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第79話

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 翌日になって、私は魔法学園に登校して授業を受けていた。
 授業を終えて馬車の元へ向かおうとした時――廊下でミレサが、私に声をかけてくる。

「ルーナ様、少しよろしいでしょうか?」

「ミレサ様……馬車を待たせていますので、失礼します」

 私はミレサを警戒していて、話は聞くべきではないと考えている。
 ニコラスが調査を終えるまで、ミレサとは関わりたくない。

 私は誘いを拒み、廊下を歩く。
 ミレサは追いかけようとせず、私の背後から声が聞こえた。

「それなら、これだけは言わせてください――今まで、本当に申し訳ありませんでした」

 今までのことを謝罪してくるも、今日はずっと私を敵視していたのが気になってしまう。
 この謝罪も間違いなく演技で、授業を終わるまでの間に何度も私を睨んでいたのは知っている。

 今日のミレサは心が折れた演技を止めて、いつも通りになっていた。
 謝罪を聞いた私は、振り返って返答する。

「そうですか。さようなら」

「はい――さようなら」

 今までのことは酷過ぎて、謝罪されても私は許したくない。
 それはミレサにもわかっていたからか、何も気にせず……私を睨んでいた。
 
 この時ミレサの中では、私とする最後の会話だと考えていたようだ。
 全ての真相を、この日――私は知ることとなる。
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