婚約者の愛した人が聖女ではないと、私は知っています

天宮有

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第8話

 私は部屋で1人になって、今日の出来事を思い返す。
 明日は魔法学園が休日で、私はパーティに行き行動を起こす。
 全てカインとケビンが準備してくれたから、大丈夫のはずだ。

「カイン様もパーティ会場にいてくれますし、何も問題ありません」

 これからの予定を考えながら、私は呟く。
 私の行動は、ルグドとシェムの浮気をパーティ会場で公表することだ。
 証拠もある以上、ルグドに原因がある状態で婚約を破棄することができるはず。
 
「ルグドは私との婚約破棄を望んでいますし、受け入れてくれるでしょう」

 明らかに悪いのはルグドだと、パーティの人達は知ることとなる。
 王家はサーノラ家に慰謝料を支払うこととなるけど、シェムが聖女になれば問題ないと考えそう。

 私はカインの発言を信じ、まずは婚約破棄をするつもりだ。
 ルグドとしては私に原因があると思わせたいようだけど、それは不可能だった。

■◇■◇■◇■◇■

「――シェム様を好きになったルグド様とは、この場で婚約を破棄します!」

 翌日になって、パーティ会場で私はルグドに婚約破棄を宣言する。
 今まで何が起きていたのか、私はパーティの場で公表することができていた。

 魔法学園を休んでいたのは、シェムが浮気をしていたショックによるもの。
 学園内の私に対する噂は全て嘘で、ルグドがシェムを婚約者にしたかったから。
 その証拠となる音声や映像を全てこの場で見せつけたから、ルグドは言い逃れることができない。

「なっっ……今まで学園を休んでいたのは、証拠を集めていたからだと!?」

 パーティ会場の中央で、注目を浴びたルグドが叫ぶ。
 明らかに動揺しているから、私は頷いて返答した。

「はい。ルグド殿下とシェム様が浮気をしていて、更に私が悪いと思わせたかった。魔法学園を休むのが一番いいと判断しました」

 説明をしていると――動揺していたシェムが、ルグドの隣に立つ。
 どうやら開き直ったようで、私を憐れむように眺めて話す。

「ルグド殿下がアイラ様より優秀な私を選ぶのは、仕方のないことでしょう」

「婚約者を奪えそうだから、嬉しそうですね」

「うっっ……これは全て、アイラ様と私に差がありすぎたから起きたことです!」

 私の発言を聞き、悔し気にシェムが叫ぶ。
 ルグドを庇うように私の前に出て、シェムの話が続く。

「アイラ様が婚約破棄をするのなら、私がルグド殿下の婚約者となりましょう。そして私が、聖女に選ばれます!」

「それは、儀式を終えてから言ってください」

 現状ではルグド達の評判は最悪だけど、シェムには逆転の手がある。
 それは聖女として選ばれることだけど――シェムは、聖女になれなかった。

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