して困るのは、見下される対象が減るからだろう? 浅ましいことだ」
私と同じように、ニコラスはエドルド伯爵家で無能扱いされていた。
本来は魔力量が高いみたいだけど、魔法の実力が低すぎるせいで……境遇が私と似ている。
暴言を吐かれてもニコラスは怯まず、自分の父を眺めて話す。
「父上、少しだけ時間をください……私が、ルーナ様が魔法を使えない理由を調査致します」
「ニコラスは黙っていろ! エドルド家の恥さらしが!」
ラドンとの婚約破棄は、私は別に構わないと考えている。
ニコラスが暴言を吐かれている状況は許せなくて、私は話を止めるために宣言した。
「わかりました――私は、ラドン様との婚約破棄を受け入れます」
「当然だ。今すぐ屋敷から出て行け!」
そう言われて――私は、エドルド伯爵家の屋敷を後にする。
この時の私は、無意識に魔法を使いエドルド領の力になっていたことを知らない。
私の本来の力はすぐに知ることができて――その後、エドルド伯爵家は破滅することとなっていた。
私は屋敷に呼び出され、大部屋でラドン・エドルドに婚約破棄を言い渡されてしまう。
ラドンの家族――エドルド伯爵家が全員集まっているから、家族との話し合いは済んでいるようだ。
私ルーナ・スラーユはスラーユ伯爵家の令嬢で、魔法が使えないことを蔑まれていた。
この世界は魔法が使えない人の方が大半で、貴族が魔法が使えなくてもおかしいことではない。
それでも目の前のラドン、そしてエドルド伯爵家が1人を除いて私を蔑視しているのは……私の妹ミレナが優秀だからだ。
「魔力の量が妹ミレナより多いから期待してラドンの婚約者にしたというのに、数年経っても何もできんとはな」
「ミレナ様は魔法が扱えて活躍しています。貴方より遙かに優秀なのよ」
そうラドンの家族が私を蔑む中、小柄な少年ニコラス・エドルドが話す。
「兄上……本当に、ルーナ様との婚約を破棄するつもりですか?」
私を心配してくれる人は、この部屋にはニコラスだけしかいない。
ラドンの弟ニコラス……私より3歳年下の伯爵令息で、この家で一番仲がいいと私は思っている。
ラドンは婚約者だけど私を敵視して、あまり関わってくることはなかった。
そしてニコラスはよく私に話しかけてくれていたけれど……エドルト家の中で、一番発言力がない。
「当たり前だ! 魔法の力が弱いニコラスは黙っていろ!」
「無能が無能を庇うとは、なんと見苦しい」
「ニコラスよ、ラドンがルーナと婚約破棄して困るのは、見下される対象が減るからだろう? 浅ましいことだ」
私と同じように、ニコラスはエドルド伯爵家で無能扱いされていた。
本来は魔力量が高いみたいだけど、魔法の実力が低すぎるせいで……境遇が私と似ている。
暴言を吐かれてもニコラスは怯まず、自分の父を眺めて話す。
「父上、少しだけ時間をください……私が、ルーナ様が魔法を使えない理由を調査致します」
「ニコラスは黙っていろ! エドルド家の恥さらしが!」
ラドンとの婚約破棄は、私は別に構わないと考えている。
ニコラスが暴言を吐かれている状況は許せなくて、私は話を止めるために宣言した。
「わかりました――私は、ラドン様との婚約破棄を受け入れます」
「当然だ。今すぐ屋敷から出て行け!」
そう言われて――私は、エドルド伯爵家の屋敷を後にする。
この時の私は、無意識に魔法を使いエドルド領の力になっていたことを知らない。
私の本来の力はすぐに知ることができて――その後、エドルド伯爵家は破滅することとなっていた。
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