魔法と錬金術士の奇妙な関係

七瀬蓮

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魔法術師の策略

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魔法術師は、錬金術師に手を伸ばせば触れられるぐらいのところまで近づきそして、



「じゃあ、まずは体力と気力の回復からしていくね。姉ちゃんは何も考えずにリラックスしてて。」

と言い、手を錬金術師の前にかざした。

すると、錬金術師が魔法術師の手によって光を帯びていた。


「……。なんだか体だけじゃなくて心までリラックスするー!……この魔法術って、高いんじゃない?……私はこれに見合う錬金術を返さなきゃいけないのかー。がんばるー。」


と独り言を呟きながら錬金術師は眠りについた。


「姉ちゃんに今必要なのは休息。……自分を追い込むために寝具まで捨てたって周りから聞いたけど、そんなんじゃいいもの作れるわけないのに……。」


と言いながら、魔法術師は、錬金術師を抱き抱え、自分の住むところまで連れ帰ってきた。


「んー。久々によく寝たー!」


と目覚めた錬金術師は、ここがどこか分からず、



「えぇ!ここどこ?やばい職場に連絡しなきゃ!」


と慌ててると、ガチャと扉が開き、


「姉ちゃん。おはよ。ここは俺の下宿先。僕は今はここで暮らしてる。特に制約はここにはないから、姉ちゃんを連れてきてもなんの問題もない。職場の地下30階だから、気はあまり休まらないかもしれないけど。それ以外は快適だよー!」


と嬉しそうに言う魔法術師を見て、


「ここからどうやって私は戻ればいいの?」


と尋ねられ、


「姉ちゃんは頑張りすぎなの。一緒に後継者探しに行く旅をしよう!気分転換に姉弟で旅行行こうよ。錬金術師の村は、他にもあることは知ってるでしょ?そこからヘッドハンティングしてこようよ!」


と言われて、


「私はもう少し一人で頑張りたいんだけど……。それにヘッドハンティングするなら、同じ村の人がいい。よく分からない人と組むの嫌だし。」


「それも限界があるのはわかってるでしょう?あの村の過疎化は進んでる。これ以上若手をあの村で探すのは大変だって。姉ちゃんはそう言ってもやらないのはわかってるから。休みとったから!行くよー!ちゃんと上も休むこと認めてくれたから。僕だってもとを正すと錬金術師の家の子だ。だから、何か手助けができると思うし。もう街にも目をつけてる。」

と言われて弟に手を引かれて、外へ出た。

「ちょ…!ちょっと!私財布も持ってきてないんだけど?」


と言うと、


「あぁ。僕のがあるから。それにそんなには長旅にならないようにプランも組んでるから安心してね!んー。そうだなー。外だと飛行魔法使おうとしても目立っちゃうから、電車で向かおう!駅弁とか食べながら、久々に姉ちゃんとゆっくり話したいし。」


と言われて駅へと向かった。
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