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第19話

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 ドルウッド国の行動に激怒したリックは、唯一生き残っている騎士長を眺める。

「ひぃっ……!?」

 圧倒的なリックの力に恐怖して、騎士長は動けなくなっていた。

 そんな騎士長に対して、リックが話す。

「最初の威勢はどうした? 貴様以外の人間は全て消したが……貴様は報告するために生かしておいてやろう」

 その発言を聞いて、騎士長は逃げるように森から出ていく。
 操られたことで怯えている精霊達を励ましていると、リックが私に尋ねる。

「さて……アイリス。私は騎士長の報告後すぐに国王と話をするつもりだが、君はどうする?」

 リックはこれから、精霊王としての役目を果たすために城へ向かうようだ。

 同行するかは私に任せるようだけど……私は、リックの傍にいたいと想っている。

「私も行きます……ドルウッド国は、終わりですね」

 精霊を操り同士討ちさせて、弱った所を捕獲して利用していた。

 毎年貢ぎ物を捧げていたとしても限度があり、精霊の力を渡す必要は一切ない。

 リックは国王にそのことを伝えて、2度と関わる気はないようだ。
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