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第3話
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私はカインから、聖女の儀式の説明と聖女の仕事について聞いている。
まだルグドの婚約者のままだから、カインは聖女の儀式までは極力会わないように気遣うようだ。
私が聖女に決まってからルグドに説明して、カインが護衛になることを話すらしい。
話を終えた翌日――私は魔法学園で、ルグドとシェムによる嫌がらせを受けていた。
「最近のアイラは、聖女候補という立場を得て増長しているようだな」
「はい。下級生に暴言を吐く姿を目撃しています。婚約者のルグド殿下、同じ聖女候補である私の評判が落ちることは止めてください!」
授業が終わった放課後、クラスメイトが教室を出る前にそんなことを言われてしまう。
ルグドとシェムが私の前に立って、机越しに話しかけてくる。
クラスメイトは注目しているようで、それがルグド達の狙いだった。
私は増長してないし、むしろ増長しているのはシェムの方だ。
ルグドの態度が明らかに変わり、何をしても私が悪いと思わせようとしている。
「私は、下級生に暴言を吐いていません」
「もう生徒達の間では噂になっている。婚約者として嘆かわしい、アイラが聖女になることはないだろう!」
「アイラ様はルグド殿下の婚約者に相応しくありません……第一王子のルグド殿下の婚約者は、これから聖女になる人が相応しいでしょう」
そう言ってシェムは、自分がルグドに相応しいとアピールしていた。
もう1人の聖女候補は冒険者でルグドと年が10年以上離れているし、まず聖女に興味がないようだ。
シェムは国王が聖女を選ぶと思い込んでいるからこそ、ルグドの婚約者になりたいと考えていそう。
ルグドは私が聖女になることはないと断言したけど、私は聖女になるらしい。
実際に儀式を終えないと判明しないことだから、私が何か話す気はない。
「アイラがどれだけ否定しようと、言い逃れることはできんぞ!」
「私と実力の差があったとしても、アイラ様は卑屈にならず狡い手を使わないようお願いします」
狡い手を使っているのはシェムの方だけど、それは後で後悔するからどうでもいい。
周囲でクラスメイトの冷たい視線を受けて――私は、現状が嫌になっている。
数ヶ月ぐらい我慢しようと思えばできるけど、早急に対処しておきたい。
頼れるのは、私が聖女になると知っているカインだけだ。
婚約者を気遣って会わないように考えているけど、私がカインの屋敷に行けばいい。
これからのことを考えていると、ルグドが話す。
「聖女候補の1人は冒険者で聖女になっても辞退する気でいる。聖女はアイラかシェムのどちらかだろう」
「私とアイラ様では魔法の成績の差があります。どちらが聖女になるかは明白でしょう!」
シェムが私を蔑むように眺めて話すけど、これは成績の差で自信があるからだ。
恐らく私に脅されたと報告したり噂を流している下級生は、今後聖女の恩恵を得られると考えて動いていそう。
言われっぱなしは嫌だから、私はシェムを揺さぶることにした。
「成績ですか――数週間前まで、シェム様は私より成績が劣っていましたよね?」
「はぁっ!? 昔のことを持ち出さないでください! 現状では私と貴方には明確な差があります!!」
「急激に魔力が増加すると、魔力の核となる器官が壊れる可能性があります。看てもらった方がいいのではないですか?」
私は心配しながら訪ねるけど、これはシェムも理解していそう。
シェムは聖女になれば、ボロボロになった体内にある魔力の核が治ると考えて行動している。
それは国王が聖女を選ぶと思い込んでいるからで、真実は知られたくないはずだ。
私が心配しているフリをして忠告すると、シェムは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「余計なお世話です! アイラ様こそ増長するのを止めた方がいいですよ!」
明らかにシェムは激高していて、私に対する嫌がらせを強めそうな気がする。
とにかく私は、今日の出来事をカインに話そう。
まだルグドの婚約者のままだから、カインは聖女の儀式までは極力会わないように気遣うようだ。
私が聖女に決まってからルグドに説明して、カインが護衛になることを話すらしい。
話を終えた翌日――私は魔法学園で、ルグドとシェムによる嫌がらせを受けていた。
「最近のアイラは、聖女候補という立場を得て増長しているようだな」
「はい。下級生に暴言を吐く姿を目撃しています。婚約者のルグド殿下、同じ聖女候補である私の評判が落ちることは止めてください!」
授業が終わった放課後、クラスメイトが教室を出る前にそんなことを言われてしまう。
ルグドとシェムが私の前に立って、机越しに話しかけてくる。
クラスメイトは注目しているようで、それがルグド達の狙いだった。
私は増長してないし、むしろ増長しているのはシェムの方だ。
ルグドの態度が明らかに変わり、何をしても私が悪いと思わせようとしている。
「私は、下級生に暴言を吐いていません」
「もう生徒達の間では噂になっている。婚約者として嘆かわしい、アイラが聖女になることはないだろう!」
「アイラ様はルグド殿下の婚約者に相応しくありません……第一王子のルグド殿下の婚約者は、これから聖女になる人が相応しいでしょう」
そう言ってシェムは、自分がルグドに相応しいとアピールしていた。
もう1人の聖女候補は冒険者でルグドと年が10年以上離れているし、まず聖女に興味がないようだ。
シェムは国王が聖女を選ぶと思い込んでいるからこそ、ルグドの婚約者になりたいと考えていそう。
ルグドは私が聖女になることはないと断言したけど、私は聖女になるらしい。
実際に儀式を終えないと判明しないことだから、私が何か話す気はない。
「アイラがどれだけ否定しようと、言い逃れることはできんぞ!」
「私と実力の差があったとしても、アイラ様は卑屈にならず狡い手を使わないようお願いします」
狡い手を使っているのはシェムの方だけど、それは後で後悔するからどうでもいい。
周囲でクラスメイトの冷たい視線を受けて――私は、現状が嫌になっている。
数ヶ月ぐらい我慢しようと思えばできるけど、早急に対処しておきたい。
頼れるのは、私が聖女になると知っているカインだけだ。
婚約者を気遣って会わないように考えているけど、私がカインの屋敷に行けばいい。
これからのことを考えていると、ルグドが話す。
「聖女候補の1人は冒険者で聖女になっても辞退する気でいる。聖女はアイラかシェムのどちらかだろう」
「私とアイラ様では魔法の成績の差があります。どちらが聖女になるかは明白でしょう!」
シェムが私を蔑むように眺めて話すけど、これは成績の差で自信があるからだ。
恐らく私に脅されたと報告したり噂を流している下級生は、今後聖女の恩恵を得られると考えて動いていそう。
言われっぱなしは嫌だから、私はシェムを揺さぶることにした。
「成績ですか――数週間前まで、シェム様は私より成績が劣っていましたよね?」
「はぁっ!? 昔のことを持ち出さないでください! 現状では私と貴方には明確な差があります!!」
「急激に魔力が増加すると、魔力の核となる器官が壊れる可能性があります。看てもらった方がいいのではないですか?」
私は心配しながら訪ねるけど、これはシェムも理解していそう。
シェムは聖女になれば、ボロボロになった体内にある魔力の核が治ると考えて行動している。
それは国王が聖女を選ぶと思い込んでいるからで、真実は知られたくないはずだ。
私が心配しているフリをして忠告すると、シェムは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「余計なお世話です! アイラ様こそ増長するのを止めた方がいいですよ!」
明らかにシェムは激高していて、私に対する嫌がらせを強めそうな気がする。
とにかく私は、今日の出来事をカインに話そう。
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