婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです

天宮有

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第21話

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 エシウス侯爵家の屋敷にレヴォクがやって来て、応接室で話をすることとなっていた。

 来た理由を聞いてから、ゼロアはすぐにレヴォクを追い出そうと考えている。

 傍にゼロアがいてくれることに安堵しているけど、レヴォクは私を眺めていた。

 そのレヴォクが不快だったようで、ゼロアが尋ねる。

「俺の婚約者に、何か用があるのか?」

「いいえ。私はゼロア様に用があります」

「……なに?」

 レヴォクの発言にゼロアが驚き、私も驚いている。

 そしてレヴォクは、ゼロアに話をはじめた。

「ゼロア様はシーラの恐ろしさをご存じなのか気になり、この場で尋ねることにしました」

「シーラの恐ろしさだと?」

「はい。シーラには災いを引き寄せる力があり……俺はその力で、何度も酷い目に合っています」

 それは恐らく――幻獣、ドラゴンと遭遇したことを言っている。

 商人と取引をしていたから、レヴォクが幻獣を引き寄せていたのだと私は推測していた。

 それでも、話を聞いていると……私のせいなのかもしれないと、考えるようになってしまう。

 そんな中で――ゼロアは、レヴォクに言う。

「俺に話があると言った時は驚いたが、予想通りの内容だ」

「ゼロア様、それはどういう意味ですか?」

「貴様はシーラを連れ戻したいだけ――貴様が何を言おうと、シーラは俺の婚約者だ」

「ぐぅっっ……!?」

 ゼロアが断言したことで、レヴォクが苦しそうな声を漏らす。

 私はレヴォクの発言に惑わされてしまったけど……ゼロアが断言してくれたことで、冷静になることができていた。
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