38 / 158
第38話
しおりを挟む
ミレサの手下ベラは、何度も私に頭を下げていた。
私としては謝罪よりも、これからのミレサの行動が知りたい。
「ベラ様は、ミレサをどこまで知っているのですか?」
「はい……ルーナ様がラドン殿下との婚約破棄を言い渡されて間もなく、ミレサ様は私に声をかけてきました」
そう言って――私は、ミレサが今まで何をしていたのかを聞く。
これから王子の婚約者になり、更に魔法の腕が優秀なミレサが手下にすると提案したらしい。
魔法について教わり結果が出たことで、ベラはミレサの手下になるべきだと決意したようだ。
「ミレサが家庭教師のようなことをすることで、結果が出たことで手下になることを決めたのですか」
「魔法の成績で悩んでいる貴族を、ミレサは狙ったのでしょう……ミレサが優秀なのは、間違いありません」
ニコラスがミレサを評価して、そこは私も同意見だ。
ミレサは優秀過ぎるせいで、1位の座を私に奪われたことがそこまで気に入らないのだろうか?
どんな理由があろうとも、魔法で攻撃したことは絶対に許せない。
「同じ手段の他にも……手下になりそうな人に対して、ミレサ様は欲しがっていた魔法道具を渡すことで従わせているケースもあるようです」
ベラの発言を聞いて、私とニコラスは疑問に思う。
ミレサは平民なのに、貴族の人達が欲しいと考えるほどの魔法道具を入手できるようだ。
「ラドンを意のままに操ることができたり……やはりミレサは、ただの平民ではないようです」
ニコラスが不安そうに話すけど、何か知っていそうな気がする。
私はミレサについて、ニコラスとベラから詳しく聞くことにしていた。
私としては謝罪よりも、これからのミレサの行動が知りたい。
「ベラ様は、ミレサをどこまで知っているのですか?」
「はい……ルーナ様がラドン殿下との婚約破棄を言い渡されて間もなく、ミレサ様は私に声をかけてきました」
そう言って――私は、ミレサが今まで何をしていたのかを聞く。
これから王子の婚約者になり、更に魔法の腕が優秀なミレサが手下にすると提案したらしい。
魔法について教わり結果が出たことで、ベラはミレサの手下になるべきだと決意したようだ。
「ミレサが家庭教師のようなことをすることで、結果が出たことで手下になることを決めたのですか」
「魔法の成績で悩んでいる貴族を、ミレサは狙ったのでしょう……ミレサが優秀なのは、間違いありません」
ニコラスがミレサを評価して、そこは私も同意見だ。
ミレサは優秀過ぎるせいで、1位の座を私に奪われたことがそこまで気に入らないのだろうか?
どんな理由があろうとも、魔法で攻撃したことは絶対に許せない。
「同じ手段の他にも……手下になりそうな人に対して、ミレサ様は欲しがっていた魔法道具を渡すことで従わせているケースもあるようです」
ベラの発言を聞いて、私とニコラスは疑問に思う。
ミレサは平民なのに、貴族の人達が欲しいと考えるほどの魔法道具を入手できるようだ。
「ラドンを意のままに操ることができたり……やはりミレサは、ただの平民ではないようです」
ニコラスが不安そうに話すけど、何か知っていそうな気がする。
私はミレサについて、ニコラスとベラから詳しく聞くことにしていた。
120
あなたにおすすめの小説
【完結】そんなに好きなら、そっちへ行けば?
雨雲レーダー
恋愛
侯爵令嬢クラリスは、王太子ユリウスから一方的に婚約破棄を告げられる。
理由は、平民の美少女リナリアに心を奪われたから。
クラリスはただ微笑み、こう返す。
「そんなに好きなら、そっちへ行けば?」
そうして物語は終わる……はずだった。
けれど、ここからすべてが狂い始める。
*完結まで予約投稿済みです。
*1日3回更新(7時・12時・18時)
【完結】王妃を廃した、その後は……
かずきりり
恋愛
私にはもう何もない。何もかもなくなってしまった。
地位や名誉……権力でさえ。
否、最初からそんなものを欲していたわけではないのに……。
望んだものは、ただ一つ。
――あの人からの愛。
ただ、それだけだったというのに……。
「ラウラ! お前を廃妃とする!」
国王陛下であるホセに、いきなり告げられた言葉。
隣には妹のパウラ。
お腹には子どもが居ると言う。
何一つ持たず王城から追い出された私は……
静かな海へと身を沈める。
唯一愛したパウラを王妃の座に座らせたホセは……
そしてパウラは……
最期に笑うのは……?
それとも……救いは誰の手にもないのか
***************************
こちらの作品はカクヨムにも掲載しています。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」
結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は……
短いお話です。
新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。
4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』
今さら救いの手とかいらないのですが……
カレイ
恋愛
侯爵令嬢オデットは学園の嫌われ者である。
それもこれも、子爵令嬢シェリーシアに罪をなすりつけられ、公衆の面前で婚約破棄を突きつけられたせい。
オデットは信じてくれる友人のお陰で、揶揄されながらもそれなりに楽しい生活を送っていたが……
「そろそろ許してあげても良いですっ」
「あ、結構です」
伸ばされた手をオデットは払い除ける。
許さなくて良いので金輪際関わってこないで下さいと付け加えて。
※全19話の短編です。
【完結】愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
第18回恋愛小説大賞で、『奨励賞』をいただきましたっ!
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)
【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?
星野真弓
恋愛
十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。
だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。
そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。
しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――
平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」
その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。
王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。
――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。
学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。
「殿下、どういうことでしょう?」
私の声は驚くほど落ち着いていた。
「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる