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第4話
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私はレインと一緒に国を出たいと考えているけど、ベネサが好き勝手することは許せなかった。
困惑しているのが顔に出てしまったのか、レインが頭を下げる。
「元魔王になったが、まだ幾つか掟はある。直接ベネサを始末することはできないんだ……すまない」
「レインが謝ることではないわ。これからベネサが国を支配すると思うと、悔しくなっただけ」
ベネサが使える魅了魔法の力を知っていても、私は何もすることができない。
処刑される前のベネサの発言を思い出すと、私は後悔させたいと強く思ってしまう。
そして――そんな私を見て、レインが話す。
「リーゼがリスクを負うことになるが、俺の魔法でベネサの魅了魔法を封じることはできる」
「そんなことができるの?」
「ああ。ベネサの魅了魔法の力は把握できている。俺はリーゼばかり見ていてベネサについて知らなかったから、前の時間では封じる時間が足りなかった」
「そ、そうですか」
私ばかり見ていたと言われて、少し動揺してしまう。
気になることがあって、私はレインに尋ねた。
「もしかして……魅了魔法が効かなかったのも、レインの力だったりする?」
「いや、それは君の力だ。そして――俺がリーゼと出会えたのも、その力によるものだ」
そう言って――レインが、私と出会った時の出来事を話そうとしていた。
困惑しているのが顔に出てしまったのか、レインが頭を下げる。
「元魔王になったが、まだ幾つか掟はある。直接ベネサを始末することはできないんだ……すまない」
「レインが謝ることではないわ。これからベネサが国を支配すると思うと、悔しくなっただけ」
ベネサが使える魅了魔法の力を知っていても、私は何もすることができない。
処刑される前のベネサの発言を思い出すと、私は後悔させたいと強く思ってしまう。
そして――そんな私を見て、レインが話す。
「リーゼがリスクを負うことになるが、俺の魔法でベネサの魅了魔法を封じることはできる」
「そんなことができるの?」
「ああ。ベネサの魅了魔法の力は把握できている。俺はリーゼばかり見ていてベネサについて知らなかったから、前の時間では封じる時間が足りなかった」
「そ、そうですか」
私ばかり見ていたと言われて、少し動揺してしまう。
気になることがあって、私はレインに尋ねた。
「もしかして……魅了魔法が効かなかったのも、レインの力だったりする?」
「いや、それは君の力だ。そして――俺がリーゼと出会えたのも、その力によるものだ」
そう言って――レインが、私と出会った時の出来事を話そうとしていた。
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