私はあなたを覚えていないので元の関係には戻りません

天宮有

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第19話

マトス視点

 ベッドでレミザが呆れながら、俺に向かって「あなたは終わりよ」と言いだす。
 終わるのは俺とレミザの関係ではなく、俺自身が終わると言われて動揺するしかない。

「ど、どういうことだ!?」

「最後に教えてあげるわ。記憶を失う魔法薬を用意してくれたのはお父様だから、私が記憶を失ったらマトスが飲ませたと察するわよ」

「待ってくれ! どうしてそうなる!?」

「予備を持たせたことをお父様に話しているからよ。間違えて飲んだなんて理由は使えないから、どうすることもできないわよ」

 アリカの時は問題なく婚約破棄できたせいで、レミザが記憶を失った後のことを俺は考えていない。
 最悪の事態になることを危惧し、俺は机の上に置かれた紙とペンを見て閃いた。

「頼む! 今までのことは謝るし今後は従うと約束するから、この紙にお前が間違えて魔法薬を飲んだと書いてくれ!!」

「紙に書く……そっか。アリカはマトスの発言を聞いて、紙に記憶を残していたわけね」

 レミザはなにかを納得した様子だが、そのまま意識を失い起こしても目覚めることはない。

 この場にいて目覚めた時に、記憶を失っていたレミザから見れば俺は不審者だろう。
 そうなるとどんな目に合うかわからなくて、恐怖した俺は部屋を出て行くことにした。

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