大人になっても断れない私

21歳の底無し沼

パンケーキ

運ばれてきたパンケーキは絵本の世界から飛び出してきたような感じの世で言う映えるパンケーキだと思った。

「未来ちゃん！見てみてー！ナッツが入ってる小皿フライパンだよー！しかもパンケーキもフライパンで出てきてかわいいし、待ってて正解だね！めっちゃ映える」

とウキウキした様子でスマートフォンの写真であらゆる角度からパンケーキを収めながら、羽衣ちゃんは言った。私は確かに女子ウケしそうだなとは思ったものの、栄えについては全くわからないので羽衣ちゃんのノリに合わせて、パンケーキの写真を数枚撮った。私はそれより折角の出来立てを、食べないのは勿体無いであろう。と思っていた。違う小皿にバニラアイスが盛り付けてあり、そこにスライスナッツが挿してあり、ウサギみたいだなぁと思ったが、折角のアイスなんだから溶ける前に食べようよ、、、。と思いながら、先に食べるのは気が引けたので、羽衣ちゃんの写真撮影が終わるのをただただ待った。そして、

「未来ちゃん！見てみてー！この写真めっちゃいい感じに写真撮れたー！今回の1番だと思う！」

と写真の評価会が始まってしまった。

どうでもいいよ！

と、私の頭の中はそう叫んでいたが、

「めっちゃ映えた写真だね！羽衣ちゃんすごい！」

と、とりあえず笑顔で誉めた。そんな気はさらさらなかった。美味しいうちに食べないと、食べ物にもお店にも申し訳ないだろう。という思考が頭をぐるぐる巡っていた。パンケーキを食べ終え、会計を済ませたあと、


「じゃあ、次は未来ちゃんのチョイスしたお店にいこっか！」

と言われて、歩きはじめた。その道中で、

「雷牙さんにRINEよろしくね。私が連絡とりたがってたってそれとなく！それとなく伝えてくれたら、オッケーだから！」

と念押しをされ、断ることのできない私は、

「オッケー！一応連絡してみるけど、連絡って言っても、make friends cafeの日に

今日はありがとうございました。またご飯とか行きたいです。

的な文面送ってそれっきりだからブロックされてるかもしれないよ？」

と一応私も念押しをしたが、

「うん。じゃあ、連絡よろしくね！」

と言われて、私が連絡することが決定してしまった。そうしているうちに、わたしの送ったリンクのお店に着いたが、そこは人が並ぶほどの行列の店だった。私は羽衣ちゃんとこの行列の間話持たせる自信がないよぉぉぉ！

と思い、

「ここ私が提案しておいてなんなんだけど、人多いし、近くのお店にでも入ろっか！」

と提案をした。