【完結】恋に夢見て恋をする

あい

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新体制

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「美香~あんたいつまでぐうたらしてるの?」
「う~。」
「ちょっと丸井スーパーまで行ってきて~。」
「え~。」
「卵が安いのよ。」
「はぁい。」

ちょっと遠いけど川沿い歩くし気分転換になるかな!
やっぱり昨日のことは飲んだからって忘れられるようなことではなくって。
つくづく自分ってダメだなぁって思う。
これから新しいチームになるし。
少しでも先輩達みたいにステキなマネさんになれるように頑張らなきゃ!
ん?ん!?
前から走って来る人どっかで見たことあるような?木村良太!?
なんでこんな所に?
っていうかどうしよう。なんて声かけたら。

「よぉ。はぁはぁ。」
「あ。ども。何してるの?」
「見て分かるだろ。ランニング。」
「そ、そっか。」
「この前美香が迷子になった公園からこっちの方まで川続いてんだよ。」
「え!そうなの!?」
「そう。だから今度迷ったら川沿い帰れば?」
「う。そうします。ってかそんなに走ってきたの!?」
「え?まぁ。」
「すごいね!だって駅三個分だよ!?」
「だな。」
「昨日の試合で疲れてるのによく走れるね。」

うわっ。私ってばなんで自分から昨日の話を。
地雷踏んだ!!

「昨日はサンキューな。」
「え?」
「じゃ。」

サンキューって何?ありがとうってどういうこと?
私何もしてないのに?
ん~。
結局いくら考えても分からないから考えるの放棄!
サンキューってことはなんだかよくわからないけどいいことをしたってことだもんね!ま~いっか!

「今日から新体制だ!気合い入れていくぞ!!」
「ういっす!」

一週間のオフが明けて。
今日から四年生が抜けた新体制へ。

「おら~!ダッシュだぞ!ランニングしてんじゃねぇんだよ!走れ!!」

新体制って恐ろしい。

「三年生気合い入ってるね!」
「うん。怖いぐらいに。私大丈夫かなぁ。やっていけるかなぁ。」
「毎年この時期は一から体力づくりとかしてハードらしいよ。」
「そうなんだぁ。」

見ているだけで苦しい。
よくこんなに走れるなぁ。

「良太君は何やっても絵になるよね~!」
「ホント!」
「キツそうなのに爽やかなんだよね~!」
「うんうん!あんなにかっこいい彼氏いたら自慢だなぁ~。」
「だよね~!」

木村良太は相変わらず二重人格で表向きは爽やか好青年。裏は。

「美香。俺のタオルは?」
「え~知らないよ?」
「は?」
「は?って何さ~。」
「部室かも。とってきて。」
「え~!?」
「次ランニングパス!」
「はい!」

行っちゃったよ。マネはパシリじゃないっつ~の!!
皆絶対騙されてるよ。
あれ?どの鞄だろ?あった。タオルはどこだ?

「ん?」

手紙?女の人からだ。もしかしてこれってラブレター!?
え!すごい!本物のラブレター初めて見た!!
きゃ~!なんかこっちが恥ずかしくなっちゃう!
いいね!いいね!恋だね~!!

「タオルあった?」
「はい!ど~ぞ!」
「なに?なんか気持ちわりぃんだけど。」
「なんでもな~い!」
「変な奴。」

そんな普通なふりして。
ホントは女の子からラブレターもらってルンルンなくせに~!

「美香ちゃん楽しそうだね!どうしたの?」
「くるみちゃん!あのね!」

おっと。ちょっと待って!
くるみちゃんって確か木村良太のこと好き?な感じだったよね?
ラブレターもらってたよなんて言ったらどうなっちゃうんだろ?言えない!

「なになに?」
「な、なんでもない!」
「え~教えてよ~!」
「あの。ほら。今週末のキャンプ楽しみだなぁって!」
「あ~そ~だよね!」
「うん!そうそう!」

ふぅ。なんとかごまかせたぁ。

「もしかして美香ちゃんも誰かいい人いるの!?」
「え!?」
「毎年キャンプでくっつくカップルいるらしいよ!」
「そうなの!?」
「去年は川嶋先輩と瞳さん!」
「そうだったんだぁ。」

おぉ~!そうか!キャンプ!
一泊二日男女が一つ屋根の下に集うわけだからそういうむふふなことが起きてもおかしくないよね!

「良太君狙ってる子多そうだからなぁ。頑張んなきゃ!美香ちゃんも協力してね!」
「うん!もちろん!」

きゃ~!ついにキューピッドデビューしちゃう!?
くるみちゃん!私頑張るよ!
全力で応援させて頂きます!!

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