新しい聖女が優秀なら、いらない聖女の私は消えて竜人と暮らします

天宮有

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第14話

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 私がルジオ国で暮らすようになってから、1年が経っている。
 モンスターの侵攻を止めることができず、ラグード国は滅びたようだ。

 聖女デーリカは逃亡しようとして国民に捕まり、聖なる魔法を使い続けていたらしい。
 限界がきて亡くなり、国王や宰相の末路も報告を受けていた。

 今の私はルジオ国の教会で、人々を聖なる魔法で治している。
 ルジオ国は聖女がいなくても平和な国で、私が聖女にならなくてもいいようだ。

 聖女になる前の生活に戻り、今はヨハンが傍にいてくれる。
 来た人を全員治した後に、私の肩に触れるヨハンから魔力を受け取った。

「今日の仕事は終わったな。屋敷に帰るとしよう」

「はい――ヨハン、ありがとうございます」

 ヨハンが私に触れることで魔力を送り、私は魔力が回復する。
 体が楽になってお礼を伝えると、ヨハンは思案して呟く。

「今日も私の姿を見て、何人か怖がっていた。まだ努力が必要のようだ」

「そこまで気にしなくても、大丈夫だと思いますよ」

「それならいいが……シンシアの夫として、これからも相応しくなるとしよう」

 ルジオ国で結婚式あげて、私はヨハンの妻となっている。
 今の私は幸せで、ヨハンと屋敷に帰ろうとしていた。
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