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第5話
私が働いている治療院は王都にあり、城までの距離は遠くない。
マウロ王子が同行したいたから、私は問題なく城に入ることができた。
私は素顔を隠すため仮面を着けているから、城内の人から怪しまれてしまう。
当然の反応だけど、双子の妹キサラと見た目が同じだから正体を明かすことはできなかった。
今のキサラはランアス国のルドノス王子と婚約して、聖女の生まれ変わりと公表している。
それなのに聖なる魔法が使えなくなって評判が悪いようだから、私のいるニールド国でも噂になっていそうだ。
仮面を着けたまま、私とマウロは第三王女エリザがいる部屋に到着する。
そこには小柄で短い銀髪の少女が眠っていて、青年がその姿を眺めていた。
青年が私を眺めると、マウロが手を向けて離す。
「この方は城で働いている魔法使いのワイドだ……どうして、ここにいる?」
「マウロ様が平民の魔法使いを連れてくると聞き、心配になり待っていました」
ワイドと呼ばれた青年は、私を怪訝そうに眺めて言う。
仮面を着けているから怪しいと思うけど、マウロが説明する。
「彼女の実力は私が保証する。素晴らしい回復魔法だった」
「そうですか……何か企んでいるかもしれませんし、ここで様子を見てもよろしいでしょうか?」
「それは……構わないだろうか?」
警戒しているワイドを眺めて、マウロが尋ねる。
別に見られていても問題ないから、私は頷いて話す。
「問題ありません。どうやらエリザ様は呪いにかかっているようです」
「うっっ……呪いと推測していましたが、一目見ただけでわかるのですか!」
私の発言を聞き、ワイドは動揺しながら声を出す。
呪いをかけられていると推測はできていたようで、私はマウロに説明する。
「魔法道具による呪いを受けて、エリザ様は意識を失っています」
動けなくなるほどの呪いは強力だけど、私なら問題なく解くことができる。
すぐに治そうとしたけど、私の発言を聞きワイドが叫ぶ。
「聖なる魔法が使えるといっても平民でしょう! 城の物を盗まれてからでは遅い、今すぐ追い出すべきだ!!」
「ワイドは急に何を言っている? 気にせず治し方があれば教えて欲しい」
「わかりました。それでは呪いを解いてみます」
呪いの魔法は、対象が近くにいないとかけることができない。
私なら呪いを消すことができるけど、跳ね返すことにしていた。
聖なる魔力による白い光をエリザに浴びせると、すぐに目が覚めて起き上がる。
それと同時にワイドが倒れたから、マウロが驚いていた。
「エリザが目覚めてよかった……どうして、ワイドは倒れている?」
「呪いを消すのではなく跳ね返したからです。同じ呪いをかけた人が受けることになります」
これは前世が聖女だった私にしかできないことで、呪いを消すことは困難とされている。
私なら跳ね返して呪いをかけた人を特定することもできるけど、知られていない辺り今でも私しかできない技術なのかもしれない。
「……それはつまり、ワイドがエリザに呪いをかけていたということか」
「今からワイドにかかった呪いを解きます。呪いをかけた張本人なので、再び同じ目に合わせると言えば自白するでしょう」
これは今までの経験談だけど、自分がかけた呪いを受けたショックは大きいらしい。
私は聖なる魔力の光を浴びせて呪いを消し、目覚めたワイドは全て白状していた。
マウロ王子が同行したいたから、私は問題なく城に入ることができた。
私は素顔を隠すため仮面を着けているから、城内の人から怪しまれてしまう。
当然の反応だけど、双子の妹キサラと見た目が同じだから正体を明かすことはできなかった。
今のキサラはランアス国のルドノス王子と婚約して、聖女の生まれ変わりと公表している。
それなのに聖なる魔法が使えなくなって評判が悪いようだから、私のいるニールド国でも噂になっていそうだ。
仮面を着けたまま、私とマウロは第三王女エリザがいる部屋に到着する。
そこには小柄で短い銀髪の少女が眠っていて、青年がその姿を眺めていた。
青年が私を眺めると、マウロが手を向けて離す。
「この方は城で働いている魔法使いのワイドだ……どうして、ここにいる?」
「マウロ様が平民の魔法使いを連れてくると聞き、心配になり待っていました」
ワイドと呼ばれた青年は、私を怪訝そうに眺めて言う。
仮面を着けているから怪しいと思うけど、マウロが説明する。
「彼女の実力は私が保証する。素晴らしい回復魔法だった」
「そうですか……何か企んでいるかもしれませんし、ここで様子を見てもよろしいでしょうか?」
「それは……構わないだろうか?」
警戒しているワイドを眺めて、マウロが尋ねる。
別に見られていても問題ないから、私は頷いて話す。
「問題ありません。どうやらエリザ様は呪いにかかっているようです」
「うっっ……呪いと推測していましたが、一目見ただけでわかるのですか!」
私の発言を聞き、ワイドは動揺しながら声を出す。
呪いをかけられていると推測はできていたようで、私はマウロに説明する。
「魔法道具による呪いを受けて、エリザ様は意識を失っています」
動けなくなるほどの呪いは強力だけど、私なら問題なく解くことができる。
すぐに治そうとしたけど、私の発言を聞きワイドが叫ぶ。
「聖なる魔法が使えるといっても平民でしょう! 城の物を盗まれてからでは遅い、今すぐ追い出すべきだ!!」
「ワイドは急に何を言っている? 気にせず治し方があれば教えて欲しい」
「わかりました。それでは呪いを解いてみます」
呪いの魔法は、対象が近くにいないとかけることができない。
私なら呪いを消すことができるけど、跳ね返すことにしていた。
聖なる魔力による白い光をエリザに浴びせると、すぐに目が覚めて起き上がる。
それと同時にワイドが倒れたから、マウロが驚いていた。
「エリザが目覚めてよかった……どうして、ワイドは倒れている?」
「呪いを消すのではなく跳ね返したからです。同じ呪いをかけた人が受けることになります」
これは前世が聖女だった私にしかできないことで、呪いを消すことは困難とされている。
私なら跳ね返して呪いをかけた人を特定することもできるけど、知られていない辺り今でも私しかできない技術なのかもしれない。
「……それはつまり、ワイドがエリザに呪いをかけていたということか」
「今からワイドにかかった呪いを解きます。呪いをかけた張本人なので、再び同じ目に合わせると言えば自白するでしょう」
これは今までの経験談だけど、自分がかけた呪いを受けたショックは大きいらしい。
私は聖なる魔力の光を浴びせて呪いを消し、目覚めたワイドは全て白状していた。
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