上 下
73 / 158

第73話

しおりを挟む
ラドン視点

 ミレサは俺に、最後の手段を話そうとしている。
 その内容の過激さに、俺は唖然とするしかなかった。 

「私は昔の仲間を使い――ルーナを襲撃して、存在を消します」

「なっっ……!?」

 ミレサは俺の財力を使い、元仲間を雇ってルーナを襲撃するようだ。
 そんなことをすれば、失敗した時にどんな目に合うか考えただけでも恐ろしい。

「そ、その提案は……流石に受け入れることは、できない」

 リスクが高すぎるし、ルーナは消すほどではない。
 困惑していると、ミレサが俺の両手を握りしめて懇願する。

「お願います。今まで、後のことを考えてそこまでするつもりはなかった……それでも、もうこれしか手はないのです!」

「しかし――」

「――ルーナが消えれば、私はラドン殿下に相応しくなれます」

「うっっ……わっ、わかった!」

 懇願するミレサの姿を見て、俺は考えが変わる。

 ――邪魔ばかりするルーナは、もう消してしまえばいい。
 全てルーナが悪いと考えて、俺はミレサに賛同する。

 ミレサの正体と提案を聞いた俺は……ミレサの元仲間の犯罪者達を内密に雇い、ルーナを消すことにしていた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

目が覚めました 〜奪われた婚約者はきっぱりと捨てました〜

恋愛 / 完結 24h.ポイント:610pt お気に入り:5,358

わたしはお払い箱なのですね? でしたら好きにさせていただきます

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:33,307pt お気に入り:2,591

私の留学中に、婚約者と妹が恋仲になったようです──。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:321

ツンつよ令嬢、幼馴染に捕獲される

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:125

悪女と言ったのは貴方です

恋愛 / 完結 24h.ポイント:184pt お気に入り:1,191

処理中です...