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第2話

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 私はパーティ会場で罪を捏造されて、ウルクに婚約破棄を言い渡されている。
 更に罪を不問にするからと、ウルクの護衛として私は傍におかれようとしていた。

 追い詰められていた時――私達の傍に、友人のカインがやって来る。

 カインは高い背丈、金色の長い髪をした美少年だ。
 近づいてきたことに対して、ウルクは嫌悪感を強めながら話す。

「カインか……貴様はミレッサと同類の、魔法を鍛えるという無意味なことをしている男だったな」

 ウルクは小馬鹿にするように、周囲の貴族達にカインの説明をしている。

 それでも一切カインは気にせず、ウルクを眺めて尋ねる。

「無意味ですか。それならウルク様はどうして、ミレッサ様を護衛にしたいのですか?」

「ぐっっ……強さは貴族に不要だが、元婚約者が迷惑をかければ俺の家の評判も落ちるからな、見える場所に置いておきたいというだけだ!」

「……そうですか」

 そんなことを言うけど、私の力は護衛として欲しいのだと推測できる。
 
 ウルクの発言に呆れていると、カインが私達の元に来た理由を話す。

「私は、ウルク様とルアーナ様に聞きたいことがあります……ルアーナ様の屋敷が、何者かに破壊されたというのは本当ですか?」

「その通りだが、何者かではなくミレッサだ!」

「いいえ――ルアーナ様の屋敷を破壊したのは、ミレッサ様ではありません」

 カインが断言したことで、周囲がざわめく。
 その発言を聞いて、カインの正面にいたウルクが動揺して叫んだ。

「なっっ……何を根拠にそんなことを言っている!?」

「それではルアーナ様に聞きますけど、屋敷が破壊されたのはいつの話ですか?」

 そう言って、カインがルアーナを眺めて尋ねる。
 話を聞いていた貴族達も興味があるようで、注目されているルアーナは明らかに動揺していた。

「そ、それはですね……あの時のショックが強くて、覚えていません」

「ミレッサ様の姿は覚えていて、何日前なのかは覚えていないというのですか?」

「いっ、いえ……そ、そうです。三日前の出来事です!」

 カインの追及に怯み、ルアーナが三日前と話した。

 三日前なら――私は屋敷にいた。
 ルアーナはウルクを眺めてから叫んだけど、三日前は私が屋敷にいることを伝えていたのかもしれない。

「三日前ですね」

 カインがルアーナに再確認しようとした時、激昂したウルクが叫ぶ。

「しつこいぞ! 屋敷を破壊された日がなんだというのだ!?」

 私は屋敷にいたと言っても、嘘だと言われてしまうに決まっている。

 打つ手がないかと考えていた時――カインが、ウルクを眺めて宣言した。

「私は一週間ほど前に……ウルク様のベニード伯爵家が、商会から内密に爆弾を調達したことを知っています」

「――なぁッッ!? なんだと!?」

 その発言を聞いたウルクが叫び、貴族達の動揺した声が聞こえてくる。

「商会とベニード伯爵家が取引した記録も残っています……その爆弾が今どこにあるのか、教えてもらえないでしょうか?」

 どうやらカインは、ウルクが用意した爆弾でルアーナの屋敷を破壊したと推測しているようだ。

 私の魔法のせいにするなら、それ相応の道具が必要になる。

 どうやらカインはウルクを調査していたようで――ウルクが追い詰められることとなっていた。
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