婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました

天宮有

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第17話

ルドノス視点

 仮面の聖女がマウロ王子と親しかったから、どれだけ好条件でもランアス国へ行かないと断言している。
 宰相としては俺達と同じで、ニールド国の王家が仮面の聖女を雇ったと考えているようだ。

 聖なる魔法を扱える者は希少で、仮面の聖女と周囲から呼ばれる程に優秀なのだから当然だろう。
 宰相の推測通りだとしても、諦めるわけにはいかなかった。

 玉座のある広い部屋で、俺は宰相に話す。

「推測通りなら……仮面を着けた平民を、マウロ王子は受け入れたことになるな」

「結果を出していますし、正体を明かしているのかもしれません」

 確かに……仮面を着けた平民と俺達は考えているが、信頼している者に正体を明かしてもおかしくない。 
 勧誘を拒まれてしまったが、仮面の聖女はランアス国に必要な存在だ。

 どうすればいいのか思案して、俺は兵士長に尋ねる。

「マウロと親しかったか……兵士長に聞きたいことがある」

「なんでしょうか?」

「マウロだが、仮面の聖女を婚約者と言ってなかったか?」

「関係者と言ってました……親しいように見えましたが、婚約者とは言ってません」

「平民とは婚約したくなかったのだろう。どれほど好条件でも断ると言ったようだが、俺の妾にすればいい」

 兵士長の発言を聞き、俺は提案する。
 好条件でも拒むと言ったが、ここまで言われればランアス国に来るだろう。

 仮面で正体を隠す平民とは関わりたくないが、現状の問題は解決しなければならない。
 兵士長でも無理ならば、王子の俺が会い婚約すれば全て解決すると考えていた。

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