婚約者の愛した人が聖女ではないと、私は知っています

第２７話

ルグド視点

　シェムはこれからの行動を話し、部屋から去って行く。
　俺は話を思い返して、不安になるしかない。
　計画が成功すれば問題ないが、失敗する可能性の方が高そうだ。

「シェムの計画は無茶だと思うが、これ以外に方法はないだろう」

　魔法学園での評判から、早急に聖女になりたいシェムは焦っている。
　迅速に行動したいようで、俺は賛同してしまった。
　念入りに準備したいが、シェムを止めることはできない。
　そして俺は、失敗した時のことを考えて呟く。

「もし石化が失敗すれば、俺とシェムは終わりだ」

　恐怖してアイラの石化を躊躇うが、俺はこれからのことも考える。
　今のままだと、魔法が扱えないシェムは魔法学園に通えなくなるだろう。
　そうなれば……どちらにせよ、俺達は終わりだ。

「計画通りになってもアイラは警戒すると思うが……シェムが計画を成功させると、信じるしかないだろう」

　俺は不安になるが、他の手段が思い浮かばない。
　それならもう、シェムに全てを託すしかなかった。