大人になっても断れない私

菜乃華が王子様なワケ

その後の代償

須藤が退学したと言う事実を知ったのは、菜乃華から、聞いてである。須藤は一週間の自宅謹慎を命じられていたらしい。次の週に、担任の教師に帰りに部活に行こうとしていた私に残るよう呼び止められ、掃除が終わるのを待ち、担任の先生と私の2人きりになった教室で、担任は私に

「昨日未来の親御さんには電話したけど聞いてる？…隣のクラスの須藤の事なんだが、学校側で話し合いになって退学になったから。でも、あいつの将来のことを考えて、学校側からじゃなくて、自主退学という形で学校を去った。でも、未来が、自分を責める必要はないよ。」

と言ってきた。しかし、私は親からは聞いていない。菜乃華から、１時間目が終わった後、RINEのメッセージで、

「アイツ退学になったらしいよ。いい気味だよね。」

と言うメッセージが来ていたので知っていた。私は担任からの言葉で気を落とすこともなかったし、私が自分を責める必要がどこにあるの？と担任の言葉に少し怒りに近い感情を抱いていた。

そして、その次の日には授業後に、進学補習で行われた模試の結果が、進学補習の先生から、直接返される日だった。正直言ってすごく朝から憂鬱だった。その英語の進学補習の丸川先生は私が須藤の件が先生たちに公になった日話は聞かれていないが、号泣する姿は見られていたからだ。

案の定、

「これ、模試の結果だけど、、、40点って点数だったんだけど…どうしたの？あなたらしくない。」

と言われた。しかし丸川先生は男性だし、心配するような号泣する姿を見てギョッとした顔でそそくさと出て行ったという理由で話す気になれなかったし、普段クラスの英語教員でもあったが、それだけで、絡みは一切なかった。そんな人に私の何が分かる？と言う感情でいっぱいだった。
心配しているような言葉をかけてくれてはいるが、軽蔑と、気まずさと、めんどくさいと言う感情を足したような顔をしていた。
そんな人から結果を返されたので

「いえ、何でもないです。すみません。次は頑張ります。部活に行くので失礼します。」

と言い、顔には出さないが、イライラしながら、部活に向かっていった。