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第38話

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 近々起こる魔物の群れによる大襲撃があり、アインは私がいれば大丈夫だと話してくれる。

 今日の襲撃は問題なく対処できたけど、それ以上となると私は不安になっていた。

「あの、今回私達が戦った魔物の群れは相当な数でしたけど、それより上の大襲撃でも私とアインなら大丈夫だと思っているのですか?」

「はい。これから何度か今回のような襲撃が起こり、更に規模の大きい魔物達の襲撃が発生しますけど……今日のセリスを見て、問題ないと確信しました」

 アインがそう言うのなら、大丈夫のような気がしてくる。
 大襲撃が起こるのはまだ先の話だからか、アインは話題を変えていた。

「それよりも……俺としては、サイール国の兵士達が気になります」

「兵士達は「今回は聖女様がいなかったからだ」と理由をつけて、態度を改めなかったことですね」

 今日の魔物による襲撃でサイール国の兵士達は無様だったけど、それでも冒険者達を見下していたようだ。

 それは聖女ローナの力を信じているからで、その力を体験したせいでもある。

「彼等は自分の力ではないと理解しても、聖女ローナがいるから冒険者達より上だと思い込んでいるようです」

 アインが推測を話して、私は頷く。

「今まで見下していたから、素直に認めることができないのでしょう……戦力が一番少ない村の警備であの様なら、大襲撃でどうなるのでしょうか?」

「最悪、全滅もあり得ると考えています。冒険者達も自分の身を守ることを優先し、戦う役目の兵士まで守れません」

 冒険者ギルドとしては兵士達は不参加でいいと伝えているみたいだけど、陛下が拒んでいるようだ。

 もう魔力を奪われてから1週間以上過ぎて魔力が私に戻っているから、聖女ローナは同じような力を使えない。

 それでも1度聖女ローナとジェイクが活躍したのは事実だから……サイール国に、危機感があまりないようだ。
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