【完結】恋に夢見て恋をする

あい

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重症

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ということで今は駅で待ち合わせ中。
いくら近所だかやとはいはえなんで私が…。
なるべく関わらずに普通にするために距離おきたいのにぃ。

「わりぃ。」
「あ。おはよ!」

そっか。さすがに今日は走っては来ないか。
いつも自転車かランニングしてるイメージだから道路の方見て待ってたから。
背後の駅の改札から来てビックリ。

「オフなのになんか予定なかった?」
「何それまた嫌味?」
「いや。ホントに。」
「別に何も予定なかったから。」
「ならいいけど。一昨日もホントは公園の後何か予定あったんじゃね?」
「え?一昨日?特に何もなかったけど?」
「あっそ。」
「も~なぁに?」
「なんでもねぇよ。」
「変なの~。」
「病院どっち?」
「こっち!」

なんだろ?変なの?

「木村さん。木村良太さ~ん。」
「はい。え。中までついてくんの?」
「だって付き添い人だもん。」
「…。」
「今日はどうしました?」
「サッカーやっててちょっとポストに肩をぶつけて。」
「肩ね。ちょっと触るよ。」
「うっ!」
「痛い?」
「…はい。」
「ここは?」
「うわっ!」
「ん~。レントゲンとるからこっちに。付き添いの子は外で待っててね。」
「あ。はい!」

今先生に触られてうわっ!って叫んでたよね?
そんなに痛いの?
あの木村良太が叫ぶぐらい?
もしかして実は相当重症だったんじゃ…。
なかなか出てこないし。
どうしよう。どうしよう!

“ガラガラ”

「お大事に~。」
「ども。」
「わ!え!ちょっとどうしたの!?」
「いてっ。バカ!触るな!」
「ご、ごめん!でもこれ!どうなっちゃったの!?」
「ちょっと。」
「ちょっと?」
「肩の骨にひび入ってたみたい。」
「ひび入ってたみいって。え~!!」
「声デカイ。」
「あ。ごめん。」
「木村さん。」 
「はい。」
「お会計が。」

え!骨にひびって重症じゃん!!
なんでそんな大したこと無さそうな顔してるの?

「美香。美香!」
「へ?」
「ちょっと財布出して。」
「あ。うん。お会計いくら?」

私動揺しまくりなんですけど!!

「お大事に~。」
「…。」 
「あの。えっと。」
「美香がそんな泣きそうな顔すんなよ。」
「だって。だって。」
「うわ。マジで泣いてんの?ば、はが。泣くなって。あ~も~。」

それから公園のベンチで私が落ち着くまで座って。
って私何してるのさ!?

「ごめん!」
「なんだよいきなり。」
「木村良太はそれどころじゃないのに。関係ない私が泣いて。わ~どうしよう!」
「あはは。」
「へ?」
「俺の分まで泣いてくれたってことだろ?お陰で泣くタイミング逃したわ。」
「え?」
「ま~今さらどうしようもねぇし。けど先輩には怒られそう。」
「怒るなんてそんなの変だよ!木村良太は一生懸命頑張ってて!別に何も悪いことしてないのに!」
「はいはい。」
「先輩が怒ってきたら私が先輩を怒る!」
「…マジで?」
「え?あ。うん。できたら。」
「あはは!なんだよそれ。」
「だってぇ一応先輩だから。そんなに強くは言えないかもだけどぉ。」
「さっきの勢いはどこいったんだよ!」

木村良太のこんなに笑ってる顔は初めて見たかもしれない。
もしかしてツライの吹き飛ばそうとして思いっきり笑ってごまかそうとしてたりするのかなぁ。
なんか心が痛い。
私に出来ることってあるのかなあ?
マネージャーとしてでもなんでも何かできることないかなぁ。
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