婚約者の愛した人が聖女ではないと、私は知っています

天宮有

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第23話

 私は久しぶりに、魔法学園に登校した。

 屋敷に戻った私は、応接室にカインが来ていると聞く。
 カインは私の護衛だから、普段は傍にいてくれる。
 それでも今日は調べたいことがあったようで、別行動をとっていた。

 カインは屋敷で待っていて、私は今日の出来事を話す。
 シェムが余裕があるのが気になっていると、カインも同じ考えのようだ。

「現時点で最も警戒するのはシェムなので、私も調べていました」

「はい……魔法が使えないのなら、普通は焦るはずです」

 それなのにシェムは、冷静だった。
 王子の婚約者だとしても、魔法が使えないのなら魔法学園を退学になる。
 魔法が使えないのなら当然だけど、どうしで冷静でいられるのかがわからない。

「恐らくシェムは、聖女の儀式がいつ始まるのか計算して大地から魔力を得たのでしょう」

「数ヶ月前から、シェムが聖女で間違いないと思わせたかったからですね」

 その計画は成功して、儀式が始まる少し前までは皆シェムが聖女だと考えていた。
 そんなシェムが冷静なのは、何か理由があるのかもしれない。
 牢で反省したのかもしれないけど、カインは調べてくれている。

「シェムは聖女候補と決まった際に助言を受けたことで、大地から魔力を得たようです」

「そうなんですか?」

「はい。助言した者が誰なのかはまだわかりませんが……シェムに余裕があるのなら、何か企んでいるのかもしれません」

 シェムが聖女候補になったことで、聖女の力を得させようと関わった人がいる。
 その人が誰なのかわからないけど――シェムは、警戒する必要があった。

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